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みなさんの応援のおかげで日間1位取れました!ありがとうございます!


 ちょうどコトハも転職を終えたみたいで彼女のジョブ名は〝ストライフ〟になっていた。二刀を巧みに操る超火力職。脆いのが玉に(きず)だけどこれからの活躍を期待しよう。彼女もきっとこれから役立ってくれるはずだ。


「結局、帰ってきたらこんな時間か――やっぱりクエストは効率が悪い」


 時計の針は二十二時を指している。丸一日かけて上がったレベルがたったの二では最低効率もいいところだ。


 もっとも俺たちが倒したモンスターはフィールドボス。これがつまらない採集クエストや雑魚モンスター数体の討伐だったら、Lvは1も上がっていなかっただろう。


 これがクエストをこなし続けてもLvが上がらない一番の理由だ。だからこそ断言できてしまう――レベリングにおいてクエスト消化は罠であると。


「明日に備えてそろそろ休もう。また宿屋で空き部屋探さないとな。埋まってなかったらいいんだけど」


 俺の独り言にコトハがきょとんした顔をする。


「さすがにひと部屋くらい空いてるわよ」


「いや……俺とコトハフィイで二部屋借りたいところでして……」


「何を水くさいこと言ってるの。部屋なんてまた同じでいいのに」


「お前……もしかして俺と一緒の部屋が良いのか?」


「ち、ちがっ――同じパーティーなんだから生活を一緒にするのは当然のことでしょ。だいたいアルトはいっつもわたしのことを馬鹿にして――」


 顔を真っ赤にしながらコトハが俺を非難する。ああでもないこうでもないと、しがないお説教をし始めたその時。


「よぉよぉ、どこだぁヤカテストスをワンパンしたチート野郎っていうのはよぉ! どこの誰かは知らねえが、とんだ見栄っ張りがいるもんだなぁ!!」


 聖堂の一階――勢いよく開かれた扉の奥から、隻眼(せきがん)の中年男が現れた。


 男の腰にはホルダーに収納された二丁拳銃がある。その特徴的な武器からして職業はアーチャー派生の〝ガンスリンガー〟か。中遠距離を得意とするDPSジョブだ。


 男はあたかもここのボスであるかのように、大声を上げながら肩で風を切って歩いている。周りの冒険者たちはそんな柄の悪い男にこびへつらっているが……大物、なのだろうか。あの男は。


「彼の名はヴァーティ、ノルナリヤ随一(ずいいち)の冒険者と(たた)えられている者だ。Lvはこの間ちょうど100に到達したばかりで、数々のクエストをこなしてきた実績もある、のだが」


 フィイはさもくだらないというように、溜め息を捨て吐いてから続ける。


「――実は彼、ヤカテストスには敗北したばかりなのだよ。そんな時、外からやって来た駆け出し冒険者が、ただの通常攻撃で倒してしまったなんて話を聞いて、居ても立っても居られなくなったのだろう。まったくつまらない男だよ」


「要約すると、このままじゃメンツが立たないからかちこみに来たってことか」


「そんなところだ。すまないねアルトくん迷惑をかけてしまって」


「フィイが謝る事じゃないだろ。心配しなくてもあんなのは相手にしない。さっさとここから離れようぜ」


 階段をくだって一階の広間へと出る。


 この間にも、ヴァーティは延々と俺をおちょくるような発言を繰り返していたが、構うだけ時間の無駄だろう。この手の(やから)はごまんといる。


「む、むむむ……」


 一方でコトハはヴァーティに厭悪(えんお)の眼差しを向けていた。今までみたいに勝手に飛び出していかないのは偉いと思う。


 いざ広間を抜けて外に出ようとした時だった。


「……」


 俺たちの前に、隻眼の男が立ちふさがる。意味ありげな笑みを浮かべるヴァーティは、いかにも俺に用がある風だった。


「お前が放言癖(ほうげんへき)のある冒険者、アルトで間違いねぇな?」


 開口一番、ヴァーティが侮辱(ぶじょく)のことばを投げかけてきた。誰かが俺の素性をチクったらしい。


DPS……ダメージパーセカンドの略。秒間の火力や、火力職、火力を指す。

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