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謎と戦争する日7

side オークジェネラル グル


オークの国ピリミリア、その首都であるバランにグル達、捜索隊は戻ってきていた。

数時間程で極度の恐怖と絶望を感じたオーク達は、街に着くなり座り込む者、泣きだす者、様々だがその顔には笑顔があった。

グルも安堵の息を吐くが、早急にしなければいけない事を思い出し、捜索隊と共に街の中心地点を目指す。

街の中心地点には大きな建物がある。

その形は洋風の城に酷似しているが、全体が仄かに翠色の光を放っている。

城の門前まで来たグルは捜索隊に解散命令を出し、自分は門を潜り城の中に入る。

城の中は広いが、グルは迷う事なく歩き一つの大きい扉の前まで来る。

そうすると扉が開き中から白いベレー帽をかぶったオークが出て来る。


「やっと来ましたか。皆集まっています、さっそく会議を始めましょう。」


グルは中に入ると、そこには様々なオークがいた。

皆見慣れた顔だが、赤や青、土色の肌をした者達、見るからに年老いた者がいる。

部屋の中には、大きな長方形の机と椅子がありその奥には豪華な椅子がある。

グルが着席すると、白いベレー帽をかぶったオークが喋りだす。


「では今から会議を始めます。」


しかし、ここでグルが口を挟む。


「その前に一つ聞きたい。魔王様はどうなされた?」


机の奥にある豪華な椅子、そこに座る者はいない。

重要な会議には魔王も含め会議するのだが、いない事を不審に思ったグルが問う。

だが、重い空気が流れるだけで誰も答えようとはしない。

しばしの沈黙が流れるが、ようやく白いベレー帽をかぶったオークが重い口を開く。


「魔王様…ジルシンド様は軍師である私に皆を纏めるように言われた後、自室に籠もっておられる。」


「そんな馬鹿な!これほどの事態なのだぞ!!」


「これほどの事態だからこそだ!」


「なん…だと……。」


グルは言い知れない不安を覚え言葉が詰まる。


「グル殿も良く知っておられるとは思うが、ジルシンド様の危機感知能力とその危機に対する対処能力はずば抜けている。

今まではその能力で、事前に対策を立てる事で国難を退けてきた。

…しかし、そんな能力を持っておられるジルシンド様が、自室に籠もっておられる。この意味がわかるか!?」


「そ、それは……。」


「打つ手がない…という事だ。」


「そ…そんな馬鹿な……。」


会議室には暗い空気が流れ、1時間もの間、誰も喋る事はなかった。

長い長い沈黙が続くがポツリと呟く者がいた。


「だが……」


皆の光を失いかけた目がその者を見る。


「だからと言って諦めるわけにはいかん!」


絞り出すように言い放つ軍師。

一瞬、皆の目に光が戻るが、すぐに俯き暗くなる。


「だが…魔王様が諦めたのにどうしろと…。」


誰かが呟く。

しかし軍師は諦めない。


「皆で知恵を振り絞れば、魔王様も思いもよらない奇策が思いつくかもしれない。諦めるな!その為に、今ここに集まっているんじゃないのですか!?少なくとも私は諦める為にここにいるわけじゃない!!」


熱く語る軍師。

それが皆の心に、小さいが希望の火を灯す。

それはグルも例外ではなく、動く事を忘れていた口を動かし始める。


「そうだ…そうだな。軍師殿が諦めていないのに、我ら戦士が先に諦めてどうする!」


グルは自分の顔を殴り気合を入れ、覇気を取り戻した声で言う。


「軍師殿、失礼した!よし、今からあの化け物との交戦した時の事を詳細に話す故、皆で打開策を考えようではないか!」


暗い空気が吹き飛ばされ、小さかった希望の火が徐々に大きくなり始める。

軍師が上手く仕切り、寝ずの会議が続いた。

オーク達はこの先どうなるのか、今はまだわからない。

しかし闇は確実に近づいていた。

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