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こう言うジンクスこそ、破らないとね!

 セナは真剣な表情でファイター全員に話せることを通達した。他のファイター達は話を真剣に捉えて、今回の事に敬意を持っていた。


 「500年前に大変な事が起こっていたなんてな……」

 「つまり、イリルさんの記憶が戻れば強いウイルスに対抗できるようになるってこと? オレ達が出来ることがあれば協力するよ!」

 「これからよろしくね! イリルさん!」


 その一方で、話を信じないファイターも少なからずともいた。群れで集まっていたファイター達の片隅にポツンといるかのように二人のファイターがおり、白衣をきた女性と白い髪の双剣を背負った女性が腕を組んで話していたようだ。


 「……興味ない」

 「どうしてだい? せっかくのチャンスではないか、私も丁度、トキワタリについて色々と調べたい所だったのさ」

 「それは桃さんの願望でしょう……あたしはウイルスをただ殺せばそれでいいと思ってるだけですから」

 「またまた君は…そんなに乱暴にやると、また君の可愛い瞳が台無しに――」

 「チッ……」

 「いっ⁈ いやぁぁぁぁ! じょ……冗談だよ冗談……‼︎」


 白い白衣を着た女性は機山きやま もも、レイ曰く、戦士の技術部隊であり、変わり者だという。

 桃が双剣を持った女性に睨まれて、おびただしい量の汗をかきながら、手と指を震えていた。その後、双剣を持った女性はロビーを後にして、一人で任務をこなそうとしていた。


 (あいつがいなくならない限り……)


 そんなことを他所に、李徴が通信室からへと通達をしてきた。


 「皆、聞こえるか? セナに流れるような形ですまない。たった今、会議が終わった所だ、皆これを見て欲しい」


 李徴は戦士達に画像を映し出した。これって……ウイルス……?


 「近頃、超大型のウイルスの復活の予想が確認された。恐らく、ウイルスの数が増え続けているのはそれが原因だろうと、我々は予想している」


 どうやら、笑が言っていたことは本当だったそうだ。ましてや、ウイルス先遣隊三人組も現れているから、セナが言っていた、親玉のダークマターの復活、そして、『ウイルス大戦』の再開の予兆されているっていう事なのか…。


 「この超大型のウイルスを『シャドウ・ウイルス』と呼んでおり、大勢のファイターがいないと倒すことが難しいとされる危険な存在だ。メイキョウ地方でも、シャドウ・ウイルスのエネルギーが感知された。しかし、現在はまだ、情報が不十分だ。我々はなるべく早く情報を揃えるから、これからは各地に所々、出回っているウイルスの討伐をお願いしたい」

 私はこれから何するべきかなと考えていたら、ネリネが手を挙げていた。


 「ちょっと聞きたいことが! 場所がわかってから早めに突撃はダメなんですか~~?」

 「先ほど言ったように、現在は情報が不十分だ。場所のみがわかっていても敵の特徴や対処法が分からないまま、作戦を実行しても、我々には勝ち目がない。超大型のウイルスはファイターズ全員の協力が必要不可欠だ、戦士のみならず、オペレーターや技術部隊、衛生隊、そして、部隊の隊長…それぞれ違う役割を果たすことで、我々は世界の平和を維持できている」

 「身近に例えると、ゲームでいうRPGね。勇者だけだったら、あんまり敵が多すぎても対処しきれないし、物理に強い敵には対処できないし、回復も出来ないでしょ? だから、魔法が使える魔法使いや回復役の僧侶、素早い盗賊にみんなを守れる戦士、そして、みんなを引っ張る勇者……みんなで協力して、世界を脅かす魔王を打ち倒すのが目的ね」

 「なるほど……その例えなら納得いくかも!」


 ネリネは左手の上に右手を握ってポンっと置いた。


 「それはさておき……みんな、今日はもう疲れただろう、話は長くなってしまったが、私もメイキョウ部隊の隊長として、責任を持って、世界の自由と平和をこれからも守っていきたい。トキワタリのイリルが記憶喪失になってしまった事の壁にが大きいが、彼女が例のウイルス大戦の鍵になる可能性が高い、そこを頭に入れておくように。以上で通信を終了する。今夜はゆっくり休んでくれ」


 大画面の電源を落とすかのように、通信が終了した……。



 セナと見剣との通信が終わった後、私とセナは食堂へ向かって行った。これまでの状況をまとめると、私は2520年時代の戦士で、闇の生き物、『ウイルス』と戦ってきて来たそうだ。

 ウイルス達の親玉の『ダークマター』に対抗した、『フューチャーファイターズ』は未来を守るために、ウイルス達に立ち向かった。

 その中でも、コードネーム『ライル』はウイルス達との戦いに最も貢献した、最強の戦士だ。しかし、ダークマターは強大なあまり、どの方法でも討伐する事ができなかった…。そこで、ライルは封印する方法で『ウイルス大戦』を幕を閉ざした。

 しかし、それと同時に、ライルが消息不明になるという、大きな代償を背負う事になってしまった……。

 ダークマターは500年後に復活する事が判明し、私、『イリル』はロボットとなった『セナ』と共に、タイムマシンでこの時代、西暦3020年にやって来た。


 この時代では、ウイルスが続々と出てくるようになってきたそうだ。恐らく予言と同じ、ダークマターが復活予兆なのか、常に復活して、部下たちに命令を出してきているのかのどちらかだ。その上で超大型のウイルス『シャドウ・ウイルス』が出現予兆が確認されている。

 でも、さっきの話の中で気になる点もいくつかある。まだ名前しか思い出せないけど、ライルって戦士が私をパートナーを選んだのか、Typeの力はどこから出てきたのか、そして、ダークマターの成り立ちは何なのか……。

 記憶を失った私に何か出来ることがあるのだろうか……セナは少しずつ記憶を取り戻すことをするって言ってくれてたけど、自分がなんとなく、その場所へ行けばいいのかな……。

 あっ、それとセナは――


 「イリル? イリル?」

 「あ……」


 気づいていたら、プレート定食を目の前に考え込んでしまったようだ。セナは私を何度か呼ぶように話かけていたみたいだ。向かいの席に駆、ウル、美菜が、そして私の両隣にネリネと笑が座っていて、これからどうするかをみんなで話し合っている途中だった……。


 「ごめん……セナ……考え事をしてた……」

 「これからの事についてのこと……?」

 「うん……私のことやライルやセナとの記憶をなんとか取り戻したいと思っているけど……」

 「でもさぁ、オレ達に出来ることってなんだろう……記憶に関する手掛かりがないみたいだし、セナさんは何かヒントみたいなのがあるのかな……」

 「駆の言う通り、いくつかの記憶の手助けをするつもりだけど……私はあの時、常に一緒にいたって訳じゃないから……」

 「イリルさん、これは上手くいくかどうか分かりませんが、何か一つでも思い出を浮かべてみてはどうでしょうか……?」


 思い出か……私は一旦、箸を置いて目を真っ暗にした。すると、何だか薄っすらと何かが浮かんで来たような気がする……。


 見えてきたのは、成長した木々の下で散歩道を歩き、響わたる滝の音を他所に……芝生にブルーシートが沢山敷いてあり、目の前には、男性が座っていた。

 目に浮かんだ背景をすぐさまにみんなに伝えた。


 「うっすらとだけど……思い出した……」

 「え⁈ イリルさん、何を思い出したの?」

 「どっかの公園へ、誰かと出かけたこと……成長した木々が並んだ公園に、男性と一緒に出かけた気がする……」

 「木々の公園……まさか、ニュートラル区中央公園か?」

 「わかったの……?」

 「ああ、俺もよくそこへ散歩に出かけている。多分そこだ」


 ウルは腕を組んで話していた、しかし駆は疑問を抱くような感じで――


 「でもさぁ、ニュートラル区の公園はそこの他、いっぱいあるはず……例えば、広い所なら、旧ニュートラル庭園という場所もあり得るし……」

 「確かにこの点は迷った、でも旧ニュートラル庭園だと一般人の場合、入場料がかかるからな……イリルが金を払って行ったことを覚えているなら、そこなんだが……」

 「ううん……入場料はなかった気がする……でも、大きな滝があったような気がする……」

 「滝? それってニュートラル()()()()の滝ってやつ⁈」

 「ニュートラル()()()()()滝だ……でも、それがあると言う事はニュートラル区中央公園の証拠だ。あそこはピクニックにもバーベキューにも最適な所だからな」


 ウルの言っていた通り、なんとなく、ニュートラル区中央公園な気がしてきた。そう考えると、私は最後の米一粒を食べ終わりながら―― 


 「明日、そこへ行ってみるよ」

 「よし、明日はニュートラル区中央公園へ行ってみましょう! きっとそこはイリルが何か思い出せるかもしれないわ!」

 「了解しました。明日は皆さんで協力して、イリルさんの記憶の手がかりを探してみましょう」

 「オッケー! あたしも丁度遊びに行きたかった所なんだよね~!」

 「ネリネ……オレ達は遊びに行くんじゃないんだぞ……」

 「くれぐれも気を付け――」

 「まず、にオレとウルと笑でイリルさんを同行するよ! 最近、またウイルスの目撃情報があったから、確認も兼ねて行ってくるぜ!」

 「おい、待てよ駆! 俺は一言も一緒に行きたいなんて――」

 「わかった!また一緒に行けるね! イリルさんにセナさん!」

 「うん……ありがとうみんな」

 (チッ……俺の話誰も聞いちゃいねぇ……)


 明日の予定が決まったことで、食べ終わった定食のプレートを返却口へ片付けに行った。 ごちそうさま。みんなそれぞれのタイミングで食堂を離れていき、最終的に、私も医療室へと向かって行った。

 実はまだ、怪我が完全に治っていない、しばらく医療室で生活することになりそうだ。衛生隊もあまり無茶な行動は避けろと言われて、大きな行動を避けるように明日、記憶を辿るようにしよう。

 ……一番いいのはウイルスが湧いてこないといいんだけどね……。

 それじゃあ、おやすみ、メイキョウ地方の夜、ベッドの上で思いを浮かべたら、目の前を真っ暗にした。


そして、翌日――


 「ふぅ~いい天気だね~イリルさん!」

 「そよ風も気持ちいいわね~イリル~!」

 「そうだね」


 ニュートラル区中央公園に向かっている最中、私はセナと笑と一緒に横断歩道を歩いていた。でも、今の時代は交通は空飛ぶ車が流通しているらしく、地上にある乗り物はスクーターばかり……時代の進化を感じる一方で、横断歩道が物寂しく感じる……。


 「この時代も、結構豊かね~空飛ぶ車が沢山飛んでるし……最新技術に進化が訪れているって感じね」

 「でしょでしょ? まぁ、未成年者はバイクしか扱えないけどね……でも、いつか免許を持って友達とドライブしに行きたいなぁ~なんてね……」


 セナと笑は空飛ぶ車の方を見て興味津々な表情で話した。

 あっ……そうそう……駆とウルはメッセージで、『飲み物を買うから、先に行ってくるよ!』って後で合流することになった。二人共、せっかちだなぁ……。


 「ねぇ~ママ~あれなぁに?」


 すれ違った三人家族が突然止まって、子供が空の方へ指をさしていた。


 「もぅ~あれは空飛ぶ車でしょ、ゆう君、いつも好きでしょ?」

 「待て、あの車何だか様子がおかしいぞ?」


 ……ん? 待って、何だか辺りが騒がしい……。平日かつこの時間帯は犬の散歩連れの人やウォーキングをしている近所のシニア達、声があっても子連れやママ友同士で賑わっているくらいで、大きな騒ぎはあんまりないはず……。


 「見ろ! こっちに来たぞ!」

 「早く逃げろ‼︎」


 スケボーの練習をしていた青年達が、トンネルの方角へと指をさして叫んだ。 あれって……空飛ぶ車……? でもあの車何だかおかしい……。何だか不安定で如何にも落下してきそうだし、他の車と比べて、結構なスピードで走っている……。

 え?! こっちに向かって落ちてきそうだ!


 ガッシャーーーーン‼︎


 

 「うわぁ!」

 「何よ! さっきの車、危険運転じゃない!」

 「二人共、怪我はない?」

 「うん……大丈夫……」


 さっきの空飛ぶ車は等々バランスが崩れ、ニュートラル区中央公園の真ん中あたりの所で車が不時着した……。 


 「ビックリしたぁ~……。スケボーしてた人達、無事に避難出来たかなぁ……」


 不時着後に砂埃が漂っていて、私と笑は目を瞑って、鼻と口を腕で塞いだ。


 「あ、あの車から誰か出てくるわ!」


 セナが目撃したのは、車から出てくる人柄…? あんまり目立たないような服装の男たちが3人、その内二人が若い世代であり長身で金髪の青年と、細身の黒い髪の青年、最後に出てきた一人が中年でガッチリ体型であり、薄毛だった。3人の男たちは素早く、なるべく他人の視界に入らないかのように、公園の方角へと去っていった…。


 「あなた達、待ちなさい!」

 「行っちゃった……それよりも車から出てきた人達、何だか怪しい動きをしていたね」

 「やっぱり笑も気づいてたの……?」

 「うん、最近、ウイルスが出てくる同時に、物騒な事件が多発していて……警察も手に回り切れない状況になることが多いの……今朝ニュースで、この辺りで強盗事件が起こったらしく……え、待って⁈ まさか、さっきの人達って……!」

 「この時代にも身勝手な奴が多いのね……! イリル……どうしようかしら……イリル……?」


 笑とセナは目を見開いてまばたきしていない感じで話していた。記憶ものことも大事だけど、さっきの強盗らしき人物をこのまま放っておくわけにもいかない……。


 ……ん? 待って、この光景……どこかで見たような……。


 ふとした瞬間、記憶の欠片を思い出した気がする。私は一回、背景に浮かんだあの男性と一緒にここに来たことがあるんだ…。でも、何のためにここへと来て、最終的にピクニックまでに行くことになったんだろう…。


 それに、もしもあの男性がライルだとしたら――


 「あっ!」


 ふとした瞬間、私はあの時の記憶が、蘇ったかのように浮かび上がった! 


 ――「イリル……」


 「イリル、今回の任務は警察署からの依頼で、公園に逃げ込んだ窃盗団の行方を追うことだ」

 「うん、でも……何で私なの? 私は、誰かと一緒に行くと、良い結果にならないって言われているのに……それと、もっといい人材がいっぱいいるのに……」


 ――そうだった、私はこの辺りで、ライルと一緒に一度任務を実行していたんだ……。しかも、相手はウイルスじゃなくて人間……。

 あの時、ライルは腕を組んでフッと笑いながら話していたな…。


 「行くぞ、イリル……こう言うジンクスこそ、破らないとだな。他人がどうこう言ってた所で、それが事実なのかただの噂なのかわからないだろう?」

 「ライル……」

 「イリル、俺は誰が何と訴えようと、この事件は、お前と一緒に解決したい。何故なら、お前は俺にとって……雄一無二のパートナーだからな」


 思い出した……あの時、ライルとこの公園で任務を実行していたこと……そして、ライルが私を最高のパートナーだと言ってくれたこと……この記憶から、今の事件のデジャヴを感じていた。でも、セナ達にはどう伝えようかな……。

 うん……そうだね……ライル……。


 「さっきの男たちを追いかけよう、セナに笑……」


 「こう言うジンクスこそ、破らないとだね!」 


第二の地球には、どこかで聞いたような土地があるとかないとか。

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