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093(生産)

新しい仲間です!主人公サイドで一緒に冒険する最後の仲間の予定です。ちなみにあらかじめ予告しておきますと、彼女は便利なスキルを持つ職業のため、加わってレベリング効率が下がることはありません。


 魚くさい。とにかく魚臭いのである。


 先日、バルド湖でソードフィッシュにひき潰されたというのもあるが、釣りすぎたせいで三日くらいは主菜から副菜まで、ぜーんぶ魚料理という始末。


 刺身、煮物、焼き魚、焼き魚、刺身、煮物、たまに鍋。


 幸いコトハの料理スキルによってどれも美味しく食べれはしたのだが、そろそろ限界である。翌朝になってもまだ腹の中で魚が泳いでる気がするし、DNAが魚を拒絶している。いい加減、肉をくれ。


 ちなみにフィイに料理をやらせたところ、とんでもなく禍々(まがまが)しい物体を生み出してしまったので、彼女は二度とキッチンに立たせないことにした。


 臭いを嗅いだだけでも吐き気を催す、亞剥莫兒比涅(アポモルヒネ)もびっくりの劇物(げきぶつ)である。


 そんなこんなで魚に嫌気がさし始めた頃、俺たちは業績である〝歴戦の釣り人〟を獲得した。魚を百匹釣った者にのみ与えられる、魚臭いことこの上ない勲章だ。効果は体力+1000とクリティカル率+2%。ふつうに強い。


「――ここは何なの? 不思議な作業台がいっぱいあるみたいだけど」


 コトハが辺りを見渡して言った。


 ひとつの課題が終わったところで次の課題。


 この日もコロシアムを済ませた俺たちは都市の〝生産場〟へとやって来た。目的は〝生産スキル〟を磨くことである。


「――ここは生産場って言って、アイテムを生成することができるんだ。そこに魔法陣の描かれた台があるだろ? 素材をそこに乗っければ、任意のアイテムを生産できる」


「えっと、素材は何でもいいの?」


「何でもは良くないぞ、きちんとした組み合わせでないと魔法陣は反応してくれない。いわゆるレシピってやつだ。レシピ通りの素材を乗せないと、アイテムは生まれない」


「ふーん……けっこう難しそうね。いいわ、とりあえず物は試しよ」


 コトハは早速、インベントリから素材アイテムを取り出した。


 ヨードルの腐葉(ふよう)、バンダスナッチの牙、ジャバウォックの爪などなど、これまで倒したモンスターから得た素材アイテムはかなり多い。


 インベントリも圧迫していることだし丁度いい機会だ。アイテムを生産してスッキリさせよう。


「アルトくん、われのプロフィールには生産レベル1と表示されているのだが、もしやアイテムを生産することで経験値が溜まっていくのだろうか」


 フィイの鋭い指摘だった。


「その通り、生産レベルはアイテムを作ることでしか上げられないからな。レアアイテムを作るにはこのレベルを上げなきゃいけない。スタートは1で最高は10かな」


「ふむふむ、それは面白そうなのだ。ではさっそくわれも……」


 そそくさとフィイは別の台に向かった。早く遊びたくてうずうずしてるんだろう。


 俺は――後ででもいいか。全レシピを覚えているし、彼女たちの余りもので何か作ろう。


「ん……あの子は……」


 前方に、やけにおどおどしている少女がいる。


 少女はかなり背丈が低く、見た目に違わずその顔つきもまた幼い。身長はフィイよりも低いな、一四〇ないくらいだろうか?


 その容姿から歳は十二、三くらいに思える。


 透き通るような白髪と、大きなマリンキャップが特徴的だ。


 生産場は多くの冒険者で賑わっているからこそ、その中で明らかに不慣れというか、不審な動きをしている少女が目立って見えた。


 ……生産が上手くいかないのか、涙目になってる。放っておくと泣き出しそうだな。


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