表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/216

058

ご覧いただきありがとうございます。イベント消化と発生です!


「スキルポイントも貯まっているだろうけど、今は絶対に使うなよ。二次転職後のスキルの方が強いから、今取ると勿体ないことになる」


 こっそりスキルツリーを開いているコトハに言う。


 同時に、びくっと背筋を震わすコトハ。


 目を離したすきに勝手をするのは相変わらずだな……。


「そ、そうね、どうせ取るならもっと強いスキルの方がいいもの」


「俺が言ってなかったら習得しそうな勢いだったけどな」


 コトハがムッと口先を尖らせる。


「そんなことしないもん、わたしを何だと思ってるの?」


「いいやしてた絶対にしてた、お前の指先はいまスキル〝トリックブレイド〟に向いていただろ、なんならそのまま押下しそうだったけどな」


「し、しないってば! そういうアルトはどうなのよ? さっき変なシステム音が聞こえたけどもしかして取っちゃったんじゃない?」


「俺はファイター系列とマジシャン系列、すべてのスキルを習得可能だからな。スキルの強さで言えば、二次転職以上のものを取れるし、しぶる必要がないだけだ」


「む、むむむむ……」


 言い返せず、ぷるぷると小刻みに震えるコトハは本当のところ何歳児なのだろうか。


 これが(よわい)十六の反応だとは思えない。


「ん?」


 ピコンと、メッセージの着信通知を報せるサウンドが鳴る。


「どうしたのアルト?」


「いや……個チャがきたんだけど、ああ、なるほど。あの男か」


 チャット画面を開いたら、そこにはシャミイという冒険者の名前が表示されている。


 以前、いざこざがあったホルクスのパーティーのメイジだ。今さら連絡してきたということは、たぶん俺のID攻略方を実践した結果報告か。どれどれ、結果は……


〝シャミイ:アルトさん、お久しぶりですシャミイです。三日前、アルトさんが教えてくれた方法でIDを周ってみたんですが、お陰さまでかなりうまくいきました! まさか階段から安全に攻撃できるなんて……パーティーの仲もそれからだんだん良くなっていって、今では笑って過ごせる日々が続いてます。アルトさん、本当にありがとうございました!〟


 とまあ、無事に周回できるようになったようだ。これでひとつのパーティー解散を防げたわけか。良かった良かった。


〝シャミイ:追伸、せめてものお返しと思ってアルトさんたちの良い噂を広めておきました! あなたたちはチーターでも何でもない本当の冒険者です。いちフレンドとしてこれからもご活躍を期待していますよ!〟


「……良い噂ってなんだ?」


 気になりはしたものの、こっぱずかしい返答が来そうなので聞くに聞けない。まさか偉大なる最強の冒険者さまだとか、そういう大げさなことは言ってないよな?


「アルトの実力に気が付くなんて、見る目があるわねあいつ」


「真に実力のあるものは、必然的に頭角を現すもの。こうしてアルトくんは覇道(はどう)を築き上げていくのだな」


 どうしてコトハとフィイが合点しているのかはさておき、いよいよ次の地域が見えてきた。ここを乗り越えたら、闘争都市までもうすぐだ。


「アルトくん、新たな地域が見えてきたぞ。ここは……」


「緑も豊かになってきたし、いかにも山道って感じね。変なモンスターが出なければいいけど」


 傾斜(けいしゃ)(けわ)しい谷を越え、俺たちはいよいよ山脈を下る(とうげ)へと差し掛かっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ご愛読頂き有難うございます
星5評価ブクマレビューなどを頂けるととても嬉しいです。モチベーションが上がります。

ADRICAのMAPです(随時更新)。
MAP MAP MAP
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ