表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

133/216

132

ご覧いただきありがとうございます。誤字報告本当に助かっています、重ねてお礼申し上げます。最近多いですね、気を付けねば……。


 都市戦もいよいよ残すところあと僅か。三つ目の組み合わせも終わり、トーナメント表には勝ち上がってきたTOP8が表示されている。


挿絵(By みてみん)


 初参戦にもかかわらず三連勝と、コトハはかなりの奮闘っぷりだ。観客席に戻ってから、周りの冒険者から声を掛けられ続けている。彼女もすっかり有名人だ。


「にしても俺の対戦相手は本当に強職(きょうしょく)ばっかだよなあ。〝ポイズナー〟の次は〝ローグマスター〟ときたもんだ。その次にも嫌なジョブ名が多数見えるし、Lv差も大きいだなんて役満過ぎる。こんなのばっかじゃ本当に困るよ」


 はあ、とわざとらしく溜め息をつく。


「やけにネガティブじゃない。アルトはほとんどのジョブのスキルを習得できるのに、負けるわけがないでしょ。大丈夫アルトならきっと勝てるわ」


 するとコトハがすかさず(はげ)ましてくれた。


「ありがとう、だけど難題なことには変わりない。スキルポイントの()ね合い上、習得はできても使用はできない。だから言うほどぶっ壊れっていうほどでもないんだよこの隠しジョブは」


「確かに……そうね。ポイントは有限だもの」


 コトハが頷く。未だに70スキルポイントを保有している彼女も、スキル選択の重要性は理解しているようだった。


「むしろ俺は〝対モンスター用〟にスキルを取ってるから〝対人間用〟のスキルを組んでるやつには分が悪い。特に次の対戦相手〝ローグマスター〟は対人に強いスキルばっかりだ。対人専門ジョブとまで言われている。――これはまたスキルを取る羽目(はめ)になるかもな」


 スキルツリーを展開すると、リズがひょこっと顔を出してきた。


「おにいちゃんだいじょうぶなの。前にあたらしいスキルをおぼえたばかりなのに」


「実はまだ60ほどポイントが残ってるからな。俺の隠しジョブの特性なら三次職スキルも習得可能だし、この段階で覚えておいても腐ることはない」


「ポイントをぜんぶつかっちゃうの?」


「そこが悩みどころなんだ。〝対人用〟のスキルはできるだけ習得を避けたい。本音を言えば人間相手じゃなくてMOB相手に強いスキルが欲しいんだ。

 だって〝対人で強いスキル〟なんて活躍できる場面が限られてるからな。狩場やIDで有用的なスキルの方が絶対に重宝する。そうは分かっているんだけど……やっぱり勝ちたいしなあ」


 思わず冒険者としての欲求をこぼしてしまう。


 何て言ったって都市戦は半年に一度のお祭りだ。優勝して実績を残したという人間的な欲望はもちろんあるし、優勝すれば〝業績〟が開放されてまた一段と強くなれる。


 前じゃあ〝対人専用〟のスキル振りをしてもスキルの振り直しができる〝スキルリセットポーション〟を使ってたんだけど、いかんせんあれは課金アイテム。


 見たところこの世界に課金アイテムなんて無さそうだし――いや待てよ、決めつけはよくないか。意外と実装されてるかもしれない。ショップを見に行ってもいいのかも。


「――いらっしゃいませ冒険者さま。店内をごゆっくりご覧くださいませ!」


 思い立ったが吉日(きつじつ)、バルドレイヤの中で最も規模の大きい道具屋へとやってきた。


 店内にはポーションやピッケルなどの基本的な物から、属性耐性ポーションやワープスクロールなどニッチな道具まである。


 俺だけでいいのに、行くと言ったらギルメン総出でついてきた。決闘で疲れていて説得する気力もない。ご愛嬌(あいきょう)……ということにしておこう。


「少しは期待してたんだけど、そりゃそうか。流石に課金アイテムなんて普通のショップに売ってない」


 店内を一周してもスキルリセットポーションはなく、その他の課金アイテムもまた同様だった。こればかりは仕方ない。せっかくだし役に立つアイテムだけ買っていこう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ご愛読頂き有難うございます
星5評価ブクマレビューなどを頂けるととても嬉しいです。モチベーションが上がります。

ADRICAのMAPです(随時更新)。
MAP MAP MAP
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ