謎と戦争する日5
謎の生物は自分に刺さっている矢を抜いた後、身じろぎ一つせずに回復に努めていた。
次の日、ある程度回復した謎の生物は森の中を駆けずり回り、魔物を倒してレベルを上げ、進化できるまでになった。
普段ならば進化する前にステータスを確認し、進化前と後がどれくらい変わってるか見比べていたのだが、怒り狂っているためかレベルが50になった事だけを確認すると進化し始める。
そして進化の影響で眠りにつく謎の生物。
夢の中、謎の生物は何度も何度もオーク達に攻撃され、貶められ、そして殺される…。
3日が経ち、ようやく目覚めた謎の生物。
その間、謎の生物の周りには生物は一切近寄らず、生えていた木々は枯れていた。
目が覚めた謎の生物はステータスを確認する。
名前: 空欄
種族: 魔物?
レベル: 0/70
HP : 520/520
MP : 238/238
SP : 137
[筋力] 245
[魔力] 128
[敏捷] 360
[ ? ] 118
[スキル]
<触手LvMax> <吸収LvMax> <大食いLvMax>
<経験吸収Lv5> <限界突破Lv2> <高速吸収Lv1>
<次元胃袋Lv1> <炎操作Lv1>
[?スキル]
<謎の人格3>(<肉体操作LvMax> <吸血LvMax>
<吸血魅了Lv6> <触手変化Lv4>) <謎の魔眼>
[称号]
異世界から来た謎生物 恐怖の権化
絶望を創りし者
(………)
いつもならば鋭い突っ込みをこれでもか、というぐらいの勢いで叫んでいる謎の生物だが、今回は怒りのためか押し黙ったままだ。
(……魔物?って種族じゃなくて種類だろが………。)
ボソっと突っ込む謎の生物。
やはりどうしても我慢が出来なくなったのか、小声でボソボソ言い出し始めた。
(……さりげなく称号変わってんじゃねえよ……。)
(結構、冷静ですね。)
(そんなわけがあるか!!…これもすべてあの豚共のせいだ。)
(…そうですね、では行きましょうか。あの糞豚野郎共に絶望の味をたっぷりと教えて、挽き肉にして差し上げましょう……ふふふ。)
(……)
暗く冷たい声で告げる<謎の人格>に何も言えない。
実は一番怒っているのは<謎の人格>なのかもしれない。
この時だけは怒りを忘れ、恐怖に身を震わせる謎の生物だった。
(ですがその前に、準備だけは念入りにしておきましょう。数だけは多そうですからね。それに貴方も身体が進化して変わっていますから、慣れるために少しは時間が必要でしょう。)
(今すぐ行きたいが…こればっかりは仕方がないな。
返り討ちにあったら元も子もないからな。)
(ええ、そうですね。念入りに準備をして効率的でなおかつ効果的に恐怖と絶望を味あわせるのです……ふふふ…あははは!)
怒りで狂いかけている<謎の人格>に震えが全く止まらない謎の生物。
少しオーク達が可哀想に思うがそんな同情はいらない、と再度怒りの炎を灯す。
(あはははははは!!!)
暗き森に笑い声が響き渡る。
もちろん聞こえはしないのだが…しかし、この日を境に、森の中からありとあらゆる生物が逃げ出し始める。
逃げている動物や魔物もなぜ自分が逃げているのかもわかっていないだろう。
なぜ、何から、様々な疑問を抱えながらも足を止めない、いや、止められない。
本能で分かっているのだ、ここに居れば危険だと…。
絶望の日はもう間も無くやってくる………




