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謎と戦争する日1

<謎の人格>による矯正の旅が始まって一月が経った日の朝、謎の生物は森の中を歩いていた。


(本当に最近の俺はおかしくなっていたな!)


(無事に元に戻って良かったです。)


わざと深手を負わせたり、兎の血を飲んで自分の血が不味い事を理解させたり、色々な事をしてようやく元に戻ってきた。


(じゃあ、昨日言っていたとおり北に向かうって事でいいな?)


(問題ありません。)


実は昨日の昼頃、またもや人間の集団が現れたのだ。

その数は以前よりも遥かに多く、100人は優に越えていた。

そして人間の装備なども様々だった。

騎士風な者、冒険者風な者、巫女の格好をしている者までいた。

その人間達がマンモスの死体付近まで来ていたのだ。

そのためここから離れる決断をし、移動することにした。

ちなみに北というのは人間達が来た方角が、陽が昇ってくる方角ということで東と仮定しての判断だ。

西は生まれた場所なので却下。

北と南が残り、謎の生物が気分で選んだ。

そうして森の中を北に進む謎の生物。

しかし、3時間程進んだところで問題が起きた。

またしても人間達の集団がいたのだ。

数は昨日よりは少ないがそれでも50人程いる。


(どうしよう?)


(隠れていればそのうちどこかに行くのでは?)


(そうだと良いけどな。)


そんな相談をしている時、波動を感じた。

風ではなく、空間が揺らめいた感覚。

不思議に思いながら人間達を見つめていると、人間の一人がこちらを指差し叫んでいる。

その瞬間、すべての人間達の目がこちらを見た。


(おい!バレたっぽいぞ、どうするよ!?)


(南には昨日の人間達、東はおそらく人間達の国が、そうなると逃げれるのは西しかありませんが、戦うと言う手段もありますよ?)


(そんな怖い事できないよ!あんなにいるのに負けるに決まってるじゃん!)


(少しだけ戦い、無理そうなら西に逃げましょう。

貴方の足ならば逃げるのはそう難しくありません。)


(分かったよ。でも少しでも危なくなったら逃げるからな!)


結論が出た時には人間達が戦いの準備を済まして何人かは弓を引き絞りこちらを狙っている。

距離は100m程開いているがこれ以上近づけば避けられないかもしれない。

謎の生物が木を盾にしながら進もうとした時矢が放たれる。

謎の生物は見た。

矢が木を避けながら飛んでくるのを。

必死になって逃げるも、翼と右後ろ足の付け根付近に矢が刺さる。

謎の生物は痛みと、魔物とは言え何もしていないのに攻撃された理不尽さに沸々と怒りの感情が込み上げる。

そこである決意をする謎の生物。

おかしくなっていてまだ一度も使っていないスキルを使う事を。

もしかしたら即死の効果があるかもしれない、しかしこれは正当防衛だと思い込み、人間達を3つの目で見ながら心の中で叫ぶ。


(<謎の魔眼>発動!!)


謎の生物の額にある第3の目が紫の光を放つ。

効果は劇的だった。

50人程いた人間達がふらふらと足が覚束なくなり倒れていったのだ。

人間達は意識はあるものの皆ふらついていて立ち上がれない。


(よく分かんない効果だけど危機は去ったかな?)


(まだ意識はありそうなので油断はしないでくださいね。)


(とりあえず矢を抜くか。本当は駄目なんだろうけど俺を治療してくれる人なんていなさそうだしな…。)


痛みを堪えながら触手で二本の矢を引き抜く。


(いってぇぇー!!くそっ、なんで俺がこんな目に…。こいつら絶対許さねぇ!)


謎の生物は込み上げてくる怒りと共に人間達の元に歩いて行く。

人間達はなんとか逃げようとするが体がうまく動かず、地面を這うだけだった。

そんな這っている人間の一人、女冒険者らしき人物を謎の生物は踏みつける。

周りには男がいるのにも関わらず、わざわざ女を選んだ謎の生物にはまだまだ余裕がありそうだった。


(ふむ…。近くで見たら何か分かるかと思ったんだけど、<謎の魔眼>の効果はよく分からんな。)


(これは…)


(何かわかった?)


(恐らくですが…泥酔状態だと思います。)


(は!?魔眼の効果が泥酔って…ショボすぎるだろ!)


(そうとは限りません。見た所、何人かは意識を失っています。意識を失っていなくても視界が定まらず体の自由が利かない状態にするというのは非常に強力です。)


(うん、まぁ…そうなのかも知れないけど、何か納得できないよな…。)


(とにかく今はこの人間達をどうするか決めましょう。)


(そうだな。取り敢えず血を吸って体力を回復させよう。その後は、やられた分の仕返しをしたら逃げるとするか!)


謎の生物は踏みつけている女冒険者の首元に触手を刺し血を飲む。

その時に<吸血魅了>を発動させるのを忘れない。

森の中に艶めかしい声が響く。


「あっ…!」


(これか?これがええのんか!?ぐへへ)


50人程いた人間達の中に女が7名程いたがすべて謎の生物の毒牙にかかっていった。

当然、吸血しただけだ。

そして一通り楽しんだ後、謎の生物は森の中に歩いていく。


(いやー人間の血ってうまいのな!初めて知ったよ。今なら物語なんかに出てくる吸血鬼の気持ちが分かる気がする!)


謎の生物はこの日人間の血の味を覚え、そして人間達は怯えた。


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