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ご覧いただきありがとうございます。テンポと戦闘描写の取捨選択に迷って、何度か書き直していた結果、更新ペースが落ちてしまいました。四苦八苦しながらですが、最適なあんばいに調整したいと思います!
「――ッ!」
天より降り注ぐ流星を受けて堪らずKBするモンスターたち。その隙にこれでもかと二刀を叩きこみ、一刹那の間にコンボ数を稼ぐコトハ。
スキル発動条件を満たした折、即座に直線上を駆ける真黒の斬撃はスキル〝横一文字〟。
わざわざモンスターを束ねた甲斐あって、斬撃は前方に連なった多数のジャバウォックたち全てにHITした。そして、
「まだだ――一気に畳み掛けるぞ!」
インベントリからミスリルロングボウを取り出し、手早くロッドと交換。
放つスキルは先日ルドラを仕留めたアーチャー系列の上位スキル〝バウンスショット〟。
それは放たれた弓矢が何重にも分裂し、跳弾する。アーチャー系列で最高峰の多段HITスキルだ。その分一発当たりの火力はかなり低いが、問題ない。俺はこの時を見越して、このスキルを選択したのだから。
「いっけぇえ!」
手先から離れた矢が、舞のように踊り跳ねる。
モンスターの数が多いだけあって跳弾した回数は尋常でなく、総HIT数は百を超えた。
敵の数によって威力が変動するスキルだが、コロシアムにはうってつけだ。ここで格上狩りしようと思うのなら、多段HITスキル以外習得する選択はあり得ない。
「はああああぁ!」
KBし続けるジャバウォック、これ見よがしにコトハが二刀で猛撃する。
彼女のコンボ数は五十を超えた。その時、コトハ頭上に表示されたコンボ数のインジケーターが赤く煌めく。
〝百花繚乱〟が秘める第二の範囲攻撃は、視界内に捉えた全ての対象を切り刻む、多段HITスキルの――
「影裂き!」
空中を薙いだコトハの二刀。その一振りに合わせて、空間より出でた黒の斬裂がジャバウォックたちの満身を斬り付ける。
抵抗もままならずのけぞるモンスター。終わらないKBにすかさずシューティングスターを叩きこむ。フィイのバフデバフによって上乗せされたダメージが重ねてKBを可能とする。
かくして――
「――第十ウェーブを突破しました、一分後に第十一ウェーブへと入ります!」
パーティーの強みを生かし、モンスターの性質を最大限にまで利用した俺たちは、難なく鬼門の竜もどきたちを殲滅。続く十一ウェーブ目へと突入した。
「うおおぉぉ! マジかよあいつらやりやがった!」
「これはもしかするとあり得るぞ」
「もう賭けなんざどうでもいい。やっちまえ坊主ども!」
これには会場も大盛り上がり。俺たちをあざ笑う声はもう聞こえない。
コロシアムは残すところあと半分だ。KBが取れるラインまでは同様の作業を繰り返していけば突破できるだろう。怖いのは、KBラインが届かない――俺たちの火力が足りなくなる十五ウェーブからか。
もっとも十一ウェーブ目の敵もまた、一発でも食らえば即死のクソゲーだし油断はならないんだけど。どちらにせよ〝激震〟を好む俺にはあまり関係のない話か。常にHP1状態に調整してるわけだし。
KBライン……ノックバックライン。モンスターがKBするダメージのラインのこと。KBとは仰け反りのことなので、モンスターに仰け反りできないとハメれなくて危険。KBできないということは、特殊なモンスター相手か火力不足。







