西遊記〈下〉
もしもしもしの物語〈西遊記〉完結です。
どうぞはすぽてワールドを楽しんでください(・ω・)
はぜろリアル!!!
岩山をこえると大きな草原が三像一行の目の前に広がった。
「なんとかぬけれたみたいだな」
三蔵が荒々しい声をあげる。
三蔵が一歩草原の中に足を踏み入れると、
ザザザ バササ ザバ
草むらの中から30~50の人が出てきた。
そして一人の男が名乗り出る。
「私の名はネイチェル=フットロビン、ジャスティス最高幹部の一人である!」
そう男は名乗ると、護衛の2匹は『何のことだ?』という顔をしたが、三蔵だけは眉をひそめ男を睨んだ。
「それでそのジャスティスさんとやらが俺に何のようだ?」
「とぼけるな!貴様の企んでいることは知っている!もういいぞ!」
ネイチェルがそういうと三蔵の後ろで黙っていた護衛の一人がネイチェルのもとにいく。
「チッ…豚かと思っていたらネズミだったようだな…猪八戒!?」
そう、猪八戒が何らかの情報をジャスティス渡してこの状況を作り上げたのだ。
「すみません、ですがもともと僕はジャスティスのメンバーとしてあなたの護衛ではなく監視役だったので…でもまさかあなたが、あの古代兵器、天竺を復活させようとしているとは思いませんでしたよ。
三年前、世界を炎に包んだと言われる、最悪最凶の兵器…天竺、あの事件のせいでいったいどれだけの人が苦しんだかわからないんですか!?三蔵あんた何であんなものを復活させようと!?」
猪八戒は三蔵に怒鳴ると三蔵は顔を手で押さえ
笑った。
「アハ、アハハハ…お前ら本当にのんきだなぁ、天竺が三年前の世界爆発事件の正体ってのがわかってんのに、俺を野放しにしすぎだぜぇ警察ごっこくんたちよぉ…これはもしもの話だとおもってくれてもかまわねぇ、世界を炎に包んじまうようなエネルギーを自由に操れたらどう思う?」
ネイチェルがそれをきいて言った。
「まさか!?三年前の事件の黒幕は…お前だったというのか三蔵!?」
三蔵は笑うのをやめ、殺気をまとった目で話し出した。
「三年前の天竺は失敗作だった…器となる人間が弱すぎたんだ…それであんな惨劇を生んでしまった…だが今回は違う!!!俺はこの三年…器となる者を育てた…それがお前だ孫悟空!!!!!」
三蔵は孫悟空に指を指した、
孫悟空は状況を飲み込めていなかったみたいだが、やっと状況が理解できた。
三蔵が両腕を空に向かって広げる。
「長かった…余りにも長すぎた…孫悟空…テメェの経験値稼ぎをするためにわざわざ喰えば不死になるなんていうデマを流して妖怪どもを集めたんだぜ!ただの人間を喰って不死になれるんだったら俺も苦労しねぇっての!?そしてようやく俺の野望も叶う!」
「貴様どこを見ている?ここにはジャスティスの兵が50人いる!貴様に逃げ場なんてないぞ!!!」
三蔵は腰からナイフと銃を取り出した。
「逃げる?どっちがだよ…」
三蔵が踏み込もうとしたときカッパが胸ぐらをつかんだ。
「どういうことだよ三蔵!?天竺は理想郷じゃなかったのかよ!?」
カッパはただ一人この状況を理解できていなかったのだ。
いや、嘘だと信じたかったのかもしれない。
この三年間の旅を無意味にしたくない、その感情がカッパを現実から背けさしたのだ。
「理想郷さ…俺にとってのな…」
『ビュグス』と生々しい音がした。
カッパの腹にはナイフが刺さっていた。
「え?そんなの…ありか…よ?」
ビュグと生々しい音をたて長らくナイフを引き抜く三蔵。
それを見て孫悟空が魔法陣を作り出し叫ぶ。
「聖剣エクスカリバーフォート…」
だが魔法陣はすぐに消えてしまう。
「おいおいなに不思議そうな顔してるんだよ?お前の対策はもうすでにしているっての!お前の頭に着けた輪っかがただヘアアクセサリーとでも思ってたのかよ…ああ!?それはお前の能力を一時的に封印するものだよ…」
「クッ」
それを聞いてネイチェルが部隊に命令を出す。
「総員、孫悟空を守りつつ三蔵を殺せ!!!!」
三蔵に向かって大量の兵が押し寄せてくる。
「さぁ…祭りの始まりだ!!!!」
ーーーーーーーーーー
「ん…ここは?」
「気づいたか!カッパ」
孫悟空の声がした。
カッパの目の前には孫悟空とネイチェルが立っていた。
「俺はたしか三蔵に刺されて…ハッ!三蔵は!?ッツツツ…」
「あまり無理をするな。応急処置はしたがまだ動けるような状態じゃない。」
「三蔵はどうなったんだ?」
ネイチェルが首を振り指を指す。
「見ろ…ここはもう戦場だ…50対1の圧倒的有利に思われた戦いがあれだ…」
カッパはネイチェルの指さした方を見るとそこはまさしく戦場であった。
50人を相手にして一歩も引かない三蔵、いや、三蔵は引かないどころか無傷だった。
三蔵についた血は全てジャスティスの兵達の返り血だった。
「あまちゃんなんだよどいつもこいつも!!!」
ダダダダ、ズバッ…
『ギャー』
『この化け物め!グワ…』
「塗るいっていってんだろ?ああ!?」
『ヒィイ…た…たすけ…ギュア…』
ビシャッ、とまた草原に赤い花が咲いた…
ネイチェルのもとにジャスティスの兵が一人走ってくる。
『ネイチェル様、兵の3割がやられました、いかがいたしますか!?このままでは全滅もありえます!?』
「くそ!!!奴の戦闘力を見間違えたか!?奴は不死身か!?」
ネイチェルとジャスティスの兵が会話をしているとカッパが気だるそうに立ち上がりいった。
「奴は…三蔵は天竺の加護を使っている…まずはそれを破壊しないといけない…」
「天竺の加護?」
「ああ…器となる人間が必要らしいが、それは孫悟空だろ?天竺はもう孫悟空を器にするだけで完成すると三蔵はいっていた…なら天竺の核となるそのエネルギーはどこにある?」
「そういうことか!三蔵はそのエネルギーを使って身体能力を上げているのか!!」
「御名答…完全ではなくとも世界を焼いちまうようなエネルギーだ…1割も使えたら十分俺たちを始末できるってわけだ…」
「それで天竺の加護をどうやったら破壊できる!?」
「俺がやる…俺は一度それらしきものを三蔵がつけているのをみた…奴の首飾り…きっとそれが天竺の核だ…」
カッパが戦場に向かおうとすると孫悟空がそれを止めた。
「この傷で行けば死ぬぞ!?」
「大丈夫だっての…生命力には自信があるし…」
「お前が行かずとも!?」
「誰がいくんだ!?今のお前は能力が使えない!!!俺しかいないだろう!?」
カッパは孫悟空に怒鳴りよろよろと歩くと孫悟空が弱々しい声で言う。
「俺が…俺が死ねばこの戦いも終わるんじゃないのか?」
『バゴッ』音とともに孫悟空が吹き飛ぶ。
ズザザザ…
カッパが孫悟空を殴り飛ばしたのだ。
「何をするんだ!?」
「ふざけんなよ!?お前が死んだら俺の目覚めが悪いんだよ!!!なに勝手に諦めてんだバカ!!!」
「だがその傷では…」
「うるせぇ…俺はいく…お前が死ぬのは勝手だ…だけど俺はいくからな!俺はこの傷分ぐらいは三蔵に目にものみせてやらねぇと気がすまねぇし…」
カッパは今行けば自分が死ぬとわかっていた。
だが何もせずにただこの戦いを見ているのはカッパにとって死よりも恐れることだった、必要とされない自分。それを変えるためにカッパは旅をしたのだ。
なのに自分が必要とされているときに動けないなどカッパにとっては死を意味する。
「必ず天竺の加護を破壊してくる…」
カッパが戦場に向かおうとした時。
「待て、私も行こう!」
声の主はネイチェルだった。
「一応これでもサポートぐらいならできるはずだ。」
「へへ…ありがたい…頼みますはジャスティスの幹部さん…」
そういい二人は三蔵の元に向かった。
孫悟空は自分の無力さを恨んだ。
初めて三蔵にあったときお守りといわれつけられた頭の輪っか、これがこのような結果を生むとは。
能力だけではなく身体能力もかなり下がっていた。
歩くのもやっとというまでに身体能力が低下していたのだ。
だが孫悟空はカッパとネイチェルのあとを追った。
自分のために皆が戦っているのに、なにもできないのは嫌だった。
だから孫悟空は二人を追って戦場に向かったのだ。
ーーーーーーーーー
カッパとネイチェルが三蔵の元につくとそこは、緑の草原ではなく、赤い花を咲かせた…花畑であった…
ジャスティスの兵はほとんどが全滅していた。
たっているのは猪八戒と5人の兵。
「随分と遅かったじゃん…」
猪八戒がか細い声で言う。
猪八戒を見ると、彼の左手は無かったのだ。
「お前!?」
カッパがそういうと猪八戒がため息をした。
「ちょいとしくじっちまいまして、孫悟空は安全な場所に避難させましたか?」
「ああ…それは大丈夫だ…」
「カッパ、あなたも随分と深手を負っているようですが足を引っ張らないでくださいよ?」
「お前ほどじゃねぇよ!」
二人でそう話しているとネイチェルが何かを唱える。
「私を忘れるな!今お前たちに治癒魔術の一種をかけている。一時的だが傷の痛みが和らぐはずだ。」
「「ありがとう!!!」」
二人でそういうと三蔵に向かって走った。
「三蔵は天竺の加護を使っている!それを破壊すれば俺たちの勝ちだ!猪八戒少しでいい三蔵の隙を作ってくれ!」
「わかりました。」
ジャスティスの最後の兵が倒れた。
三蔵はこちらを見て笑う。
「お前らを始末したら、後は孫悟空だ!!!さぁ…ラストバトルといこうか!!!!」
猪八戒が三蔵にむかい拳を撃つ。
『八式の型、爆酸!!』
ドゴォォン、
猪八戒の拳の周りが爆発した。
だがそれを含め三蔵はかわしたのだ。
拳が爆発するのを見てから、今の三蔵は音速の早さにも近い速度をだせる。
「遅いっての!!!」
三蔵がそういうと爆風の中からカッパが飛び出してきた、そして三蔵と距離を積め胸元の首飾りに手を出そうとしたとき、
『ビュグス』一度聞いたことのある音が聞こえた。
三蔵は左手でもっていたナイフをカッパの腹に突き刺したのだ。
「あぐ…ああ…ぼへ…うっぐ!!!」
カッパはその刺さったナイフをさらに自分の腹にえぐらせて、三蔵との距離をちじめた。
「こいつなに考えてんだ!?」
「うおおおおおお!!!!」
カッパは三蔵の首飾りを握りしめ、引きちぎりそれを砕いた。
「貴様何を!?」
三蔵はカッパの腹を蹴り飛ばしナイフを抜いた。
「ごほ…おえ…ぎゅふぃ…ああ…」
地面に血塗れではいつくばるカッパに三蔵が近寄る。
「よくもやってくれたな!?ああ!!?」
猪八戒が後ろから三蔵に向かって飛びかかる。
「これでお前も終わりだ三蔵!!!」
三蔵は後ろを見ることなく猪八戒を片手で叩き吹き飛ばす。
ドゴォォン
地面めり込む猪八戒。
「ああ…あぐ…天竺の…加護が…消えて…ない!?」
「もう少し遊んでおこうかと思ったがおしまいだ!まずは貴様からだカッパ!」
三蔵が銃を構えて撃とうとしたその時、三蔵目掛けて巨大な光る槍が飛んできた!!!!
ヴィユオーー
「!?」
三蔵はそれをかわし、槍の飛んできたほうを見るとそこにはやつがったっていた。
「またせたなみんな…」
孫悟空だ。
あの首飾りは天竺の加護ではなく孫悟空の能力を封印する輪っかのものだったのだ。
「ネイチェルさん二人の応急処置を頼みます、俺はこいつを、」
「わかった。」
三蔵がナイフを構える。
「まさかこんなメンドクセーことになるとはなぁ、」
「覚悟しろ!お前に自費はない!」
孫悟空は魔法陣を空中に作り上げた。
それも今までのとくらべ格段に大きい魔法陣をだ。
「一撃だ…一撃でお前を葬る剣だ…」
「一撃?ふ…当たるかなぁ~俺にさ…」
ボト…ポタポタポタポタホ…
「あ?お…俺の腕がぁ!?」
三蔵のナイフを構えてた腕が落ちた…
三蔵の目の前にいたはずの孫悟空はいつの間にか三蔵の後ろにたっていた。
「これが俺の最強の剣…聖滅剣エクスカリバーフォートレスマグナムゼロ式アンリミテッドディザスティアジ・エンドだ!!!!」
「あが…孫悟空ぅぅぅ!!!!!」
「終わりだ…三蔵…ヴァーミリオンエクスカリバー!!!」
三蔵の腹に大きな風穴があいた。
「ゴバァァ…」
地面に倒れ込む三蔵。
急いで猪八戒とカッパの元に駆け寄る孫悟空。
「大丈夫か二人とも!?」
「なんとかネイチェルのおかげで助かった」
「左手は失ったが命はある…」
ネイチェルがやつれた顔で倒れている。
「どうしたんだネイチェル?」
「治療魔術というのはかなり体力を使うんだ…それでこの有様だ…だがこれですべて終わったな…」
ネイチェルがそういうと、
「まだだ!まだ終わらんぞ!!孫悟空!!!!!!」
三蔵が立ち上がった。
「バカな!?あの傷で!?」
「俺の身体を天竺の器にして核爆発を起こし世界をもう一度炎で包んでやる!!!!先に地獄で待ってるぞ!!!!」
三蔵はそういうと姿を変えていった。
丸い水晶玉に姿を変えた。
「あれが天竺!?」
ネイチェルがいった。
ここまできてすべてが終わる。
50人の兵の犠牲で世界が救われようかとしていたこの時に、圧倒的絶望が押し寄せた。
「嘘だろ…せっかく助かったのによぉ…ありかよそんなの…」
「な…んだと…」
「いやだぁ…こんなとこでぇ…」
誰もが弱音をはいた…だが孫悟空だけは黙っていた。
希望のあとにくる絶望。
それにたいして孫悟空だけは冷静だった。
「俺ごとあの水晶玉異空間に飛ばす…」
「異空間に!?いったいどうやって!?」
カッパがそういった。
「武器を出すのと逆のことをする」
「でもそんなことをしたらお前が?」
「悪いなカッパ、お前に救われた命、こんな使い方しかできねぇや…」
「何でお前が犠牲にならなきゃ!?」
「ほかに方法がないだろう!?それに俺のせいで50もの人が死んだ…」
「あれは三蔵が!」
「俺が殺したも同然だ…その罪を今償う…この命を使って…」
孫悟空が水晶玉に手をおくと足元に魔法陣が作られる。
「カッパ…金使いすぎんなよ…カジノは程々にな…」
「…悟空…」
「猪八戒…酒の飲み過ぎには気をつけろよ…酒は飲んでも?」
「飲まれるな…わかってますよ悟空…」
水晶玉が赤く光り出した。
ネイチェルが言う。
「天竺が爆発するぞ!」
「最後にカッコつけすぎたかな…三蔵…俺は正直お前に感謝もしているんだ。お前が俺を見つけてくれなければただただ意味のない人生を生きながらえていた、世界中の生命とはいえないが俺が一緒に地獄に行ってやるよ…」
孫悟空の足元の魔法陣が光り出す。
「お前らと出会えて良かったよ!この三年間の旅…悪くなかったぜ…それじゃ…またな…」
「「ごくうぅぅ!!!!!!」」
シュン
魔法陣の中に孫悟空と水晶玉が消えた。
ーーーーーー
世界は孫悟空と言う名の一人の英雄によって救われた。彼は自分の命と引き替えに世界を守ったのだ。
あれから猪八戒はジャスティスを止め世界を旅した。
緑の戦友とともに…
飢餓や貧困に苦しむ人々を助け、悪事を働くものを罰し、自分たちにできることを精一杯にやった。
そしてある場所へと訪れた。
ーーーーーー
「ここであいつと初めてあったんだな…」
「初めてあった時は随分と怖い顔をしていましたね。いまでも彼のことはよく覚えています。」
「忘れるわけないだろうが…」
そういい二人は岩に花を添えた。
「ありがとう…あなたにもらった命…必ずやこの世界のために…」
『なにしけたつらしてんだよ猪八戒?』
その声を聞き驚いて二人は後ろを見た、そこには…見覚えのある奴がいた…二人の恩人であり、世界の英雄が。
「だって…うっぐ…いや…なんででしょう…涙が…止まらなくって…」
「だにないでんだよ…うう…」
「あなたも…泣いてるじゃないですか…」
二人は英雄に飛びついて泣きながら笑った。
「「ごぎゅうう!!!!!」」
『うわ!どうしたお前ら!?』
これは少し変わった昔話。
もしもしもしの物語。
ーーーーー西遊記ーーー
ーーーーーー完ーーーー
いかがでしたか…ストーリーが雑になっているところもかなりありますが、読んでくださりありがとうございます。これで完結ですが感想などあれば是非お願いします(・ω・)
悪口意外なら是非ウェルカムです。
できればほめてほしいです(。・・。)チラ
最後はあつかましかったですかね(^。^;)
読んでくださり誠に感謝しております。(≧◇≦)




