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ご覧いただきありがとうございます。ID終わりです!

アイテムドロップ率のシステム面に関しては別話のGUIDEに記載されています。興味ございましたらそちらご参照ください。パーティーメンバーのステータスなども即時反映していきます。

レアアイテム掘り当てる作業、楽しいですけど無心になりますよね。0.001%とか……。


〝インスタンスダンジョン、ヴァーリルの谷底をクリアしました。転送用のポータルが解放されます〟


 ボスが消滅した瞬間、頭の中にシステム音声が流れてきた。


 そして最下層のフロア中心に展開される、マジックサークル。いつものADROCA(アドリカ)通りの仕様だ。あれに乗れば元居た谷底へと帰ることが――


〝頼む……魔王を倒してくれ……〟


「っ!?」


 突如、何者かの声がフロアに響いた。声音の低さからしておそらく男のようだが、なんだなんだ? こんな演出以前のADRICAじゃなかったぞ。……パッチでも入ったのか?


「ねえ、いま気持ち悪いの聞こえなかった? かなりびっくりしたんだけど」


 コトハが血の気の引いた顔で言った。


「もしかすると死者の怨恨(えんこん)かもしれぬ。ここで力尽きた数多の冒険者たちが、世界の恒久的平和を願って亡霊(ぼうれい)と化し――」


「や、やめてよフィイ! 幽霊とかそんなのいるわけないわ!」


「そしてさまよえる魂はやがて、生者(せいじゃ)の血肉を求める死霊(しりょう)となり、われらを()らい尽くすのだ!」


 二人はいったい何を言ってるんだろう。


 フィイは、みるみるうちに青くなるコトハを見て悪ノリしてるっぽい。コトハって幽霊とかそういうの苦手なんだな。


「待ちたまえよコトハくん、待ちたまえー」


「い、嫌あああああぁぁぁぁぁ!!」


 そして二人の話は何故か鬼ごっこに発展していた。フィイはゾンビ役か、涙目で逃げ(まど)うコトハを見ているのも悪くないが、そろそろ話を進めよう。


「ダンジョンの結果だけど、ドロップアイテムはこんな感じだ。俺は特に必要な物がないから、欲しいものがあったら取っていってくれ」


 ヴァーリルの谷底で入手した品を床に並べる。


■ドロップアイテム


 谷底のモーニングスター[武器] 攻撃力+25 魔法抵抗力-50%


 怪しく光る結晶体[素材] 素材の加工に用いられる。


 ヴァーリルの(にご)った瞳[素材]  素材の加工に用いられる。


 谷底の指輪[装飾品] 貫通力+1% 防御力+1%


「けっこういい物が落ちたわね。この装飾品、レアアイテムって書いてあるわよ」


 コトハがアイテム詳細画面を開いて言った。


「レアアイテムのドロップ率は2.8%だから、確かに運がいいっちゃいいな。素材のドロップ量を見てもわりかし多めだ。やけに多い気がするけど、これはいったい――」


 ふとフィイのステータス情報を見た時に、気づく。


「ど、どうしたのだアルトくん。そんなにジロジロと見て……」


「いや、ちょっと気になったことがあって。ほらフィイのステータスに〝アイテム発生率+10%〟って書いてあるだろ? だからたぶん、これだけドロップしたのはフィイのおかげなんだと思う」


 フィイも電子パネルを開いて、自分のステータスを確認した。


「なんだ……そういう話か。いや、えっと、アークマスターにはドロップ率5%の職業効果があるのだ。そしてこの〝聖職者のロッド〟も同様の効果を持っている。合わせて丁度10%といったところか。こんなことですまないが、少しでも貢献(こうけん)できたら幸いだ」


「そんなことない。ドロップ率アップはかなり重宝(ちょうほう)するぞ。ありがとうなフィイ」


「う……うむ」


 わしゃわしゃと金色の小さな頭を撫で回す。


 するとかたわらのコトハが唐突(とうとつ)にステータス情報を展開した。


「アルト、わたしは? もしかしたらわたしも高いドロップ率アップを持っているかも――」


「ああ、さっき見たぞ。お前は0%だ」


「なんでよ、そんなのおかしいじゃない!」


「お前はファイター職なんだから幸運補正があるわけでもないし妥当だろ」


「う、ううううぅ……」


 どうしてこいつが悔しそうな目をしているんだ。


 とにかく、パーティーにひとりでもアイテムドロップ率をアップできるメンバーがいて良かった。のちのち0.05%のアイテムを掘り当てる作業とかあるからな……。


「さあ用も済んだことだし早く帰るぞ」


 コトハとフィイを連れて、魔法陣の上に乗る。


〝インスタンスダンジョン、ヴァーリルの谷底を退場しますか〟


《YES/NO》


 もちろんYESだ。


 こうして俺たちは初見の駆け出し冒険者パーティーにも関わらず、クリアタイム一時間を切る速さでインスタンスダンジョンを後にした。


 あの男の声が少し気がかりではあったものの、大したことじゃないだろう。


 転送はすぐに終わり、俺たちは元居たMAPへと帰還(きかん)した。


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