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ご覧いただきありがとうございます。この街ではバトル以外にもMMOみのあるイベント盛りだくさんでお送りしますのでご期待ください!まずはオークションです!


 ルドラとのタイマンから翌日の朝。


 街を歩いていると、ひっきりなしにフレンド申請やら個チャが飛んでくるようになった。


 その場で声を掛けられることもしばしば。期せずして俺はバルドレイヤでも有名人になってしまった。


「さすがはアルトね。たった一日でその名を都市中に(とどろ)かせちゃうなんて。やっぱり本物の実力者は違うわ」


 コトハがるんるんと弾むような口調で言った。


「そうか? やや大げさな気もするけど、いったい何が面白いのやら」


「決まっている、アルトくんは50Lv差もある冒険者と戦い、快勝。(みな)の予想を(くつがえ)したのだ。注目されて当然ではないだろうか」


 今度はフィイが口を挟んだ。


「まあ確かに下剋上(げこくじょう)ではあるのか。しかし良かったよ、無事にあのパーティーが何とかなって」


 昨夜、俺は決闘でルドラを倒した。戦闘不能になったあいつはその場で装備品やアイテムをドロップ。そこで運よく、ウルクからぶんどったアイテムを取り返すことに成功。


 後はウルクにそれらを返して、ひとつのパーティーは事なきを得た。これであいつらも冒険者業を続けていくことができるだろう。


「――予定通り、今日はインスタンスダンジョン〝コロシアム〟に行こうと思ってる。そこの〝上級〟はかなり経験値が美味いからな。一気にレベリングできるぞ」


「コロシアム……あの男たちも言ってたわね。そこはどんなところなの?」


「難易度が三つに分かれているIDだ。初級、中級、上級のモードがあって、それぞれによって出てくるモンスターも変わってくる。上級は適正Lv170だけど、たぶんいけるだろ」


「適正Lv170!? そんなの……」


 反発しようとしたコトハは、そこで言葉を切ってため息をついた。


 かたわらのフィイもまたやれやれと首を振っている。


「アルトくんのことだ。また何かアイデアがあるのだろう」


「そうね、もはや疑うのも無駄に思えるわ」


 これは俺が悪いのだろうか。彼女たちにやや呆れられているような気がする。


「コロシアムに行く前に、少しやりたいことがある。二人にも付き合って欲しいんだけど、いいかな」


 コトハとフィイは頷きつつも、小首をひねった。


「いいけど……やりたいことって?」


端的(たんてき)に言うとショッピングだな。正直、俺たちの装備はかなり弱い。このままコロシアムに行くのは危険だろう。そこに行って整えればなと思うんだ」


 フィイがなるほどとあいづちを打つ。


「確かにそれは名案だ。しかし持ち合わせはあるのだろうか。昨日のギルド登録手数料はかなりの出費のように見えたのだ」


「ID周回で稼いだ分、あらかた持ってかれちゃったしなあ。だけど大丈夫、実は収入の見込みがあるんだ。うまくいけばまとまった金が入るかもしれない」


「――まとまったお金が欲しいのならあげるわよ?」


 きょとんとした顔でコトハが言う。そして何食わぬ顔のまま、インベントリから大量の金銭入り小袋を取り出してきた。


 こいつは俺をヒモ男にするつもりなのだろうか。その気持ちは嬉しいけど、こう、素直に受け取りたくないという感情の方が大きい。男としてのプライドである。


「いや……大丈夫、ありがとう。どうにもならなくなった時に頼らせてもらうよ」


「ふーん、まあいいけど。それでこれからわたしたちはどこに向かうの?」


 コトハの問いに、進路の直線状、やたら人だかりができている場所を指さして答える。


 あそこもまたプレイヤーにとってはひとつの戦場だ。


「それはな――オークションだ」


「オ、オークション!?」


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