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3020ストーリー~『第二の地球』と戦士の記憶を辿りながら~  作者: ユニィウルフ
〈第一章〉共鳴する過去の灯

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人形と戦って


 私達はコマ子と共に、桃がいる研究室へと急いで、向かっていった。桃に分析機器で調べさせた所、とんでもないものだと判明した!


 「調べた結果……この人形の中身……機械や盗聴器が使われているね……」

 「えっ?! これって盗聴器だったの?! 全然メカメカしい見た目じゃないから、よくわからなかったわ!」

 「ああ、犯人はそこまでして、コマ子君の事を狙ってるんだろうね。これは危険だから、預からせておくよ」

 

 桃は、真剣な顔で話していた。真実を知ったコマ子はある言葉を思い出す。


 「これが、希人が言ってた「誰もかも、外装と内装があったりする」ってヤツかしら?」


 ――そして翌日、私達は、プラネットゲート前でやって来た……。


 「さてと、今日こそは探さないとね。セナ、お願い」

 「わかったわ! 『ミライセンサー』起動!」


 セナは『ミライセンサー』を起動して、周りに青い光が輝き、地形をスキャンするかのように伝わって言ったのだ……。駆は、目を丸くしながら――


 「セナさん……オレ達がいない間、出来る事が増えていってる!」

 「いろいろね! それよりも、矢印の方向へと急ぎましょう!」 


 私達は表示された矢印の方向へと向かっていった。矢印の方向が、大学から少し離れた所の方へと向いており、そこには人気がない、空地のような場所だった……すると、何だか愛らしいデザインの箱がポツンと置かれてあったのだった……。


 「あら? あの箱って……」

 「あっ、あった~! 中身は……」


 コマ子はすぐさま、蓋を開けて、一つ一つ、丁寧に優しく取り出していった……。


 「うん、皆無事だったわ! ミニチュアシリーズも無事ね! 特に風車は、エンペラーホールで見つけた掘り出し物で、2万ミュル(通貨)が水の泡になっちゃうところだったわ」

 「ミニチュア1個で2万ミュル!? 高すぎだろ!!」

 「だいたい、小さい分作りこみにくいから、そのくらいするのよ」

 「ああ、確かにな……細かい所は見えにくいからな……」


 ようやく、コマ子の探していた人形達が、誰も通ることがないような空地で見つかった。笑は首をかしげながら、こう口にする。


 「それにしても、何で大学よりちょっと離れた場所で、コマ子さんの小物が見つかったんだろう?」

 「誰かが嫌がらせで、この子達を外に出したとしか思えないわ、全く! いったい誰の仕業よ!」

 「はっ! 全員伏せろ!!」


 ウルが、何かに気づいて、私達は地面に伏せた! 飛んできた何かは、ウルの大剣が弾く音と共に、場外へと爆発していった……。


 「チッ、あとちょっと……惜しかった」

 「あら? 希人?! キャンパス内を探してたんじゃなかったの? そして、あの、大きいロボットはどこで見つけたのよ! 工学部が作ってた戦闘機でしょ!」

 「ああ、その通り、これは工学部の学生からちょっと借りたものなんだ」

 「でも、これってウイルスと戦う用に作られてたんじゃないのか……?」

 

 よくわからない戦闘機の横にいたのは、希人だった……。

 

 「そんなことしたら、あんたはこの大学に来れなくなる、いいの?」

 「いいさ、例え退学になってもね」

 「じゃあ、あのデマが広めたり、キャンパスの中でアタシを狙ってたのはあなただったのね? そこまでして、何するつもり?」

 「簡単さ、お前をここで殺して、その上でお前の持ってる杖も才能も全部奪ってやる」

 「待って! 工学部の人達は、誰かを傷付けることなんか望んでないでしょ!」

 「無関係者は引っ込め! 俺達ストップ・ドール族は、卑劣な運命を辿っていて、周囲から散々な反応をさせられていた! でも今は違う……ストップ・ドール族の逆襲の時を俺が起こすのさ……まずは、従兄弟であるお前から殺して杖を奪い、この機械でこの大学ごと破壊してみせる」


 希人は片手に持ってるコントロールパネルを押そうとする。すると、コマ子は私達よりも前の位置で、目を尖らせながら話した。


 「おばば様はもう、ストップ・ドール族を変えることはもう、やり遂げていたわ。どんな状況でも、映画を作ったり観たりする事はやめたりしなかったわ。おばば様は一族で最も優れた人だって、みんな認めてくれたの」

 「映画? あの人形だけの映画はもう見飽きたよ……」

 「そんな中で、おばば様がアタシを褒めてくれたわ。素敵なお人形さんだって……家庭科の授業で作ったり、ちょっといびつな形の人形だったけど……この杖はおばば様が認めてくれた、一族の力を倍化させる、特殊な杖なのよ! おばば様だって、昔のストップ・ドール族の運命なんて望んだりしてないわ! アタシは……これからも人形もみんなもこの大学も……大切にしたいの……!!」

 「屁理屈はいい、どっちがストップ・ドール族の力に相応しいか、ハッキリとさせてやる!」

 「いいわよ! パペットちゃん、みんな~!」


 コマ子の前から、大きな箱がコロコロと転がりだして、箱が開きだした! すると、杖が光出して、ブラストを繰り出そうとしていた!


 「さぁ、不思議な世界へ案内するわよ~!」

 「あの箱から、人形達がいっぱい出てきたわ!」


 人形達は、箱から一斉に戦闘機に向かって動きだした! それと同時に、戦闘機もマシンガンたミサイルとか、沢山放ってきた!

 人形達は速やかに移動して、戦闘機にミサイルを当てた。


 「これが、ストップ・ドール族の力……ですか……」

 「ええ♪ 一気に決めるわよ~!」


 コマ子は戦闘機が混乱している隙に、長杖を高く上げて、『Psycho』タイプの力を使った。箱から、大きな怪獣の人形が、地面を揺らして戦闘機に向かった。そして、戦闘機に噛みつき、地面に畳みつける。

 戦闘機はバラバラになった状態で、戦闘不能になり、爆発寸前の状態になった……。


 「ば、バカな! あの力をこんなくだらないことに使って、何が楽しいんだ!?」

 「くだらねぇのはお前の方だ! お前がやってることはただの逆恨みにすぎねぇよ!」


 ウルは希人に指を指しながら、はっきりとした声で話した。すると、希人は服の裾を握りしめる……。


 「チっ、こうなったら……俺だけでも」

 「させないぞ!」

 

 他の学生の声がハッキリと聞こえてきた……! すぐさま、逃げようとした希人の腕をしっかりと掴んだ。


 「えっ? だ、誰?!」

 「ゲッ! 学生自治会、風紀委員の『鈴原(すずわら) (まなぶ)』! なんでこんな所に!」

 「工学部の学生から、話を聞いたぞ! 戦闘機を何に使うかと思ったら、まさか、学生と戦士達を脅すためにとは! 全部キャンパス中で広まってたぞ! 君は学長室に僕と共に行くぞ!」

 「フン……脅して何が悪いんだ! これからは再びストップ・ドール族は復習の為に立ち上がるべきなのに!」

 「あなた、何回言わせるのよ! あなた達のおばば様は、一族のイメージを変えたって!」


 セナは、希人に対して、こわばった目つきで話し、その後、コマ子の隣に移動をした。コマ子のはゆっくりと、人差し指で唇を近づけた。


 「希人! 映画研究会の本命を舐めないでね! アタシのこの力は、素敵な映画に使うんだから!」

 「コマ子さん、ご安心を! 君に関するデマは完全になくなった! これからは安心して、大学に通い続けてくれ!」

 「あ、ありがとう! 学生自治会って本当に助かるわ!」

 「では、これにて失礼する! フューチャーファイターズの皆さん、学生にご協力してくれて、ありがとうございます! それでは!」


 学は私達に、真面目にお辞儀をした後、希人の腕を掴んで、大学内へと向かっていった……。掴まれている希人は腕を組みながら歩いて行った……。

 そして、私達はミライ大学のプラネットゲート前に戻ってきたのだ……。コマ子は、胸に手を優しく当てて、こう話した。


 「皆さん、本当にありがとうございます! お陰で人形達全員、お家に帰って来たわ!」

 「コマ子さ~ん! 今の技、凄かったです!」

 「今の技……実は、昔のストップ・ドール族が使ってたから、あんまり使いたくなかったの……でも、守りたいって意識が強かったから、屋無負えなかったわ……」

 「コマ子、「どんな酷い事を言われも……この世界を守って欲しいの……」って自分で言ったでしょ? あなたも誰かを守りたいって意識があったから、さっきの技を上手く使うことが出来たでしょうね」


 セナはウインクをしながら、コマ子に助言を言った。すると、コマ子はパペットちゃんを呼び出して、笑顔を見せながら話した。


 「次の学園祭は、あなた達を招待するわね! はい、コレ! アタシが所属してるサークルのみんなから♪」

 「これって……」


 長方形の薄い紙に、ミシン目が入っており、イラストと『ミライ大学映画祭り』と書かれている文字が印刷されている……。


 「これって……映画研究会サークルが送る、毎年恒例の『ミライ大学映画祭り』のチケット?! すご~い!」

 「去年は混雑で行くことができませんでしたが、まさか……行ける日が来るなんて……ありがとうございます!」

 「本当に……私達も行っていいの……?」

 「当然よ! あなた達にはいつも感謝してるの。だって、アタシ達の日々の暮らしのために戦ってきてるんでしょ?」

 「イリル、せっかく招待してくれてるんだから、行かないと損でしょ! ありがとう、コマ子! みんなを誘って学園祭に来るわね!」


 セナは私に微笑みを見せながら話した。確かにせっかくコマ子が来てって誘ってくれてるし……断るっていう選択肢はないけど――


 「あっ!」


 ふとした瞬間、私はあの時の記憶が、蘇ったかのように浮かび上がった!


 ――「ありがとう、戦士さん。お陰で、娘が帰ってきました」


 ああ、そうだった……似たような事を私は経験しているんだった……あの時、私はライルと一緒に、森で迷子になった女の子を探していたんだ……女の子は大きな木の根っこで無事に発見し、その子を私達が、家まで送り届けた。

 そして、家に着いた頃、女の子は私に両手を差し伸べた。


 「はい、コレ! 宝物だけど、おねーちゃんにあげるっ!」

 「本当に……もらっていいの?」

 「うんっ! あなた達にはいつも感謝してるの。だって、わたし達の日々の暮らしのために戦ってきてるんでしょ?」

 「そうだよ」


 女の子から光っている折り紙で出来ていたブローチを、私に譲ってくれた。やや折り目が不揃いなものの、綺麗な彩りが良く、星の形をしており、あの子の感謝の気持ちが伝わってきているように思えた。そして、私は微笑みながら話した。


 「ありがとう……とっても素敵なブローチだね。大切にするよ」


 ――私はリラックスした姿勢で、胸に手をそっと当てた。そして、コマ子に向かって、こう言葉にした。

 

 「ありがとう、コマ子。絶対に行くね」


 現実は、必ず良い反応はもらえないだろうけど、私達はそれでも前に進み続けている……。気になる点も受け入れることも大事だけど、例え批判の声があっても必ず前に進み続けるよう、私は願っている……。



 【ミライ図鑑】

 今週も残りすくねぇなぁ~……残った行事は祭りと祭りとクリスマスと祭りと大晦日ぐらいだな……。

 ……ってなわけで、今年やり残したミライ図鑑、今回もやるぞ~!

 それでは、今回の紹介を――


 くらえ!!


 【Typeの力:Thunder】

 今回はTypeの力の紹介三回目! 前回はアプリ紹介だったから、Typeの力マニアも待ちくたびれただろ~?

 雷ピカピカな『Thunderサンダー』タイプ! 文字通りに電撃を操って、敵を痺れさせる! アタシの知り合いだと、ウルや隊長である李徴も『Thunder』タイプだな~。

 『Aqua』と同じく、普段使いはダメだぞ。多くの電化製品は電力に限界があって、『Thunder』タイプの技はそれをオーバーしちまうから、技で電気を使おうとすると、壊れちまうからな。

 そんな電力を上手く有効活用できるのは~やっぱりバトルしか勝たん! アタシのオススメに移るぜ!

 

 Thunderで当て続ける【感電かんでん

 相手に電撃が走るぞ! そして、敵を痺れさせる! そして、だるまさんが転んだのように中断!


 ThunderとIce【超伝導ちょうでんどう

 磁力が現れ、敵に攻撃が通りやすくなる! 機械の冷やしすぎにはくれぐれも注意だ!


 ThunderとLight【閃光せんこう

 もっとピカっと光って、相手を動けなくしてしまう! 青天の霹靂みてーに!


 以上! オメーらは、電気をバトルには使わずに大切にしよーな!

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