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030(洞窟)

次話戦闘です。



 スキルツリーの画面を開くと、習得可能なスキルが何十個と大量に表示された。この中から強力なスキルがどれか判別するには、初心者ではほぼ不可能。だが俺はどれを習得するべきかを知っている。迷うまでもないことだ。


「ひとまずはこれで完成かな」


 ファイター専用スキルを三つほど習得する。ポチポチと聞きなれたSE(エスイー)が鳴って、スキル習得を報せる青白い光が全身から放たれた。


「アルトだけずるい。スキルポイントは使わずに()めておけって言ってたのに」


 コトハが俺のスキルツリーを覗き込みながら言った。


「今は必要だから取っただけだ。〝等価交換(とうかこうかん)〟と〝激震(げきしん)〟そして〝ウォークライ〟どれも自分に掛けるバフスキルだ」


「ねえそれだったらわたしもいくつか取っていい? まだメテオウェーブしかないんだもの。すこし味気ないわ」


「いいけど、どうせならバフスキルにしておけよ。その方が腐らないからな」


「わかったわ、任せておいて!」


 明るい声音で答えるコトハだが、当然、任せておけるわけもないので取るスキルを指定させた。


 一定値、敵の防御力を無視できる〝ブレイク〟と一定時間ステータスを1.1倍する〝ウォークライ〟計二つのバフスキル。


 ブレイクは俺も欲しかったが、これ以上取るとポイントに響くからあえなく断念した。


「アルトくんはかなり攻撃的なスキルを取るのだね。〝激震〟はHPが少なくなるほどステータスが上がるスキルだろう。最大で1.5倍だったか。

 〝ウォークライ〟と掛け合わせると途轍(とてつ)もない底上げとなる。優男(やさおとこ)のような見た目なのに、いやはや恐れ入った」


 それは褒めているのだろうか(けな)しているのだろうか。フィイのことだから前者であると信じたい。


「ちなみにフィイは、他にどんなスキルを取っているんだ?」


「〝ブレス〟と〝ティニルル〟だね。ブレスは味方のステータス向上、倍率もウォークライと同じだ。半面ティニルルはデバフスキル。ごく短時間、敵の受けるダメージが1.5倍に増幅される」


「さすがはアークマスター、かなり有用なスキルだな。うまくいけば一気に倒せるかもしれない」


 俺の狙いを汲み取ったように、フィイはこくりと頷いた。


「ただしティニルルの効果時間は付与してからわずか2秒だ。最大火力を出すにはパーティーメンバーとの連携(れんけい)が必要不可欠だが……二人ならきっとうまくいくと願っているよ」


      ◇


 道中は特に問題もなく、雑魚モンスターを蹴散らしながら洞窟の最奥へと到達した。


 きらきらと輝く鉱石に夢中になっていたコトハをそのまま置いていこうかどうか本気で悩んだ。フィイに(さと)されたので仕方なく首根っこを掴んで連行する。


「うにゃあ……」と悲鳴を漏らして(しお)れるコトハ。前世はフランダースの犬のネロだと言ったが撤回だ。やっぱり彼女は猫かもしれない。


(たわむ)れているのもよいが、そろそろ気を引き締めたまえよ二人とも。どうやら奴に気づかれたようだ。これより血生臭(ちなまぐさ)い戦いが始まるぞ」


 フィイの警告とほぼ同時に、(けだもの)咆哮(ほうこう)(とどろ)き渡る。


 リザードマンとドラゴンの血を引くモンスター、ヤカテストスは四足歩行かつ爬虫類らしき顔つきから通称トカゲと呼ばれている。

 

 だが鋭利(えいり)に突出した爪牙(そうが)と、猛禽(もうきん)めいた大きな瞳。さらに全長八メートルオーバーの巨体はまさにモンスター。見た目だけではなく強力なスキルも持っている。侮れないフィールドボスだ。



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