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謎と戦争する日8

グルが謎の生物と遭遇した話をした後、オーク達は謎の生物について考察する。

皆が弱点などについて考察している中、軍師が喋り出す。


「まず最初に聞いてほしい。今回は国を守る戦いではない。我らオークの命を守るための戦いという事を理解しておいてほしい。」


その言葉を聞き、周りのオーク達は様々な反応を示すが、誰も口を開かない。

皆分かっているのだ。

ジルシンドが匙を投げる程の敵、それが生半可な敵であるはずがないという事に。


「皆には命以外の全てを捨てる覚悟でこの会議に挑んでほしい。」


オーク達は静かに首を縦に降る。

それから6日が経ち日が昇り出したころ、会議室では今も会議が続いている。

会議で決まった対策案はすぐ様兵士達に伝えられ、実行に移される。

会議で決まったこのやり方で6日間の間、準備をしてきたオーク達。

いつ襲ってくるか分からない恐怖の中、様々な対策を講じ、準備してきたオーク達の顔には自信が溢れていた。

しかし、その顔に影が差すことになる。

会議が今も続いている部屋に珍しい人物が現れたからだ。

会議室の扉がノックもなく開き、一斉にオーク達の視線がそちらに動く。

そこから現れたのは銀色の肌を持ったオーク。

この人物こそジルシンド、現魔王である。

ジルシンド以外のオーク達は一様に驚き、膝をつく。

軍師やグルも含め、ジルシンド以外のオーク達は驚いた後に疑問に苛まれる。

何故、今頃出てきたのか…、と。

扉を開いた状態から動かないジルシンドを不審に思い、軍師がお伺いを立てようと口を開きかけた時に、ジルシンドの口からたった一言だけ言葉が放たれた。

たった一言、しかし、その一言で会議室の空気は一変する。

その一言とは…「来るぞ」これだけである。

その後、扉を閉めまた自室に戻るジルシンド。

扉が閉められた後も固まって動けなかったオーク達だったが、誰かの唾を飲み込む音で一斉に動き出す。

そして軍師が最後の確認をする。


「皆さん、最後に確認します!住民の避難は済んでいますね?」


赤い肌をしているオークが答える。


「すでに完了しております!」


「よろしい。では人間達との交渉は?」


青い肌をしているオークが答える。


「3日後には人間の軍が此方に到着するものと思われます。」


「よし、では次にその時間を稼ぐ為の準備は?」


青い肌をしているオークと老オークが順に答える。


「兵には緑光石を持たせ、作戦は叩き込んでいる。ぬかりはない。」


「ドルイド部隊にも作戦はきっちり伝えているのじゃ。」


「よし、私も最終手段である城の爆破準備は完了している。これで全ての準備は整ったな。後は…」


オーク達の作戦、それは人間達に助けを求め、援軍が来るまで耐える。

単純な作戦だが、これが最良だと考えたオーク達は時間稼ぎの為の策を考えた。

その策が緑光石だ。

これは魔力を込めると緑色の光を放つ石だ。

普段から少し光っているが魔力を込めるとより強い光を放つ。

だがこれだけでは周囲を明るく照らす程度なのだが、魔力を込めて強い衝撃を与えると、目が眩む程の閃光を放つ。

その閃光を利用して敵の目を眩ませながら戦うという作戦だ。

城壁の上から緑光石を持たせた兵に投げさせ、相手の目を眩ませながら戦い、その戦っているもの達をドルイド部隊が支援する。

これが今回の作戦の全容なのだが、問題は2つある。

1つ目は戦っている者も一緒に目が眩むという事。

2つ目は誰が戦うのかという事。

この2つの問題は解決している。

グルとグルが選び出した30名の選りすぐりの兵。

そして、計31名の戦士達が手に持っている物によって。

作戦の要と言ってもいいグルの調子を確認しようと軍師が声を掛ける。


「…グル将軍、準備はいいですか?」


「ああ。我と、我の部隊の覚悟はすでに決まっている。それに霊視布も既に全員に行き渡っている。」


グルは手に持っている黒いハチマキの様な布を見せながら言う。

この布こそが閃光から目を守る為の物だ。

この布越しに見ると、昼だろうが夜だろうが視界はハッキリと見える。

それが例え、閃光の中だったとしても。


「…そうですか。では、皆さん行きましょう。我々の未来の為に全力を出し切りましょう!」


「「「「「未来の為に」」」」」


一斉にそう言い手を掲げた後、会議室を出て絶対に生き残るという意志を目に宿しながら配置に着くオーク達。

脅威はもう目前だ。

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