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2023/2/3 ストラスブール、真希

『☑ ストラスブールに移動する』

『☑ プティット・フランスを歩く』

『☑ 遊覧船に乗る』

『☑ アルザスのワインを飲む』


 テーブルに広げられたノート。三日目最後のチェックを付けた真希は、ページをめくりながらグラスに手を伸ばした。


『☐ ドイツに入国する』

『☐ カールスルーエ城に行く』

『☐ トゥルムベルクに行く』

『☐ シュトゥットガルトに行く』


 やや辛口のリースリングは、ザワークラウトの酸味とあいまって心地よい。ここアルザスはフランスの一地方ながらドイツとの国境に近いためか、かの国の食文化ともどこか似通っている。またワインやビールの名産地でもあるから、ここでの食事は外せないのだ。

 セルヴェラに舌鼓を打ちながら、フォークの隙間から逃げるキャベツに箸を恋しく思っていると、不意に店内がざわめいた。


「Oups!」

「Oh mon dieu!」


 いずれも驚きを示す言葉だ。どうやら客の視線の先――テレビで何かがあったらしい。見れば、整えられた芝の上、両手を挙げて走る男性が同じユニフォームを着た仲間にもみくちゃにされている。熱の入った実況が聞き取れずとも分かった。サッカーの試合でどちらかがゴールを決めたのだ。

 そういえば、と思う。空港や街中で、時折サポーターらしい人々を見かけなかったか。きっとサッカーのシーズンであるか、あるいはワールドカップのような大会が開催されているのだろう。今後の旅程と会場がぶつかれば人混みは避けられない。調べておいた方が良いかもしれない。真希はページの隅にメモを走らせた。

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