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新地域にあたってMAP更新しましたみなさまのおかげでカテゴリー別日間1位取れました。ありがとうございます!

 俺たちの朝は早かった。


 フィールドボスを倒し、盗賊(とうぞく)まがいの冒険者を返り討ちにしたため、俺たちのノルナリヤでの知名度は最高潮に達している。


 そのせいで、終始フレンド申請を報せる通知が鳴り止まず、それは深夜になっても続いていた。


 もしこの世界にサウンド設定がなかったら、今日おれたちは不眠状態のまま朝を迎えていたことだろう。ノルナリヤを出発した今でも絶え間なく届いているフレンド申請欄を見て、間違いなくそう思う。


 といった諸事情もあり、俺たちは早朝に街を出発した。あのままいてもたぶんろくなことがないしな。神父なんて、俺たちにもっと高難易度なクエストを受けさせようとしてきたし。


「それにしてもほんとにいい気味だわ、あの男。公衆の面前で頭を地べたにこすりつけて許しを()うなんて、無様(ぶざま)もいいところよ」


 昨晩の件について、コトハがご機嫌な笑みで切り出した。


「われもそう思うのだ。アルトくんをチート呼ばわりした挙句、報酬品まで(かす)め取ろうとするとは、蛮族(ばんぞく)以外の何者でもないのだ」


 続いてフィイもあの男の陰口(かげぐち)に加勢した。よほど気に入らないところがあるのか、頬をぷくっと膨張させている。


「まあまあ、二人にはちゃんと謝ってくれたんだ。俺が侮辱(ぶじょく)されたことは別にいいだろ」


「よくないわよ!」


「よくないと思う!」


 ……あれ? どうしてかお姫さま方々がご立腹である。


 意味は分からないが、おそらく言及しだすと話が進まなくなるので放っておこう。


「次の目的地なんだけど〝ヴァーリルの谷底〟に向かおうと思う。ノルナリヤを北上した先にある平原を超えて、峡谷を渡れば到着だ。そこのID(アイディー)は経験値がかなり美味しい。恐らくこのレベル帯だと最高効率のレベリングができるだろう」


「ID……たしか前も言ってたわよね。それってどんなところなの?」


 コトハがインベントリからメモ帳を取り出しながら言った。


 こいつが勉強する姿勢を……!? いやまあ良いことなんだけど、驚きだ。


「IDは略称で正式にはインスタンスダンジョンと呼ばれている。経験値やレアアイテムが入手できる場所だと捉えてくれていい」


「それだったら普通の狩場よりずっといいじゃない。毎日IDにこもっていればすぐに強くなれるわね」


「いいやそこはちゃんと〝調整〟されている。IDは基本的に入場回数に制限があるんだ。一日に一回だったり、数日に一回だったり、頻度(ひんど)はダンジョンによって異なるが、どちらにせよずっと居られるわけじゃない。ダンジョン内の資源にも限りがあるしな」


「そうなのね、分かったわ」


 コトハは特に無駄口も叩かずにメモを取っていく。


 やけに素直なあまり、別人のようにさえ思えた。


「アルトくんよ、経験値が美味しいとは具体的にどのくらいなのだ。IDの適正Lvも気になるのだが……」


 コトハの沈黙に合わせて、今度はフィイが問いかけてくる。


「適正Lvは70-100、三人パーティーなら一周で10Lvは固いだろう。もちろん途中でリタイアすることもなく、最後まで周回できればの話だけどな」


「それは……うむ、確かに破格だ。しかし100Lvのモンスターもいるのか。三人パーティーでは少々、不安ではないか」


 フィイの指摘は鋭く、俺たちの平均Lvは72。初ダンジョンということもあり28Lv差のモンスターが相手では、不安も大きいのだろう。


「安定した周回方法は知っている、任せてくれ。転職したことよって火力がかなり上がっているし、俺とコトハはどっちも――」


 パーティー編成を確認した時のことだった。


 あまりの異常事態に、思わず目を疑ってしまう。


「……!?」


 ふとコトハのプロフィールを確認してみると、ヤカテストス討伐時に上がった2Lvのステータスポイントが、筋力ではなく体力に振られているのだ。


 何があっても自分のやりたいようにしかやらなかったあのお姫様に、いったい何が?


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