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依頼

 屋敷をもらった次の日俺たちは冒険者ギルドに来ていた。一つはエマの冒険者としての登録と冒険者拠点の登録それと何かしら依頼を受けておこうと話になったのだ。


 そういうことで今冒険者ギルドに来ていた。

 王都のギルドの建物はリスートのものより一回りも二回りも大きい作りになっている。

 リスートもSランクダンジョンがあるためかなりでかい方なのだがここは別格だ。


 中に入るとやはり冒険者ギルド王都とはいえ朝から飲んだくれている奴らも散見される。


 とりあえず空いてる受付嬢の元へ向かう事にした。


「いらっしゃいませ冒険者ギルドへようこそ!どのようなご用件でしょうか?」


「しばらくの間の拠点登録とこの子の冒険者登録、それと何か依頼を回してもらうつもりで来たんだ。」


「かしこまりました。ではこちらに登録の記入をしてください。それとお二方はカードの提出をお願いします。」


 カードを受け取った彼女はそれを見て固まる。


 その時だった。後ろから下品な声が聞こえて来る。


「おいおい坊主ここは遊び場じゃねぇぞ。嬢ちゃんたちもそんなガキほっといて俺たちと組もうぜ!俺たちこれでもBランクだぜ?げばばば」


 そう言ってきたのは後ろに取り巻きを三人連れたスキンヘッドの男だった。


 リスートの街では最初から勇者パーティーにいたしその後ももう実力が知られていたようだからな久しぶりにこうして絡まれる。多分冒険者ギルドに登録したての時くらいかもしれない。まぁその時もフィリアはいたし絡んできた人も俺の事が心配でトレーニングを積ませたかったようだからあんまり嫌な思いはいてないんだけどこいつらは違うな。二人を見る目がいやらしい。


「残念だけどどこかに行ってくれるか?」


「何言ってんだガキがオメェなんてどうせなりたてのペーペーだろうが!黙っておんなを差し出せばいいんだよ!」


 あーもういいかな?こいつら・・・


「何してるんですか!こちらの方々はSSランク冒険者の方々ですよ!」


 カードを見てようやく再起した受付嬢が声を上げる。


 周りから嘘だろとか声が上がるが絡んできたスキンヘッドゴリラが一番動揺している。


「それで?誰の女を差し出すんだっけ?」


 俺はスキンヘッドを問い詰める。


 俺の後ろで二人は


「俺の女・・ふふふ」


「カッコいい・・」


 なんて呟いてる。全く危機感がないんだよな。


「くっ!お前ら行くぞ!」


「まってくだせぇ!」


 スキンヘッドは取り巻きを連れてギルドから出て行ってしまった。


「申し訳ありません。アストさん。」


 そうギルド受付嬢が謝るが悪いのはあいつらだし気にしないでもらいたい。


「大丈夫だよ。それより何かいい依頼はあるかな?それとこれがエマの分の登録表ね。」


「あっありがとうございます。」


 彼女は紙を受け取り機械を操作する。

 カードに情報を読み込む機械でこれはどこのギルドにも置いてある。


 それから別のものを見て数分後に作業が終わる。


 先にエマさんの冒険者カードをお渡し致します。


「それで依頼なのですがSSランクのお二人が居られますのでSランク依頼のカイザーバードの討伐なんでどうでしょうか?」


「カイザーバードかアレの肉美味しんだよね。二人ともいいかな?」


「うん。いいと思うよ。」


「はい。私はまだ着いていくだけですので大丈夫です。」


「じゃあこの依頼受けていくよ。」


「わかりました。では受理しておきます。お気をつけていってらっしゃいませ。」


 ギルドを後にする。


 馬車を取りに屋敷へ向かうことにする。


「アスト。」


「あぁ後ろから来てるな。」


「え?」


「フィリアはエマと次の路地を曲がったら先に屋敷に帰っていてくれ。」


「わかったわ。」


 俺たちは人のいない路地へと入り込む。


 先にフィリア達を返して俺は路地にて追跡者を待つ。


「おい。坊主さっきは舐めた真似してくれたな?覚悟は出来てるんだろうな?」


「覚悟?」


「まぁ俺様は寛大だからな。お前があの二人を差し出すなら許してやってもいんだぜ?なんだって俺たちは裏組織バリアントと繋がってるんだぜ?ぶばばば!」


 裏組織バリアントこの王都の裏世界を占めてるって言われてる組織だっけか?


「お?びびって声もでねぇが。SSランクってもの誰かに寄生して得たんだろ?」


 あーもういっか面倒いし組織ごと潰そうかな。


 俺は神器ブリュレツィアを取り出す。


「あーん?やろってのか?」


 剣を縦に振る。

 衝撃波が飛び出してスキンヘッドの右手を宙に飛ばした。


「え?グギャァァアい、いでぇよ俺のみぎでがぁ」


 スキンヘッドはあまりの痛さに耐えられなかったようだ。


 俺は周りも見やる。


「ひっ!」


 取り巻き達は一目散に去っていった。


「おい。お前の仲間いなくなったぞ?で?誰が許しをこう必要があるんだ?」


 俺はスキンヘッドに向けて殺気を放った。これに懲りてくれるといんだけどな。

 スキンヘッドとズボンを濡らしながら去っていく。全く汚ねぇやつだ。


 俺は早く癒されたい一心で屋敷まで超特急でがいるのだった。


 ・

 ・・

 ・・・

 ・・・・


 それから俺たちは王都を離れ馬車で1日の距離にあるバームガルド山脈に来ていた。

 Sランク依頼カイザーバード討伐のためだ。

 俺たち三人は最寄りの村に馬車を預けて今バームガルド山脈を登っている。

 カイザーバードがいるのはこの山の中腹あたりのため馬車ではいけないのだ。


「エマ大丈夫か?」


 俺はエマに声をかける。


 流石に少し前までというか現在進行形でお姫様には辛いだろう。村で待っていてもいいと言ったのだが着いてくると聞かなかったからな。


「アスト休憩しましょう。そろそろお昼にもいい時間だしね。」


「そうだな。」


「すいません私のせいで・・・」


 落ち込むエマ。


「別に気にしなくていいよ。少しずつ慣れていってくれればいいからさ。」


「ほらアストはご飯出して。」


 フィリアはお腹が空いてるのかご飯を急かすように言ってくる。


 俺はストレージから事前に作っておいたご飯を取り出す。それは出来立てのように温かい。本当に時間停止があるストレージは温かいご飯がどこでも食べるから最高だ。


 山の中腹には似つかわしくないご飯を食べ終えて再びカイザーバードを目指して登り出す。


 するとすぐにやつは現れた。


「キョェェェエ!」


 翼を大きく広げてこちらを威嚇しているようだ。

 その大きさは大体15メートルほどにもなりそうなその巨大な翼をはばたかせて宙に浮いている。


「じゃあさくっと狩って今日は美味しい焼き鳥にでもしようか。」


 俺はそういう時神器ブリュレツィアを構えカイザーバードを目掛けて突っ込む。


 がカイザーバードは危機を察したのかさらに上空へ逃げる。

 流石の俺も空を蹴って進むなんて芸当はできない。


 そう思っているとフィリアから声がかかる。


「今足場出すね」


 えっ?と思ったがすぐに理解した。

 俺の足元に立てる場所ができている。おそらく結界術を応用して作った即席の足場なんだろう。


「助かるよ!」


 俺はそういう時再びカイザーバードを目掛けて飛ぶ。

 フィリアが次々に足場を出すおかげでカイザーバードは逃げ切れなくなり俺の剣がカイザーバードを遂に捕らえた。

 そして絶命したカイザーバードをそのまま収納して足場を頼りに地面に降りていく。


「しゅ、しゅごいです・・・」


 エマが感動したのか言葉にならないような声で称賛を送ってくる。


「それにしてもよくあんな使い方思い浮かんだね。」


「うーんなんとなくできる気がしたからやってみたの。」


 流石天才だ。


 俺たちは依頼も終わったことから早速村へ戻り馬車を返してもらい王都へきかんした。

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