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選択  作者: ゆう
1/6

選択肢……1

人を根絶やしにしよう。


大丈夫。自分にはその手段が有る。



〈調薬〉


霧状ノ薬。


毒。


無味無臭ノ薬。


毒。


速効性ノ薬。


毒。


秒間ダメージは最大デ、効果時間は短くテ良い。断続的ニ吸い込んでクレ。


毒。


どく。


ドク。





さア、準備は大事ダ。


【等価交換】で素材ハ全て毒の素材ニ。

魔物を殲滅シよう。

自分自身モ素材にしよウ。大丈夫、直ルかラ。








サア、さあ!撒コう!

自分ノ手で!

【無痛】。痛ミは無い。

分カラぬ内ニ死んデ逝け。



まズは、一国。

嫌いナ王国。

……国名ハ……どウデも良いカ。





その日、とある王国では雨が降り、霧が立ち込めた。

この世界では特定地域にしか雨は降らない。

不安がった国民の中にある噂が巡った。


数年前に空からの血の涙が流れたその国は、対して神様の慈悲。血を洗い流す、慈悲の涙であるとまことしやかに噂された。


そうして一つの国は永遠の眠りに包まれた。








数年おきに"慈悲の涙"は何処かの街に、国に、永遠の眠りをもたらすようになった。魔女の涙だと、人々は噂する。


どうしようもない。雨が降り、呼吸を止めても、食べ物は毒に犯される。飲み物は汚染される。傷口から蝕まれる。


静かな死を迎える前に、毒消しを奪い合って殺される者も居た。毒消しが有った所で焼け石に水でしかない。一番、現実を理解出来る薬師は真っ先に自らの毒をあおった。

街の外に逃げる者で溢れた。魔物に襲われて何人も死んだ。次の街について思う。とりあえずは()()安全だ。


1日おきに神託が降った。

昨日と数百k離れた場所に魔女が居る。

何処ぞの人は魔女の眷属(依り代)である。

……次の(眠りにつく)街は──である。



魔女は転移が使えた。

軍を遣っても既に居ない。

知らず自分が魔女の眷属になっているかもしれない。

眠りは妨げられない。

逃げても別の街が選ばれる。

次の街は生け贄。選ばれ無かった街の生け贄。






召喚された神子は、故意か偶然か、毒の効かない者が居た。

薬を扱う者が居た。


低Lvでは話にならなかった。




そうして今日も降り注ぐ。

HPの削られる痛みの無いそれは、"慈悲の涙"と呼ばれた。

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