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3020ストーリー~『第二の地球』と戦士の記憶を辿りながら~  作者: ユニィウルフ
〈第一章〉共鳴する過去の灯

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30/42

「今日の社会科見学は」


 ――翌日、ホース区の住宅地にて……。ある家族が、ニュース番組を観ていたのだ。


 〈速報〉ウイルス因子が、メイキョウ地方に出現。


 「このウイルス因子は、ニュートラル区中心で次々と増え続けており、見たものをウイルス物質にしていくという、非常に強い感染力が見込まれている模様で、ウイルス物質を見かけたら、取り込みや飲み込まずにフューチャーファイターズに呼びかけるよう、声を掛ける模様です」


 ホース区に住む和泉家(いずみけ)は、ウイルス物質に対して、怯えを感じていた。温かい家庭が突然、ウイルスによって崩壊させられる光景を、地獄絵図でしかなかったのだ。

 妻の文江(ふみえ)は、台所で弁当の支度をしながら、コーヒーの最後の一滴を飲み干した、夫の健二(けんじ)に向かって、こう話した。


 「やだぁ……怖いわねぇ……」

 「はぁ……昨日、車で営業言ってたけどさぁ、すれ違った会社員が、ウイルス物質みたいなの持ってて……確か、水筒だったかな……」

 「私たちも気を付けないと、子供達や家族の為にもね」


 夫婦で、平穏を祈ることしかなかった。その横目に、水が出てくる音を立てながら、ドアの前で、少年が足をバタバタしながら、訪ねていた。


 「ねーちゃん! まだ~?」

 「待って! まだ、洗顔してるの~!」

 「早くしてよ! みんな電車に乗っちゃうよ~!」

 「アンタ、今日、4年生の社会科見学だからって、焦りすぎよ。そんなに慌てなくても誰も逃げないわよ」

 「だってだって、今日の社会科見学はあの、フューチャーファイターズの拠点なんだよ! この日を待ちわびてたんだから!」


 小学4年生の咲人(さきと)は、フューチャーファイターズに憧れている少年だ。中学2年生の姉の咲子(さきこ)の支度を待ちながら荷造りを済ませた、リュックサックを玄関前に置いた。


 「もう、咲人ったら、あんなにはしゃいじゃって……お弁当用意してあるわよ」

 「やった~! 弁当だぁ~!」

 

 咲人は微笑みながら、弁当をリュックサックに入れた。


 (今日は、戦士さんにコレを回収してもらわないと……昨日、気づかないまま、飲みかけのカフェオレにウイルス因子が混ぜられちゃったからね……)


 そう思いながら、洗面所へと向かった……。

 そして、咲人は「行ってきます」と玄関を待ちきれない様子で玄関を出た。そして、気づいていたら、シートに座って、電車の動きに揺られながら、ニュートラルシティの景色をワクワクしながら眺めた。


 ――間もなく、終点『ニュートラルシティ』、『ニュートラルシティ』

 「あっ、ニュートラルタワーだ!」


 そして、ニュートラルシティ駅の地下広場にて、担任の先生が話していた。


 「間もなく、ニュートラル中央公園でお昼を食べたいと思います。その後、皆さんお待ちかねのフューチャーファイターズの拠点へと向かっていきます!」


 児童たちは、「やったー!」や「楽しみー!」とざわめいていた。すると、先生の端末から着信音が聴こえてきた……。


 「はい、4年1組の中島(なかじま)です、ああ、校長先生? ああどうも、只今、ニュートラル中央公園へと……えっ……?」

 

 先生は顔色を急に変わり、何があったのか話した。


 「ごめん、中島先生、ニュートラル中央公園は今、トラブルが起こってて……ウイルス物質を持ってた人がウイルスに変わっちゃって……ちょうど、フューチャーファイターズの皆さんが対処中なんだよ……」

 「……となると、昼食の場所はどうなりますか?」

 「先ほど、隊長と話をしてきたんだ。フューチャーファイターズの拠点に中庭があって、そこに向かうって、子供達に言い聞かせてくれないか、私は他のクラスにも伝えるから」

 「わかりました、それでは失礼いたします」


 中島先生は、校長先生との通信を切った。その後、少し困った表情をしながら、児童達に話した。


 「先生……? どうしました?」

 「皆さん、聞いてください、先ほど校長先生か通信があって、ニュートラル中央公園はいきなりトラブルが起こってしまい行けなくなってしまいました……その代わりに、フューチャーファイターズの拠点へ行くことになりました、昼食の場所は拠点内の中庭です」

 「え~? 人狼ゲームしたかったのに~!」

 「並木通り歩きたかった~」

 「でも、中庭ってどういう所だろう?」


 児童達の賛否が絶えなかった中で、咲人は嬉しく考えていた。


 (ええ?! つまり、フューチャーファイターズの見学時間が延びるって事? ラッキー!)


 ――一方、校長先生の方で――


 「ああ、よろしく頼む、それじゃあ後ほど」


 校長先生は3組の担任の先生と通信を切った後、ニュートラル中央公園の様子を見ていた。突然ウイルスになった、バグズ・ヒューマルを、偶然ウイルス物質を回収しに来ていた弓ともう一人の女戦士が連携を取りながら戦い、バグズ・ヒューマルを倒していった。

 弓は息を切らしながら、もう一人の女戦士に話していた。


 「ふぅ……なんか最近のウイルス、強くなって来てな~い? アタシの自慢の弓裁きも一発で倒れなかったんだけど~」

 「同感、あいつらは強くなってるのだ」


 彼女は、フューチャーファイターズの一人の女戦士、『縁乃(ゆかりの) 留美(るみ)』、彼女は不思議でマイペースな、人間と獣人のハーフの女戦士だ。留美は、倒したバグズ・ヒューマルに向かおうとしていた。


 「ルミ? 何しようとしてるの?」

 「こいつらが何故、強くなっているか、徹底的に調べるのだ」


 留美は床に残っていったウイルス因子を、指で埃を取るかのように、こすって……ペロっと、舐めた。


 「ちょっとちょっと!! ウイルス因子に耐性あるからって、それは大胆すぎっしょーーー!!」


 弓は留美の左腕と掴んで上げて、必死に中断させた。すると、留美は見開いた顔で――


 「ふ~ん、苦くて喉に引っかかるな。これは、シャドウ・ウイルスが姿を現す日は、遠くはないと見た」

 「たったそれだけで、そんなこと、わかんの? 一応、ウイルス因子を入れて調べてもらわないと」


 弓と留美は、ウイルス因子を瓶に詰めて、急いで拠点へと向かっていった。すると、校長先生が弓達に声を掛けていた。


 「あっ、戦士さん達、待ってください!」

 「すまないのだ……ちょっと急いでいるけど、急ぎの用事か?」 

 「私は、『ホース区立ホース小学校』の校長先生です……お忙しいところ恐縮ですが、私も連れてってください」

 「ああ、そう言えば今日、社会科見学にやって来る小学校があったな……なら、ついてくるのだ」


 二人は、校長先生と共に、急いで拠点へと向かっていった。

 そんな二人を覗き込むビルの屋上から――


 「ニャフフフ……計画は順調に進んでるニャ……」

 「あの拠点に、ガキどもがいるぞ? 何してんだ……?」

 「遠足か社会科見学じゃないの? アタシ達には関係ないわ~」


 ウイルス先遣隊三人組は、ニヤリと笑いながら話していた。弓達を覗いた後に、フューチャーファイターズの拠点へとサーチしようかとしていた。拠点に向かう道に、児童達が先生に何か、見せていた。


 「待つニャ! あの、小僧達、ウイルス物質を持ってるニャ! 今すぐ戦士よりも先に奪い取るニャ!」

 「あらっ! 本当だわ、いただいちゃいましょう!」


 どうやら、ウイルス物質にされたものをどうにかしようと、児童達が持ってきたようだ……ウイルス三人組は、どうにか奪い取る作戦計画をしていたのだった……。


 【ミライ図鑑】

 

 は~い、前回に引き続き、大喜山 八二三ちゃんで~す! いやぁ~最近、急に寒くなってきたよな、こないだまでは猛暑だったのによぉ~ちっこい秋ですら見つからねぇぜ……。

 ここで、今回の紹介を~――


 くらえ!!


 【Typeの力:Aqua】

 第二回も、Typeの力の紹介~って、秋とは、ちっとも関係ねぇじゃねーか! えっ? 今回は「Aqua」タイプだって? 紅葉と湖が綺麗だし関係なくはねーか。

 「Aquaアクア」タイプは、水の力が宿って、一見便利そうなタイプだ! アタシの知り合いだと、美菜ちゃんがそうだな! えっ、天閃野家の長男の楠木様も「Aqua」だって? 会ったことねぇからわからねぇよ……。

 水は、汚れた場所を綺麗にしたり、でかい炎を消したりできるぞ! でも、攻撃する為に使うから、植木鉢やコップに使うと木端微塵になっちまうから、日常には使えねぇし、飲めねぇー水だからな。生活面は壊滅的な変わり、バトルにはちょー便利! Type同士で反応する事で、攻撃出来たり敵を妨害したりできるからな~。

 そんな中で、アタシのオススメのType反応をご紹介! 逆立ちするつもりで、聞けよ~?


 AquaとThunder【強感電きょうかんでん

 電撃が強烈に動くぞ! ビリビリさせて、もっと痺れさせる事もできる!


 AquaとIce【氷結ひょうけつ

 Iceで攻撃を当て続けると起こる【凍結とうけつ】よりもカチカチに凍らせるぞ! 冷凍マグロならぬ、冷凍ウイルスの完成だ!

 

 AquaとLeaf【開花かいか

 花っぽい爆弾が出てきて、敵を巻き込む~! なお、この爆弾は建物や地形、善の心の者には通用しません。


 以上! 「この水は飲めません」の標記は無視しちゃダメだぞ!

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