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つぎはぎだらけの夏休み
あれからメールを送っても無視され、私はもう縁を切られたと思っていた。
元々、そんなに親しい仲でもなかったから別に寂しくはなかった。かれんは3人で遊べないことを嘆いていたが。
夏休みもあと少しで終わろうとしていたある日、ゆなからいきなりメールが来た。「会いたい」と。
なんで今更?とも思ったが、怪我をさせたことを謝りたい気持ちもまだあったし断る理由もなかったので私は「いいよ」と返信した。
次の日、私とゆなは約1ヶ月ぶりに話した。謝ることもできた。
仲直りもして「友達」と呼べる関係にもなれた。でも、ゆなが私を避けていた理由は教えてくれなかった。
けれど、その時はそんなことどうでもよかった。友達になれた喜びでいっぱいだったから。
多分、これが1つ目のつぎはぎだったと思う。破れてしまった関係を「友達」というもので縫い合わせた。
そして破れたところをなかったことにしてしまった。
今思えば、この時すでに私は選択を間違ってしまっていたのかな。