回答者・カルロ&ダニエル3
どうも。ティータイムのメリーです。
お茶ではなく、白湯を少しだけですけどね。
胃に送り込まれたお芋と豆に、水分を与えるわけにはいけません。
苦しい。
「_それで?カルロから見て、行商人さんはどんな人?」
お、お母さん!何ですか突然!
__回答者カルロ&ダニエル
「いやご飯終わったし。いっかーって」
ノリが軽いです。そして食後の話題には重いです!
「さぁ?告白はやめた方がいいと思うけど」
「あらまぁ、そっけないわね。カルロはお姉ちゃんがお嫁に行っても構わないの?」
そうじゃないけど、なぁ。
モゾモゾと決まり悪げに弟と目を合わせるカルロ君。
はわぁ、可愛いですねぇ。
普段は冷静なカルロ君ですが、注目されると、そばかすが浮かんだほっぺがほんのりと染まるのです。
うんうん。
もしかして、お姉ちゃんがこ、恋をしちゃったから寂しくなっちゃったのでしょうか?
「__正直、ドン引きしてるから、
さっさと終わらして欲しいのが本音だけど、
建前としては邪魔せず見守りたいかな」
本音と建前の順序が逆ですカルロ君!
そして本音と建前は同時発表しないで下さい!
「僕もお兄ちゃんと一緒かなぁ」
ブルゥータス!
いやいや、ダニエル君はお姉ちゃんの告白を応援するって言ってくれてたんじゃ、
「告白の相談をするのは構わないけどさ。普通、同年代の女の子同士でするものじゃないの?
話を聞いたら、村中どころか王都の人も知っているようだし、それって、
はっきり言って、商売の邪魔じゃないかな」
おや?
胸に何か刺さったぞ?文字が書いてあるな読んでみよう。
<お姉ちゃんに届け!これが正論そして世論>
グサァァァ!深く刺さってきたぁ!
建前を下さい!この傷を防ぐための、嘘で塗り固めていいから救済の一言を下さいぃ
「ダニエル、行商人さんが迷惑に思っているかどうかなんて、僕らにはわからないだろぅ?想像で言っちゃだめだ」
カルロ君。いつも冷静なカルロ君。
お姉ちゃんは今、お胸に空いた穴から「夢」や「希望」がはらりハラハラこそげ落ちてゆくのを抑えるのに必至です。
おや?どうしましたか二人して。
それぞれに私の手を握って、とてもいい笑顔ですね。
素敵な言葉をいただけるのでしょうか。
ちょっとドキドキです。
「姉さん、行商人さんは手紙で謝ってくれたんだよね?きっとこう書かれてなかった?絵の件で、巻き込んでしまって申し訳ないって」
そうです!とても謝って下さいましたよ!優しいです!
ところで私の右手側のダニエル君。
全体重でぶら下がられると少々重っ
「きっとこうも書かれていたはずだよ
『絵の所有権を主張するガンレット子爵側とはこちらで対応するので、
何も心配しなくていい』とかさ」
そ、そうですね。思いやりに溢れたお手紙でした…左手を押さえたカルロ君。
椅子に座った状態で二人にぶら下がられると、肩が抜けそうなのですがっ
「手紙をもらってから、そわそわして、告白しようとか思いついたんだろうけどさ」
あとあと、嫌なドキドキがするのですがっ、
「姉さん、優しくて思いやりに溢れたその手紙さ、謝罪文の後はただの『事後報告』だよね?」
い、いや、
「『終わった事柄についての報告事項』。だよね?しかも、絵の件がメインの」
いやにゃぁぁ!聞きたくないですっ
耳を塞がせてぇぇ!
おーもーいぃっ
「キャハハハハ!」
「大丈夫だよ姉さん!ただの報告文を文通みたいに勘違いして返事出してたって、まだ告白してないからセーフだよ!あっはっはっ!」
いやゃぁぁ!重いぃぃ!うにゃぁぁ!
「__仲の良い兄弟で嬉しいわぁ」
ふんがぁぁっ!
※カルロ&ダニエル君はお姉さんへの手紙を盗み見なんてしていません。
メリーが音読していただけです。