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ここはどこ?
「ここはどこなんですか?」
猫相手に現実世界では絶対に使うことはないと思っていた「ここはどこ?私は誰?」をやることになるとは…頭が混乱していて、思わず敬語になってしまう。
「ここは黄泉比良坂。いわゆる黄泉の国の入口だな。」
「黄泉の国…ということは、俺やっぱり死んだのか…」
一郎はがっくりと項垂れた。自分で電車に飛び込んでおいて落ち込むのもどうかと思うが、あれは一時の気の迷いだったのだ。
「入口ではあるのだが…」
大猫が口を開いたとき、笛と太鼓の軽快な音楽が聴こえてくるとともに、線路の先にぽつぽつと小さな灯りが見えてきた。
「あれは何ですか?」