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フェゴールとファッキンファンタジー  作者: 伊左坂ぐうたら
第1章 また来たよ、ファンタジー世界編
2/29

初めまして? それともお久しぶり? フェゴールは相変わらずですw

※登場人物紹介(その1)

※既読の読者様、これからもよろしくお願いします。初めての読者様、ちょっとアレな作品ですが、読み進めていただけたらとてもうれしいです。

※もし感想が頂けたらとてもうれしく思います。ただ、スーパーブラックな仕事をしている都合上、勤務中はパソコンを触れないため、返信が遅れます。ご容赦ください。

 やー、皆さん、こんにちは。

 自分、ベルフェゴールと言います。悪魔やってます。

 はい、悪魔です。

 何か困りましたか? あー、くまったくまった……何でもないです。

 さすがに今のご時世に、大昔のガリ版みたいなのに出てくる黒っぽいピエロ姿にツンツンした尻尾……な姿はしてませんよ。キチンとスーツ着てます。まぁ、バカみたいに目立つ黄色いスーツに殺し屋みたいな黒い革手袋をはめ、音の立たない革靴を履いてますけどね。職業ですか? ご想像にお任せします。

 そうそう、自分の名前ですが、一度聞いたぐらいでは恐らくほとんどの人が知らないと思います。ですが、何のバグか因果かで知っていたら流石です。

 プチ悪魔通を名乗っても良さげだと思います。

 一応、そういう称号がありますので、もし欲しければうちの執事に一言お願いします。

 まぁ、誰も欲しがった人、いないんだけどね。


 あー、そうそう。

 せっかく『執事』という言葉が出てきましたので、紹介しとこかね。


「イサカです。フェゴール様の執事を務めさせております。お見知りおきを」


 金色の天使・イサカとの出会いは、その昔、自分が追われていた頃にまで遡る。

 初めて出会ったとき、闇夜の中だというのに太陽を思わせるまぶしい後光に両目を焼かれたが、両目を失ったことに気付かないぐらい、凝視していたことを思い出す。つまり、一目惚れをしていたのだ。

 だからといって、すぐに彼女にできたわけでもなかった。

 当時は空からの襲撃者たちと対等に渡り合える武器を持っていなかったため、逃げに逃げて、イサカたち天使たちの存在を認めない、江戸と言われていた当時の日本に転がり込んだ。身体を癒し、これから先のことを考えていた頃には江戸が倒れて別の政府ができ、ふとしたきっかけで銃器と出会い、様々な知識を学んだ後、日本を離れた。

 ちょうどロシアと戦争をしていて、その頃、風の噂で『ロシアの至宝とまで言われた天才射撃手』の噂を聞いていた。

 噂を確かめたかった。実在しているのなら何が何でも弟子入りして射撃の腕前を上げれば、次に彼女が来たときに返り討ちできる可能性も高まることにもつながるからだ。

 少しばかり遠回りをして、モナと一緒にアメリカへ渡り、ベガスの砂漠のど真ん中でようやくイサカを仕留め、射止めることに成功し、今がある。


 え? ベガスの砂漠のど真ん中で決着をつけた理由?

 オアシスで、昼間から堂々とモナといちゃついてたらいつの間にかイサカが現れたから。

 他にも部下の天使を大勢連れていたねぇ。

 その頃にはこちら側にも『銃』というベストパートナーに巡り合えて、ようやく対等に、いやそれ以上にあっさりと取り巻きの天使たちを殲滅したっけ。銃の、天使の翼を素早く撃ち抜けられる威力あってこそだね。


 その後、ひとり残された金色の天使だが、動じる様子はなかった。

 戦って解かったことだが、むしろ仲間のいないボッチ状態の方が強かった。後日知ったことだが、イサカは別名『死の天使』として悪魔はもとより仲間のハズの天使からも恐れられていた。何故なら、イサカが彼らの目の前に現れるときという状態は、『お前をここで死刑執行するぞっ』と言っているのと同じ意味を持つのだから。

 よって、思わぬ返り討ちに遭い、今までの自分に対する執拗な仕打ちから滅ぼされるのもやむなし……と覚悟していた彼女をプロポーズをしたとき、それはそれはすごく白い目で返された。時が止まった、とも言う。


 その後は、犬もモナも食わぬ言い争い……というか、


(惚れたから彼女になって)

(さっきまで殺し合いをしてたのに意味が解らない。ダメだ)

(やー、一目惚れなんだよ、両目を焼いちゃったけどさ)

(だったらなおさら敵を許すとかあり得ぬ)

(理屈じゃないんだよー、愛は。そうだ、エッチしようぜー)

(死ねっ)


 といった、一晩中続いた痴話げんかにまで発展した。

 今にして思えば、この時点でフーフ確定じゃね?

 それでも夜明け前の朝日をともに迎えて、心を打たれたからかこつんと触れたガントレット越しに自分の手を思わず重ねたときの、ふくれっ面だったけど渋々認めてくれた際にうっすらと流れた涙のしずくは今でも忘れられない。


 まー、そのあとモナの存在で一悶着あったけどね。

 いつものあのドス黒オーラとね、はじめての一波乱とか……。


 おっと、そろそろ思い出から現在へと戻ろうかね。





 イサカは頭を下げたあと、サッとどこかへと去ろうするので呼び止めた。


「何か?」


 何故か妙に不機嫌だ。


「やー、何かせんないかん急な仕事があるの」

「いいえ。品質管理のチェックをいつものように見回るだけですが」

「だったら、今回は自分と一緒に行動せんけ?」


 するとイサカ、不機嫌面がコロリと治ったと思ったら、人の額に手を当ててきた。今の季節、ノロやインフルやで人間さまは大変だけど、悪魔には病気は関係ないんだが?


「一応です。バレンタインのチョコが当たったのかと思いまして」


 おいおい、チョコ当たりとか聞いたことないぞ。

 あ、ここでいうことかどうか悩むけど、チョコレート美味しかったです。


「当然です。フェゴール様もあの後、普段以上に頑張れたでしょう?」


 チョコの感想は正解だった。

 イサカがイタズラっぽい視線を送るとかレアなリアクションをしてきた。


 それと、やっぱり入っていたのか、精力剤。ちなみに中身の詳細をkwsk!

 残念ながらイサカは口許に手のひらを当てて上品に笑ってごまかした。

 持ち前の尋常ならざらん嗅覚によると、ニンニク、すっぽん、マムシは確認できている。個人的興味はこの癖の強い材料を美味しいチョコに仕立てた出来栄えである。

 何を混ぜたら、あの独特の風味がかき消されたのだろうか。謎だ。


《フェゴール、魔法の使えないあなたは知らないだろうけれど、臭いを消す魔法があるのよ》


 と自分の左脳から念話テレパシーが語りかけた。

 優しい語り口で教えてくれる声は、前の世界で吸収した知識を司るブドウの木である。


《お前が最近読んだラノベにもあった、生活魔法というやつだ。もう少し記憶しておけ》


 今度は右脳が語りかけてきた。コイツは力の使い方を司るリンゴの木である。


《ちょ、おま、我のときはコイツとか扱いひどくね?》


 右脳からの意見は無視して、左脳との知識のやり取りをすませる。


「消臭魔法ってアレだな。アレのあと、シャワーはいる暇がなかったら便利ぶへらっ」


 何故か、イサカに思いっきりぶん殴られた。


「おいおい、何で自分殴られるかなぁ?」

「人前での下ネタはあまり誉められたことではないのです、わが主さま。

 もう少し人の上に立つ者として、ご自分の言動に気を使ってください」

「そのためには殴っても良いのか?」

「教育の名の下ならば」

「よろしい、ならば一週間(8日)後の夜の特訓でこちらも応酬させてもらおう」

「ま、……まさか、アレ以上の何かをなさるおつもりですか」


 夜の特訓と聞いて頬をみるみるうちに赤らめるイサカ。うん、カワイイ。

 ふと、バレンタインの夜、並み居る7人を相手にじゃんけん勝負で打ち勝ち、その赤らめた頬とたどたどしい仕種で自分のベッドの横に転がり込んだ時を思い出した。


 ふと目が合うと、イサカはイサカであの日の晩を思い出してヤンヤンしている。

 相思相愛? まぁ、それはともかく……


「ある神様をまつる国のエロ本『カーマスートラ』と比べたら、前回の行いなど、まだ初手の初手。エロの道は大きく、深いのだよ」

「すごく……おおきい……のですか?」

「うむ。お主なぞまだレベル2ぐらいじゃのう。ワシは10じゃ。ナハハハ」


 イサカの興味津々な上目遣いが気に入らなかったのか、急な横やりが入った。

 視線を落とすと幼女が自分に対し小さな身体を惜しみなくぶつけてアタックしてきた。


「モナ、せっかくだから自己紹介してみようか。ちなみにカメラはあそこだ」

「おーおー、ホントじゃ。どこへ向けて発信されとるか知らんが、見せつけちゃろう」


 とモナにカメラの位置を教えるために腰を屈み、モナの顔との距離が近くなっている今をみはかったかのごとく唇を近付けてきた。

 普通の人なら【YESロリータ、NOタッチ】の信念が邪魔してせいぜいほっぺたにチューで妥協するんだろうが、そこは悪魔じぶん。【YESロリータ、YESタッチ】で頑張らせてもらいます。

 そういうわけで、カメラマン役がドン引きの長く濃厚なチューで2人の世界を創った。


 ほどなくして、カメラマン側から動きがあった。

 手持ちのカメラをいきなり投げたかと思うと、上手く自分の頭にジャストミートし、果てしないチューのベロとベロの格闘戦を強制終了させた。自分が痛がって、唇を離したからね。


「こりゃ、もう少しで未知の高みへと昇るところじゃったのに、邪魔するでないぞい」

「うるせぇ、昼間っから堂々と盛りやがって。第一、お前もお前だ、イレギュラーをすんなり受け入れるな。予定通りだったら、オレ等の紹介が終わって、中庭で真面目な格闘しているベネリとライカまで紹介が終わってるところだぞ」


 おおっと、シグの怒りが爆発した。怖い怖い。しかし、シグの背後でベレッタが背中を優しくさすっているので直に怒りも治まるだろう。


 シグの怒りが収まったところで、3人を紹介しよう。



 まずは、モナから。

 彼女は、白い肌に白髪碧眼の白ずくめの小さな見た目(自己申告によると9才)の割には大人びた口調で話す……のが主な特徴だろうか。それもそのはずで、彼女のテリトリー付近の町の住人からは【雪原の魔女】という2つ名で恐れられている幼女である。胸のサイズ? 当然、虚乳です。


 どのへんが魔女なのかというと、北国のものすごくサブいことで知られる雪原に居を構え、代々雪原に眠るとされる数多の金銀財宝を狙う者たちを次から次へとまるで魔法を使ったかのように姿を消させ、後日、変わり果て干からびた死体という姿を雪原にちかい町外れにおいてきた……という常軌を逸した実績からくる。

 何でそんなことをしていたかというと、彼女が遠い昔のご先祖様が『友』から貰った大切な宝を守る一族の出身で、人非人の所業は伝説がいまだ息づいていることへのアピールだったようで、自分と出会う機会がなかったら今もそのまま任務に就いていたかもしれない。

 というのも、当の昔にその任務を投げ出して自分の【愛人】担当になっているからだ。

 え? いったい何をしたのか……と。

 答えは【YESロリータ、YESタッチ】だ。

 干からびた死体たちは【YESロリータ、NOタッチ】だった。

 まぁ、それだけでなびくのも軽すぎるか。自分の中での憶測にすぎないが多分、2人だけのある”儀式”を終えたあと、大人の体型に憧れていたことを吐露したので、叶えてやった。こちらとしては、とある【神罰タイーホ】対策でもあったのだがすごく感謝されたのを覚えている。

 

「一粒で2度おいしいじゃろう、フェゴール」


 うむ。本来の言葉の意味とは違うが、否定できんな。

 あと最後になったが、イサカのときにチラリと語られた『天才射撃手』とはモナのことをさす。特にスナイパーライフルによる精密射撃はオトナ形態を得て以降、目覚ましいまでにスキルアップした。自分がモナのことを時々『師匠』と呼ぶが、射撃訓練の成果がまだまだだからだ。夜の訓練は負けないんだが、まー、物事には向き不向きが……ってことだろうな。


 ……おっと、殺意むき出しの蹴りが飛んできたので避けに専念しよう。



 次に紹介するのは、変幻自在の蹴り技を得意とする少女・シグだ。

 そう、さっき、自分の頭にカメラをぶつけてきた子である。

 見た目は10代前半の銀髪に白い肌の少女。胸のサイズは貧。モナと比べれば寄せる分だけはあるので、本人が気に病む必要はないのだが。

 あとは、男心を奮い立たせるフェロモンが素晴らしい。


 今の職業は自分のメイドである。以前は、殺し屋だった。

 シグのそばを離れようとしないのんびり少女ベレッタとともに、かつては自分という暗殺対象に銃口を向けてきた。戦いに自分が勝ったのをきっかけに転職させた。

 ちなみに殺し屋になったきっかけだが、幼いころから人目を引く美少女だったため、父親を含め近寄って来る男全てが不埒えっちな目的メインで、そういった何度かの【裏切り】の被害の果てに重度の男性恐怖症になり、あてどなくさまよっているところをベネリに拾われた……とか。

 まー、男側の意見をあえて言うとするなら、あのフェロモンにメロメロンになってしまうからだ。本人に指摘して以降、『体質改善』という名のプロジェクトを作り、特訓中だ。


 そういったことを前の世界にて2人でいろいろな体験を通し、信頼を得たのもあって多少は柔らかくなった。

 うん、多少。

 しつこいけど『多少』だから、『シグー、今晩エッチしようぜー』なんて軽いノリで誘っても、ごく普通に蹴られます。え? それ当たり前だって! やー、愛人担当のモナと比べるとかなりガード固いよ。

 モナは頼むと『ク・パー』してくれるよ。ありがとう、愛の女神様だよ。



 さて、3番目のメイドの子がベレッタちゃん。

 見た目は金髪の少女でシグと同い年なのだそうだ。年齢は知らんが。

 この子の特徴は『ですぅ』といったのんびり口調とご立派なロリ巨乳だね。以前はシグ同様、ガードが固かったけれど、前の世界でたまたま入手した【メシアライザー(全体完全回復魔法)】を使ってみたのを契機に、ムラムラしたときに人目のつかないところでこっそりとその巨乳をニギニギさせてもらえるようになった。というのも、回復魔法を唱える以前は顔以外の身体全域に手の施しようがない火傷の痕があったから。それがきれいさっぱり無くなったことで初めて自分はベレッタの信頼を得て、【儀式】をシグと2人まとめて美味しくいただきました。


 ん? ところどころ不安をあおるような気になる言葉が出てくるって?

 漢なら、こまけぇことは気にすんな。

 女なら? スンマセン、通報だけはなにとぞ! ご容赦を!


 まぁ、それはともかくせっかくカメラが手元にあるので、勢いよく滑りこんでみた。

 カメラの視線の先は、シグのスカートの中身だ。実は、今日、朝練恒例のチェックをしていない。

 気分は、ワンダーなモモちゃんのチラリを期待するカメコ。


「うおおおおっ!」


 無駄に元気な雄叫びを前に、シグの殺人級の蹴り技が飛びかかって来たが、さらりさらりとウナギのように回避し、ベストポジションからシャッターチャンスを取り付けた。


 グシャ!


 カシャ! じゃなくて、グシャ。

 トマトを握りつぶすかのような音が、自分の頭で再現された。

 だ、誰だ、この家の主に手を出すバカは。


 正解はベレッタでした。というのも、彼女、こういう下ネタ系を露骨にやると、カワイイ見た目に反して強力な握力で思わぬ反撃をしてくるんだ。おまけにパンチ力もヘビー級さ。当たると、痛い……というか、声も詰まるほどのけ反るでぇ。胃の中に何かあったら出てくるでぇ。


「次、シグちゃんを困らせたら、大事なところを潰しますよぉ」


 おお、さらりととんでもないことを。思わずコクコクと頷いてしまった。

 前の世界で手に入れた自己再生能力でしゃべれるようになるまで回復したのを確認してから、素直に頭を下げておいた。


 立場上では、主人である自分が一番偉いんだけど、この家に住む以上は自分以外の9人がみんなオンナである都合、ヒエラルキーというのかな、大人しく頭を下げておいた方が万事うまく回ることが多い。

 何かあった時に、一人でも多くの味方をつけておいたほうがいいしね。

 受け売りで恐縮だけど、コレ、多くの看護士さんと日頃から綿密な連携を取るお医者さんから教えてもらったんだけどね。


「イサカ、次はどこだったかな?」

「予定では、中庭で格闘戦をやっていたベネリとライカにインタビューでした」

「『でした』?」

「現在、彼女ら2人は温泉施設へと向かっています」


 温泉ですか。

 そりゃ、覗きをやるしかありませんね!

 カメラくん、君の出番が再び、キターーーーッ!!


 てことで、次回は、湯煙の向こう側からオンエアー頑張ります!

2014/02/27 イサカの説明を忘れていたので補足。

2014/03/17 表現のおかしな部分を指摘され、訂正。

2014/03/24 表現のおかしな部分を指摘され、訂正(2)。

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