思い出
僕たち兄妹は、誰よりも仲の良い兄妹だった。
二つ歳が離れた僕たち。
妹思いの僕、僕を好んでいてくれた妹、深雪。
僕が五つの頃。深雪はインフルエンザになり、夜になると苦しんでいた。
母は「うつったらいけないから、深雪の部屋には入っちゃ駄目よ。」っと固く言われていた。
夜中になると、毎日聞こえてくる深雪の泣き声。
隣で寝ていた母は、眠そうな目を擦りながら「またね、相当具合悪いのかしら。」といいながら深雪の部屋へと向かう。
僕も心配で母の後を追いかけたかったが、「部屋に戻りなさい」と終われるが分かっていたので、おいかけていけなかった。
暫くすると、母は部屋に戻ってきた。
「…深雪、大丈夫?」
母に訪ねると、頷くだけだった。
すぐさま布団にはいると、数秒で寝息が聞こえてきた。
母が眠っているのを確認すると、部屋を出て、深雪の部屋にはいる。
いつもよりも多くかけられた布団。
母が汗などを吹いたからか、深雪の体には汗1つなかった。
「深雪…」
規則正しい寝息をたてている深雪を呼ぶと、寝息がピタリと止まり、ゆっくり目を開いた。
「…おにー…ちゃん」
寝起きと鼻づまりで、いつもよりもか細い声。
「辛いか?大丈夫か?」
頭を撫でながら聞くと、深雪の表情は和らいだ。
「気持ちい」ということだろう。
「喉、乾いた…」
か細い声で呟くと、数回咳き込んだ。
「お水持ってくるから、待ってて?」
僕は急いで部屋を出る。
ガチャッとドアを開ける音にはっとなった。
…ママが起きる。
寝室を見るが、物音しない。
…ばれてない。
ホッとしつつも、急いで水を取りに行く。