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063

イベント終わりです!次の地域に行ってまた新たなイベントです!

都市はもうすぐ着きます。そろそろMAP2も作らないとですね……。


「アルトさん、何から何まで本当にありがとうございます!」


 一通り狩りが終わった後、ラートが俺たちの前にやって来た。


「おかげさまでサクサク周れるようになって、まさかこんなに快適にレベリングできるなんて……本当に夢みたいですよ!」


「それは良かった。しばらく見てたけど、テオはうまくモンスターを釣ってたし、ハルワとナッキが力を合わせて殲滅(せんめつ)。ラートは統制を取っていて、ちゃんとパーティーって感じだったぞ。本当に進歩したと思う」


 視線の先では、ラートパーティーのメンバーに囲まれているコトハとフィイの姿がある。いつの間にか彼女たちも、誰かの上に立つ先輩になっていたみたいだ。


「なあコトハさん、どうやったらそんなにうまく攻撃を回避できるんだ!? 同じファイターのよしみだろ、どうか俺にその秘訣を教えてくれ!」


「ふふん、これは才能……といいたいところだけど、努力を積み重ねてきた結果ね。何回も床を舐めてきたんだもの。うまくなりたいのなら、地獄を見てくることね。それしかアドバイスできないわ」


「そ、そんなあ……」


 コトハは得意げに鼻を鳴らしていた。


 実際彼女は死ぬほど死んできたという地獄を味わってきたわけだから……別に嘘を言っているわけじゃないが……。


「フィイちゃんはすっごく強いスキルを習得しているのね。おかげで戦闘不能にならずにすんだわ!」


「われのバフ〝リンカーネイション〟は対象に〝一度限りの不死〟を付与できる。役に立てたのなら、その、よかったと思う」


 ハルワに褒めちぎられるフィイは、視線をうろうろさせている。ああ見えて彼女は人見知りなのかもしれない。


「それだけじゃねえさ! ステータスが上昇するバフや、敵の被ダメージを上昇させるデバフを操って、戦況を巧みに支配していたぞ。これぞ魔法使いって感じだな!」


 ナッキもまた便乗し、テオがさらに言葉を連ねる。


「ああ、流石はアルトさんパーティーの面々だ。俺たちも見習わなきゃあな」


「ええっと、われは、そのだな、別に大したことは……」


「ちょっとフィイだけじゃなくて、もっとわたしを()(たた)えてもいいのよ? これだけ上手くやれる二刀(にとう)使いは、わたし以外にいないんだから!」


 口々に称賛(しょうさん)するラートパーティーメンバー、やりにくそうにおどおどするフィイ、これでもかと胸を張って権威(けんい)を示すコトハ。


 なかなかの混沌状態だ。これ以上長引かせてもあれだし、そろそろ引き上げよう。放っておくとフィイがかわいそうでもあるし。


「さて、それじゃあ俺たちはもう行くよ。バルドレイヤまでもう少しだからな」


「そうですか。――でしたら最後にどうかこれを受け取ってください。世話になった分のお礼です」


 ラートはインベントリから〝銀のかなづち〟を差し出した。数は十と表示されている。なかなかの大盤振る舞いだ。


「いいのか? これは武器をエンチャントするのに使うアイテムだぞ? 高価な物ではないにしろ、けっこう重宝(ちょうほう)するんじゃ」


「いいんです、私たちが持っていてもまだろくに装備もありませんから。これは是非、アルトさんたちがお役に立ててください。――()()することを祈っておりますよ」


 半ば押し付けられるようにして、アイテムを引き取る。


 この消費アイテムを見ていると、悪夢がよみがえってきてくるんだけど……まあいい、〝エンチャント〟はMMOで最大の醍醐味(だいごみ)だからな。今回も避けては通れない道か。


「恩に着る。それじゃあまた!」


 別れ際、ついでにフレンド登録も済ませて俺たちはトルニヤ(とうげ)を後にする。


 コトハとフィイも初めて俺以外のフレンドを得たようで、フィイは……あんまり嬉しそうではなかったものの、コトハは目に見えて(えつ)(ひた)っていた。


 自分の実力が認められたことが嬉しかったんだろう。


 そうして道中のモンスターを倒しながら進んでいってトルニヤ峠を超えた先――ついに俺たちは都市の一歩手前〝メルクトリの監視場〟へと到着した。


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