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恐怖のスライムツリー  作者: リリたゃん
1/3

始まり

新作を書いてみました

少し暗めのお話です

俺はスライムだ

しかし通常のスライムではなく悪に染まってしまったスライムのようだ。

何故なら俺の足元(?)には俺と同じようなスライムの死体が3つ縦に並んでいるのだから。






昔も俺はスライムだった。

生まれてすぐに人間共に笑いながら殺されたのを覚えている。



あの時は無力だった。魔法も使えず、ただ体当たりしか出来なかったので、装備を固めた人族にダメージを与える事も出来ずに死んでしまった。







次に覚えているのは毒を吐けるスライムになれた事だ。

あの時は嬉しかった。体当たりしか出来ずにやられてしまった自分にも攻撃手段が出来たから。



しばらく平穏な日々が続いた。

そこら辺に生えている草や枝を食べ続けること3ヶ月、みるみる成長していき近くにいたモンスター達にも負けないくらいには強くなれた。

俺が吐く毒息は強力で近くに生えていた木に毒息を吐きかけ続ければ木を倒す事が出来、倒れた木の実を食べたりすることでより強くなれた。




そんな日々も突然終わりがやってきた。

また人間が現れたのだ、しかも今度は4人組でだ。

奴らはここに暮らしていたモンスター達を嗤いながら殺していく。

俺は昔の記憶が蘇る



『絶対に奴らをゆるさん!』

俺は奴らに復讐しようと考えた。

しかし4対1では部が悪い。どうしたらいいか考えるがいい案は浮かばない




別に仲が良かった訳ではない。

だがお互いに困った事があれば助けるし、話す事は出来ないが、普通の奴らだった。

何一つ悪さなどしていない、そんな奴らが人族に嗤いながら殺されていくのを黙って見てられなかった。




せめて一撃と思い、俺は奴らが通るであろう木の近くで身を潜めて通り過ぎるのを待つ。

そして奴らは俺に気付かずに通り過ぎていったところで俺は毒息を吐いた



4人の内2人に毒息を食らわせたる事に成功したが、残りの2人が何やら辺な色の草を飲ませている




「ちっ!こんな所で毒息を使うやつに不意打ちを食らうなんて!」



そして毒息を食らわせた奴らも色が元に戻っていき俺は窮地に追いやられる



『くそっ!何で倒せないんだ!これじゃあまた』




人間どもは俺に向かって剣で突き刺したり、魔法で焼いてきたり、俺はそのまま動けなくなった




「ちっ!スライム如きに薬を使っちまうとは勿体ねー」


「まっ、不意打ちだったしな気をつけるべ」





『くそっ』




そうして俺の2度めの生は終わりを迎えた。





そして3度めはどうやら金属の体で出来たスライムになったようだ。

この体は凄い!移動が早く攻撃も魔法も効かない!

しかも弱めだが魔法も使える。




俺はこの姿に感謝して生まれた場所で生活していた。

そこでの生活は楽しかった。

同じ姿のスライムがいて、種類の違うモンスターに襲われる事があっても逃げたり、魔法を使い倒せた事もあった。



基本的に食べる事をしないでも生きていけるので狩りをする必要はない。

なのでのんびりと同じ姿のスライム達とポヨンポヨンとしながら生きてきた




だがまた悲劇が訪れる




「おい!そっち行ったぞ!」


「やっちまえ〜!」





また人間達が俺達の平和を脅かす。

俺達は姿を隠しながらその様子を見ていた




「けっ、しけてやがんな、ここのモンスターはよ」


「全然強いモンスターなんていねーじゃねーか」




『くそ!好き勝手言いやがって、奴らさえ来なければここは平和なんだ!絶対逃げ切ってやる』




すると同じ姿のスライムが何を思ったかそいつらに向かって飛び出していった




そして金属の体での体当たりが奴らの1人を吹き飛ばした




「ぐわっ!一体何が!」


「おい!大丈夫か?ってこれはチタンスライムじゃねーか!」



「おっ!こいつは付いてるな、絶対に仕留めるぞ」




そしてアイツは囲まれて攻撃されているが奴らの攻撃は全く効いていないようだ




チタンスライムと呼ばれたアイツは懸命に攻撃を繰り返す、しかし多少のダメージは与えているが1人も倒せていない。

俺はそんな奴を見て湧き上がる感情を押し殺す事が出来なかった。





『くそっ!俺も手伝うぞ!』



それを見たアイツは元々ニヤけた顔だったが、さらにニヤけたように見えた、気のせいか




「なんだ!同じやつか!」


「ウッヒョーツイてるぜ!」


「絶対逃すなよ」





俺は硬いんだ、奴らの攻撃なんて怖くない!

そうして俺は1人に的を絞り魔法を使う




『くらえ!火の玉』




「ぐわっ!あつつつう」



どうやらダメージを与えたようだ




「おい、大丈夫かよ」


「ああ、まだまだいけるさ」



「油断するなよ」





そしてアイツも同じ標的に向かって体当たりをする



「ぐはぁ!」


「ははっ、お前嫌われてるんじゃねーか?」


「たまたまだろ!くそっ」




「そしてさらに俺は同じやつに魔法を使う」



『火の玉!』



「ぐはぁ」



と叫びながらそいつは倒れた




「おい!スコットしっかりしろ!」



「すまねぇ、まさかこんなに連続で食らうとは」



「ちっ!仕方ねぇ後ろの場所で休んでろ、回復したら戻れよ」



「ああ」






『なんだと!!せっかく1人削ったと思ったのに後ろで休んで回復したら復帰だと!

ふざけるな!こんな理不尽な事があっていいのか!俺達は何もしてないのに!ただ殺されるだけに生まれるのか!』




そんな事を考えていると残った3人がアイツを集中攻撃し始めた



『や、やめろ!』




集中攻撃されてもアイツはケロっとしていたが、1人の攻撃が光を出しアイツは消し飛んでしまった




『は?な、何だ今のは』





「おっ、やっと出たかクリティカル」



「お前クリティカル率低いしな」



「うるせぇ、さ、ラストだな」





『く、くるな!』




俺はそこから逃げ出そうとしたが





「うおっと逃がさねぇーぜ」



と俺の前に人間が立ち塞がる




「危ねぇ、逃す所だったぜぇ」


「お前は俺達の経験値だからよ、逃がさねぇよ」





俺は逃げ出す事も出来ずにひたすら戦った、奴らの攻撃は殆ど食らわない、俺の火の玉は奴らにダメージを与えるが…




「おう、待たせたな」


「おっせーよ、ほらお前も戦え」


「わーてるよ」





『くそ、最悪だ。タダでさえ3人相手に大変なのに更に1人加わるなんて』




「さっきはよくもやってくれたよな〜、次は油断しねーからな」



と持っていた剣で俺を叩いてきた




そしてさっき見た光る攻撃だ



『ぐわぉああああ!!』




「おっ、クリティカル」


「やったな」


「ったく雑魚の癖に手間取らせやがって」





俺はこの世から消える直前


『くそ!この世は理不尽だ、次だ次こそは絶対に人間共を』




そこまで考えて俺の意識はなくなった









そして今の俺に至る

俺は仲間のスライム達の強さを得ることが出来るらしい。

俺の体の底には長い伸縮が出来る針のような物があり、それを刺すことでそいつを意のままに操る事が出来るようだ。

今は下にスライムが3体いて、その能力が俺に加わっている、




『もっと強いモンスターを操れれば人間に勝てるか』





周りを見るとあまり強そうなモンスターはいない。

まだ生まれたばかりだが、何度も違うモンスターとして蘇っているため、他のモンスターの強さも何となくわかるようになった





『まずはスライム以外のモンスターを操る事が出来るか試すか』




そして俺はこの理不尽な世界で生き残るため、嗤いながら殺された人間共へ復讐をするために、俺は最凶のスライムツリーとして、これからこの世界で生きて行く。

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