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第一王女リオナ

閑話です。いずれ本編にも。

 私の名前はリオナ・ゼイルカーザ。

 ゼイルカーザ王国第一王女です。


 今日は妹のエマが長旅から帰ってきた知ったので早く会いたくて王城を回っています。


 妹のエマはとても可愛くて目に入れても痛くありません。もし妹に男が出来たらお父様と一緒にその者をボコボコにしてしまうかもしれませんわ。いつもお父様とお母様からはそんなことより先に見つけなさいと言われますが私は意外と面食いなのです。王女の私です多少選別してもいいでしょう。


 早くエマに会いたいなぁと思っていましたがそこで王城では見慣れない男性がいました。男性は御トイレのようで入っていったのです。


 どくん!どくん!


 突然心臓の鼓動が早くなります。

 どうしたのでしょうか?

 原因は男性を見てからとはわかっていますが今までこんなことはありませんでした。またトイレから出てきた彼を見ると心臓が張り裂けそうで咄嗟に隠れてしまいました。


 それから彼のことが頭から離れないまま来賓室に向かいます。

 扉の前で息を整えます。客人の前です。エマに恥をかかせるわけには行きませんから。しかし私は最後まで部屋に入ることはありませんでした。


 部屋から突然このような声が聞こえてきたからです。


「お義父さん。私はエマさんに告白しました。そしてエマさんからは良い返事を頂きました。事後報告になって申し訳ありませんがどうか娘さんを私にください。」


 とエマが結婚する?それにこの声はおそらく先ほどの男性の声です。


 私は唐突に自室に向かって走り出しました。

 瞳から溢れる涙が止まりません。

 なんででしょう?エマが結婚するからでしょうか?いいえ多分違います。エマが結婚する時は見極めてやろうと思っていたくらいです。


 けどそうではないなら相手があの男性だから?

 多分そうです。私は一目見て惚れていたようです。初めて男性のことを気になったのにすぐに失恋してしまったわけです。私はその日は部屋から出なくなってしまいました。お父様もお母様も心配しているのでしょう。

 明日からは立派な第一王女に戻ります。だから今だけは許してください。


 それから一週間私は彼のことを知りました。アスト君というお名前で冒険者ランクSSにもなる方だそうです。

 それとすでに二人のお嫁さんがいてこれからオークションで奴隷も買う予定だそうです。


 少し希望が湧きました。


 私だってまだアプローチしていいんだって、お母様にだけこっそり伝えました。


 そしたら頑張りなさいって私たちは姉妹です男性の好みも似たのでしょう。


 これからどんどんアプローチしていくので覚悟していてくださいね。

 未来の旦那様!

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