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つぎはぎだらけの君と私  作者: しずれ
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つぎはぎだらけの二学期

次のつぎはぎができたのは夏休みが終わった二学期。関係に亀裂を入れたのはゆなだった。

晴れて友達になれた私とゆなは毎日遊ぶようになった。

それまではかれんがいないとゆなと遊ぶことなんてなかったのに、友達になってからは二人だけで遊ぶことも多くなった。

そんな時、いい友達ができたと喜んでいた私の耳に来たのはある1つの噂話。

それは、ゆなとかれんが私の悪口言っているというもの。

耳を疑った。あのゆなとかれんが私の悪口を?私のこと嫌いになったの?

ゆな、言ってくれてたじゃん。「これからは私たちずっと友達だよ」って。あの言葉は嘘だったの?

いや、まだその話が本当だとは限らない。こんな証拠もないただの噂話で決めつけてしまうのはよくない。

そうだ。こんなことで友達を疑ってどうする。友達なんだから信じてあげないと。友達なんだから・・・

でも、確認するだけならいいよね?疑うわけじゃない。確認してあの噂話が全くの嘘だってことを証明するだけ。

思い立ったらすぐ行動する私はまずかれんに聞きに行った。

「ね、ねえ、今ちょっといいかな?」

「ん?どうしたの?」

「実はね、クラスの子からかれんとゆなが私の悪口を言ってるよって聞いたんだけど・・・嘘だよね?何かの勘違いだよね?」

「・・・・・・」

「かれん・・・?」

何で何も言わないの?何で否定してくれないの?違うって言ってよ。嘘だよって言ってよ!

「・・・あんたが」

「え?」

「あんたが悪いんじゃない!」

私が悪い?どういうこと?

「悪いって何のこと?」

「しらばっくれないでよ!あんたがゆなの悪口をネットで言ってること知ってるんだから!」

かれんの言っていることが理解できない。

私がゆなの悪口を?しかもネットで?そんなことあるはずない。

私はゆなの悪口なんか言わないしネットで言うなんて尚更ありえない!

かれんは本当に何を言っているの?

「証拠だってあるんだから!」

そう言ってかれんは私にスマホの画面を見せてきた。

そこに表示されていたのは、自由に呟いたりすることができる某有名SNSのアカウント情報の画面だった。

アカウント名は「女子中学生の愚痴」。混乱しながらもそのアカウントの呟きを見てみた。

「なに、これ・・・」

そこには、名前こそ書いていなかったものの、内容だけでゆなとわかってしまうような呟きと恐らくゆなに対するであろう酷い悪口が沢山あった。

しかもそれだけじゃない。写真まで載せられている。ゆなと中年男性が一緒に歩いてる写真。

でもこの写真は合成だ。所々不自然な部分がある。つまり、ゆなの評価を下げるためにわざわざ作ったってこと?

「誰がこんなこと・・・」

「まだしらばっくれるつもり!?」

「しらばっくれるも何も、私はやってない!こんなアカウント今まで知らなかったし、そもそも私はこのSNSを使ってない!」

「じゃあゆなが嘘をついてるって言いたいの?」

「どういうこと?ゆながかれんにこのアカウントのことを言ったの?」

「そうだよ。一週間前、ゆなが泣きながら私の家に来たの。泣いてる理由を聞いたらあんたがこのアカウントに悪口を呟くところを見たって」

私はそんなことしないし、した覚えもない。

だから、もしかれんが言ってることが本当ならゆなは嘘をついてることになる。

でも何のためにそんな嘘を?

「あんたが何を言おうと、私はゆなを信じる。・・・だから、こんな酷いことする人とはもう友達でいられない」

そう言ってかれんはどこかへ行ってしまった。

私はかれんを追いかける気力もわかなかった。ねえ、ゆな。貴方はなんでこんな嘘をついたの__?

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