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百猫夜行  作者: 七海世那
3/7

ベッドおばけ

 「トッ、ト○ローーーーーーーーッ!!!???」


 一郎がベッドだと思っていたものは、生き物だった。ふかふかしていたのは、その生き物のおなかだったのだ。呼吸に合わせて大きく上下している。


 そうだ、俺、回送電車に飛び込んで…てことはこれ死後の世界ってやつ?そういえば、ト○ロも主人公の姉妹は実は死んでるって都市伝説があったような…神様とか信じてこなかったけど、ここ天国?地獄?


 「アアアァァァーーーーーーー!」

 今までより一際大きくベッドおばけ(仮名)のおなかが盛り上がり、一郎は一歩後退した。


 「猫…?」

 ベッドおばけは大きくあくびをすると、顔を起こした。ぱちりと開けた大きな目と一郎の目が合う。


 「わわっ!」

 ベッドおばけの右前肢が伸びてきたので、一郎は反射的に後ろに飛び退いた。手が何か硬いものに触れる。

 

 「コンクリート?これ、駅のホーム?」

 一郎が掴んでいたのは、ホームの縁のコンクリートだった。ベッドおばけのおなかと段差がないので、ひょいとホームに飛びうつる。


 「ここ、昨日の駅か。昨日?ってか今日?」

 ホームは終電で着いた時と同じように、寂しく蛍光灯で照らされているのみだ。相変わらず人気はなく、電車の車両はなくなっている。


 「こんなところに客人とは珍しい。」

 深みのある優しい声で、一郎は現実に引き戻される。


 「でっか…」

 ベッドおばけは巨大な猫だった。線路部分でのびをしているが、横幅は線路いっぱいくらいだ。

 そのまま二本足で立ち上がると、ホームの上で腰を抜かしている一郎と目線の高さが同じくらいになる。


 「こんなところに人の子が何用かな?」

 「喋ってるぅ~。」


 猫って確か肉食だよね?こんなでっかい猫だと…俺食われちゃうの?

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