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3020ストーリー~『第二の地球』と戦士の記憶を辿りながら~  作者: ユニィウルフ
〈序章〉始まりのニュートラルシティ

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Act.1-1 ニュートラルシティ

 西暦3020年メイキョウ地方ニュートラル区の、オレは士官学校を卒業して田舎町からこの都市、『ニュートラルシティ』に一人で暮らすことになった。入団先は…なんと『フューチャーファイターズ』と言う大規模な戦士の団体だ! 早く立派な戦士になって、みんなを守ってみせる!


 ……おっと、自己紹介を忘れたけど、オレの名前は「大谷 駆(おおたに かける)」って言うんだ! ざっくりだけど、よろしくな! ……さてと、結構歩いてきたけれども、そろそろつくところかな。オレは拠点の扉を開けた。


 「こんにちはー! 今日から入団する駆といいま~す!」


 オレは全力大声で自己紹介したんだ。今日から新しいスタートが始まるんだ! 全力で楽しんでやるぜ……って思ったんだけど……。


 「はい! 入団一丁入りま~す!」

 「えっ……」

 「にゅ、入団一丁……? うちにはそんなお品書き扱ってないっすね……」

 「うわわわ! すみません!間違えました!」


 拠点かと思ったらセルフサービス式のうどん屋だったんだ! うぅ……こんな調子で本当に仕事出来るかなぁ……オレは昔っから方向音痴で、いっつも迷子になっちゃうんだ……子供じゃないからマップは自分で見れるけどここからが大変だった。マップにそって目的地に向かうたびに拠点じゃなくて服屋や雑貨屋、カプセルホテルとかにも間違って拠点だと思い、オレはあっちこっち廻る羽目になったんだ…。


 「疲れた……本当にここで合ってんのか?」


 とうとうオレは体力の限界を迎えた、なかなか目的地にたどり着かないまま一日終わるのかと思った。そこに、誰かがオレに近づいてきた。


 「あ、あの……お困りごとでしょうか?」


 なんと、オレと同年代位の青い髪の女の子がオレに話しかけてきた。結構可愛い感じの子だったから、オレは少しドキドキした。

 う~ん、女の子に助けてもらうのは正直恥ずかしいけど、せっかくだし拠点の場所を聞いてみることにした。


 「え、えっと……道に迷っちゃって……拠点……いや、建物を探してるん……探しています……」

 「拠点? ひょっとしたら、フューチャーファイターズって言う団体の拠点だったりしますか? あなた、もしかして入団する大谷 駆さんですか?」

 「な、何でオレのことを知ってるんですか? それと、何でフューチャーファイターズに入団することを……?」


 突然女の子がオレの名前を突然挙げて、「何で知ってるんだ?」しか考えられなかった。この子も戦士の一員なのか……?


 「あ、名前を申し遅れましたが、私は篠原 美菜と申します」

 「ご、ご丁寧にど、どうも……」


 彼女はファイターズの一員の篠原しのはら 美菜みなって言うらしい。この子もオレと同じく新入りみたいだ。でも、女の子の戦士もいるもんだなぁ……。


 「実は私、先週入ったばかりですが、今日から入団する駆さんのことを聞いています。そして、なかなか来ないと団長がおっしゃっていましたので、私から案内するように言われております」


 えぇっ……オレそんなに時間かかったっけ? 美菜によると、オレは徒歩で20分の場所を倍以上の1時間位かかったらしい……。方向音痴を直さないとこんなことになっちゃうのか……っていうか、今何時……?


 「さぁ、そろそろ行きましょう、他のファイターさんや、オペレーターさん達がお待ちしております、拠点はこちらです」

 「いけねぇ……! 早くしないと研修に遅刻する! 急がないと!」


 オレは遅れないように全力で急いだ。拠点はこっちと言ってたよな。


 「か、駆さん?! そっちは区民トイレですよ……慌ててませんか? 私の後をついてきてください」

 「げげっ! また間違った! ご、ごめんなさい……」


 こうして、美菜の助けもあったけど、何とか拠点にたどり着いた。あ、肝心な研修についてだけど、オレの早寝早起きの習慣で早く駅にたどり着いたことが役にたったのか何とか遅刻しないで済んだ。受付に行った後に研修場に向かった。すると、オペレーションが聞えた。


 「はじめまして、私は皆さんの研修を指導するオペレーターの『レイ』と申します。以後、よろしくお願いいたします」


 ファイターズのオペレーターの一人、レイさん。何だか優しそうな女性のオペレーターの人だった。どうやら、オレの他にも研修生が3人いるとのこと。

 「全員集まったところで、早速ですが研修を始めたいと思います」


 いよいよ、研修が始まる……練習の成果を活かしてやるぜ!

 


 ――一方拠点の通信室では、二人のファイターが話し合っていた。


 「まずいな……思ったほど奴らの進行が早い……恐らく親玉の力がの封印が徐々に解けてしまっているな……」

 「……闇の生き物「ウイルス」は嘗て、世界を襲っていった脅威……李徴さん……早速、大型のウイルスがこちらへ襲撃しようとしてきてます」


 通信室で話していた人間の剣士は見剣みつるぎ 李徴りちょう「仮面の戦士」と呼ばれる大ベテランの戦士。現在では、戦士達のリーダーを務めている。もう一人の狼の獣人は逢神(おうがみ) ウル一匹狼の真面目な戦士だ。


 二人が話していた「ウイルス」は闇の生き物で、世界を滅ぼすために生まれて来たのだという。しかし、一度は勝利しばらく戦いはなかったが、今回復活してきて再び襲撃してきている。


 「奴がニュートラル東スクエアに向かおうとしている……出現予兆を隊員全員に報告しておこう……」


 見剣は隊員全員に報告しようとしていた。しかし……


 「後ででも構いません。それまでに犠牲者を出さないよう、俺一人で行ってきます」

 ウルは真剣な顔で、一人で何とかしようかとしていた。

 「危険だ、今回襲撃して来る大型のウイルスは相当大きな力と考えられる! 最初から応援を出撃させた方がリスクが少ないぞ!」


 「結構です。それまで一人で何とかして見せます」


 ウルはそう言い残して、ニュートラル東スクエアに向かった。見剣はそれを何とか説得して止めようとしていた。

 しかし、止める前にウルはすでに行ってしまい、既に手遅れだった。


 (行ってしまったか……やれやれ……相変わらずあいつは一人行動しか好まない、命知らずなやつだ……)


 そう思いながら、見剣はウルの無事を祈りながら隊員に出撃命令を出すしかなかったのだが、それがあの形で、駆とウルが出会うことをまだ、知ることもなかった……。



始めまして、ユニィウルフと申します。

まだまだ未熟かもしれませんが、これから創作活動をやっていきたいと思います。

気に入ってくれたら嬉しいです!

これから、よろしくお願いいたします。

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