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3020ストーリー~『第二の地球』と戦士の記憶を辿りながら~  作者: ユニィウルフ
〈第一章〉共鳴する過去の灯

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コロナ禍3020-1


 紅く染まった雲の下のメイキョウ地方……普段は通行人が絶えない交差点で、人は一切出歩いていない……ただ、多数のウイルスが地上で歩いていた……。

 そんな中で、このニュートラルシティを守ろうと、防衛戦に激戦していた戦士達がウイルス達と剣を交えてた……しかし、大群のウイルスが一人の戦士を追いかけていた……。


 「おわぁぁぁぁぁ!! いきなり何なんだよ~!」


 ネリネはウイルスの方をチラチラと見ながら、全力で逃げていた。ウイルスの大群が後を追いつけなくなる頃に、角を曲がろうとしたら、出会い頭に現れた大男にぶつかり、弾き飛ばされてしまった……。


 「いてっ! ひょっとして、運命の人が――」

 「ん? ネリネ? よそ見しながら走るなっていつも言ってるだろ!」

 「な~んだ、大河ぁ~?」

 「何がな~んだだよ! 俺がここに来た事をラッキーだと思え!」


 フューチャーファイターズの突撃兵の一人、『三紀(さんき) 大河(たいが)』だ。勇ましい体格と体術の持ち主だが、数日の間、酒で寄ってしまいダウンしてしまったが、現在は本調子を取り戻している。また、ネリネとは腐れ縁の関係だ。

 後から追いかけてくる足音と同時に、ネリネはベタの学園物展開で期待外れな表情と一転、危機が迫るような表情で大河に話しかけた。


 「ああ! そうだった! 今大群のウイルスがこっちに来てるんだった!」

 「いよ~し、こいつら全員まとめてフルボッコにしてやらぁ!! どおりゃぁぁぁぁぁ!!」


 大河は地面をたたき割るように、『Earth』タイプの力を使った。すると、地面が盛り上がって来るかのように岩が出現し、敵が打ち上げられたり、押しつぶされたりした。


 「ふぅ~楽ちん楽ちん! やっぱりアンタがいないと、防衛戦が成り立たねー!」

 「おいっ! ネリネ! 俺にやらせてばっかにしねぇでたまには戦士らしいことしろよ! また、まかせっきりにしたらもう年末年始は帰って来るなって、お前の親父こと教授から伝言だ!」

 「ゲッ! またアンタ……人の急所を突きやがって……フン、やればいいんだろ! やれば!」


 ネリネは不満たらたらそうに、剣を残ったウイルスに対して構えた。


 「そぉ~れっ!」


 ネリネは『Wind』タイプの力を使って、残ったウイルスを吹き飛ばした。そして、最後に残ったウイルスは突然鳴り響いた銃声と共に、消滅していた……。

 二人は振り返ると、知り合いの戦士の青年と生命機械人が駆け付けて来たのだった。


 「大河さんにネリネ、大丈夫ですか?」

 「おっ、優二にラルク! そっちは終わったか? こっちはネリネが俺に任せっきりにしそうになったんだ!」

 「なんだよ! アタシはウイルスを倒せたじゃん! 大体――」

 「大河さんにネリネ……喧嘩は終わってからにしなよ……」

 「敵とのバトル後のバトルだな」


 優二は手を顎にあてて、ネリネに話していた。


 「そう言えば、ネリネ……こういう状況に聞くべきじゃないけど、どうして戦士になったんだ?」

 「ん? アタシは家族を見返すために入った。美菜も入ってたし」

 「……それは知ってるけど、きっかけは?」

 「きっかけぇ~? あれは去年だったかなぁ……」



 ――「確かあの時……普段通りソファで雑誌見ながらポテチ食ってた頃かなぁ……」

 「お前のぐうたらは元の性格で草」


 「ネリネ、だらけてる暇があったら、エリナとリリエと一緒に勉強しなさい」

 「ママ、こういう時はこう接すればいいのよ。ネリネ、今日は魚料理にするからおつかいをお願い、なるべく時間かけてじっくり見て」

 「ええ~、遠回しに邪魔だから出ていけって言うなよ! なんか余計行きたくなくなった~」

 「ネリネがいると勉強に集中できないし」

 「リリエまで……何で三人とも怒ってんの?」

 「パパも頭を悩ませているのよ、アンタが高校卒業後、どうするか少しは慎重に考えなさい。アンタ自身しか決められないのよ!」

 「はいはい、わかったよ……今はこれを読み終えてから大河に――」

 「ふわぁ~ねみぃしいてぇ……昨日保育園のガキどもとお馬さんごっこしてたから筋肉痛だ……」

 「大河兄、またお酒もらってきたし?」

 「教授の知り合いからちょっとな……あっ、女将さんこれはそこの棚にお願いしあっす! 明日、教授がこれを持って差し入れに行くので!」

 「お客様用ならいいわよ。それよりも、ネリネをどうにかしてちょうだい! あの子、進路先が決まらなくててなまけ癖が酷いの!」

 「ったく……またかよ! おい! ネリネ! エリナとリリエの勉強の邪魔する暇があったら、外行けよ!」

 「うわぁ! ちょっと、人の雑誌を横取りすんなよ!」

 「カフェや公園とかで読めばいいだろ? ちょうど、プロテインが無くなりそうだから、スーパーへ行くついでにお前が選んでくれ! お前も飲んでいいぜ!!」

 「いらねー! 第一、アタシ苦いのは――」

 「後、進路の情報もオススメがあるぜ! 俺も所属してる団体なんだ! 確かお前、『Wind』タイプ持ってたよな?」

 「えっ?! 本当? そこまで言われると特別に乗ってあげよう!」

 「んじゃ、ちょっと行ってきます! 夕方位には帰って来るからな!」

 「いってらっしゃい、くれぐれも仲良くね!」


 ――「というわけで、アタシは戦士になったんだ!」

 「それよりも、何で君の家に大河さんがいる事の方がすごい気になるんだが」

 「ひょっとして、お前たち付き合ってんの~? 干物女と生臭怪獣のカップルは変だと思うぜ~?」

 「んなわけねぇだろ!! 誰がこいつなんかと! あと、俺のこと怪獣呼びするなよ! それにラルク、お前だって近所のガキどもに腹ペコ怪獣って呼ばれたクセに!」


 ラルクは大河の言葉に対して、足を強く踏みいれた。


 「あぁん?! 俺とやるってのか~?!」

 「そこまで!! 大河さんがネリネの実家にいるって事は何らかの形で拾われたで合ってますか? また、新手が来そうになるので、はいかいいえで」


 優二は長杖を強く地面に突きながら、強い声で喧嘩を止めた。大河はさっきのこわばった表情と一変して、少し難しい顔をしながら答えた。


 「ああ……まぁそうだな……」

 「ラルク、『Aqua』のTypeタンクを用意してくれ」

 「ああ、優二のとっておきを使うんだな! 待ちくたびれたぜー! ちょっと準備してくる!」


 ラルクは優二が指定した場所に、『Aqua』タイプが含まれた高火力のTypeタンクを設置した。その間、優二は長杖を両手に持って、強力なマジックの準備をしていた……。

 それを横目に、大河は昔の事を思い浮かべたのだった……。


 (詳しく話すと、自分でも不可解だからな……)



 ――その一方で……。

 ミライ大学の周辺にも多数のウイルスが出回っていて、大学内へと避難する学生が大勢いた……。その中で、僅かながらも大学を守ろうとウイルスと戦っている学生もおり、コマ子はプラネットゲートとは反対側のソーラーゲート前に人形達と一緒にミライ大学を守っていた。


 「結構禍々しいウイルスがいっぱいね……最近見た『ぬいぬい・パニック』に入った気分だわ……」


 コマ子は目をぎゅっとつぶりたくなるも長杖を使い、パペットちゃんに『Fire』タイプのマジック、『フレイマ』を指示した。


 「パペットちゃん! マジックを使って!」


 パペットちゃん達はマジックをウイルス達に当てて、ウイルス達を次々と倒していった。すると、誰かがコマ子の元へとやって来て――


 「こ、コマ子さん? 避難指示を出されたはずじゃ……?! 君もウイルスと戦うつもりか?」

 「ええ! アタシは戦士さん達に色々助けてもらったから、そのお礼のつもりにね! そう言えば、学生自治会は学さんしか来てないの?」

 「いや、副会長と書記は別の場所で大学を防衛している。そこはここより沢山のウイルスが襲ってきてたからな……さっきまで僕と会計で、ウイルスを倒してたんだけど、副会長がこの地域のウイルスを親玉ごと全部倒したから逃げられてしまった……」

 「ええ?! 親玉ごと?! 副会長さんってお堅いイメージがある人があったんだけど……強い人だったの?!」

 「ああ何せ、両親とも厳しい家庭で育ったと聞くから……」

 「なるほど……そう言えば、会計の徳山(とくやま)君は……? さっきまで一緒じゃなかったの?」

 「今は戦う必要がないって判断して、学生達の避難指示を出している所だ。他の役員をまとめてね……」

 「すごい連携ね! あっ! 吞気に喋ってる場合じゃなかったわ! さっきウイルスがまだ数少ないけど、また出始めちゃったみたいなの! サークル長も加勢に来るけど、いつまで持つのかしら……」

 「なんだって?! それは早く対処しないといけないな!」


 学はすぐさま真剣な表情で、背中に背負っていたヘビィシューターをすぐさま取り出した。そして、次に襲い掛かってきたウイルスに向かって銃口を向けた。


 「コマ子さん、これを!」

 「あら! これって……ウイルスに印鑑?」

 「たった今、ウイルス達に『学法の印』を付けた! これを上手く使って、裁きをお見舞いしてやってくれ!」

 「ありがとう♪ さぁ、みんな~お仕事よ~!」


 コマ子の前から、大きな箱がコロコロと転がりだして、箱が開きだした。すると、杖が光出して、ブラストを繰り出そうとしていた。

 そして、杖を高く上げて、『Psycho』タイプの力を使い、ウイルス達は人形達に倒されていった……。


 「ふぅ、お仕事完了~!」

 「いや、まだだ……! あっちの方で大きなウイルスがやってくるみたいだ……」

 「えっ!? あそこはメイキョウタワーの近くじゃない! どうしましょう?!」

 「あそこ付近は、確か……戦士達と協力者が防衛している場所だ……でも、僕たちはこの周辺を守ることを意識しよう」 


 メイキョウ地方のシンボルマークであるメイキョウタワーの近くに大きなホールが出現した……そして、そのホールに聞きなじみのある声もしてきたのだ……。


 「ニャフフフ……間に合ったみたいだニャ……」



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