表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンタリオンと勇者   作者: 小栗とま
魔界の章
15/84

13 悪魔レヴィアタンの策略

 真っ赤な月が浮かぶ魔界の空の下。


 ダンタリオンの家を抜け出した蛇――もとい、勇者パブロが所持していた剣が、とある居城へとやってきた。


 それは、7つの大罪に名を連ねる悪魔レヴィアタンの城だ。


 霧がかったレンガ造りの古城は、窓にツタが伝うばかりの廃墟に見える。

 その城に1人、城の主であるレヴィアタンだけが、薄暗い居城の一室に鎮座している。


 彼の上半身は人間の青年の姿だが、下半身は大蛇である。


 緑色のくしゃくしゃした髪の下に、切れ長の緑瞳の目とすらりと高い鼻を持つ美青年ではあるが、目の下の隈がひどく、血色の悪い顔をしている。

 下半身の蛇はどす黒い紫色のうろこを光らせ、とぐろを巻いて居室を狭そうに占拠している。


 そして彼の視線は、宙に映し出される幾多もの「映像」に向けられている。

 それは、魔界中を飛び回る彼の手下のトンボたちが、その瞳に移した映像であり、レヴィアタンはそれを常に監視している。


「……来たか」


 ニヤリ、と口角を上げたレヴィアタンは、蛇の姿をした勇者の剣を彼の肩に迎え入れた。

 蛇はその口から、真っ赤なエテルを装飾した指輪を吐き出す。

 レヴィアタンはそれを手にとり、興奮に鼻息を荒くした。


「っ…!ははっ!やったぞ!」


 それは、見た目からして魔王の指輪である。

 こうして役目を終えた蛇は、動かぬ勇者の剣の姿へ戻り、コトリと音を立てて床に落ちた。


「僕のためにご苦労様?勇者の剣と勇者たち」


 レヴィアタンは、勝ち誇ったような笑みを浮かべた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ