表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法商女カミーユ  作者: ヨコワケデュガリー
victory depends on the luck of the day(勝負は時の運)
11/11

パート2

家に帰った陽一は、カミーユに

こんな質問をした。

「なぁ、勝負事に絶対負けない魔法って

無いかな?」

「あるよ」

カミーユは即答した。

「イゼッタケマイナというのがあってね、

実は今日私もこの魔法を自分にかけたの」

「どうりで今日は強かったわけだ」

陽一は納得した。


「それで、その魔法はいくらするんだ?」

陽一は真剣な表情で交渉した。

「一回二千円、一週間で5万円、

一ヶ月で一千万円、

一生使うなら十億円」

「おい、それ高すぎだろ!」

「そう? でもこれで

どんな勝負にも負けないんだよ」

「うぅ……」

陽一は二千円を差し出した。

「これでお願いします……」

「わかったよ」

カミーユは財布に金をしまうと、

「イゼッタケマイナ」を陽一に唱えた。


「これで絶対負けないんだな?」

「じゃんけんポン!」

カミーユがとっさにチョキを出してきた。

陽一はグーを出していた。

「ね?」

カミーユが笑顔を見せた。


翌日、陽一は美奈たちのテーブルに自ら向かうと

トランプを置いた。

「昨日のリベンジだ、トランプでもしようよ」

陽一が強気に言った。

「ピノクルでもする? それともコントラクトブリッジ?

ファイブハンドレッドでもオンブルでもいいわよ?」

美奈が陽一に挑発的に言ってきた。

「いや、ババ抜きでいいです……」

陽一が小声で言った。


そしてその日、陽一は全く負けなかった。

ババ抜きをすれば一番にあがり、

ポーカーをすれば最強と言われる役の

ファイブカードを三ターン連続で出した。

「二子玉川君、ズルしてないの?」

千恵子が陽一を疑う。

「してるよね陽一?」

カミーユが笑顔で言った。

「イゼッタケマ……」

カミーユが言いそうになると陽一は

「さー、次のターン行こうぜ!」

そう言って必死にごまかした。


そして陽一は全ての勝利に勝った。

「私が罰ゲームね……」

美奈が呟いた。

財布から札束を取り出すと、陽一たちに

それを分けて配りだした。

「一人五百万円でいいかしら?」

「ジュースでいいってば!

てか罰ゲームやめて!」

大金の大きさに陽一たちは焦ったが、

カミーユだけはそれを受け取った。

「遠慮しろよカミーユ!」

陽一は怒鳴ったが、カミーユは聞く耳を

持たなかった。


結局特に罰ゲームは行われること無く

昼休みは終わった。


そしてその日の放課後、陽一は剣と帰るために

玄関を歩いていると、剣が

「今日は用事があって帰れない」と言って

どこかに行ってしまった。


陽一が一人で駐輪場へ向かうと、

チアリーディングのコスプレをした

愛子に出会った。

「どこに行くんだ?」

陽一が尋ねると、愛子は校舎の向かいの

サッカー場を指差した。

「千恵子ちゃんが練習しているんだ、

応援に行くの」


この「聖シムカ高校」は部活動の

強さにおいてもトップクラスで、

様々な大会で輝かしい成績を

残してきていた。

特に女子サッカー部は全国大会を四度優勝しており、

その実力は本物だった。

去年も全国大会を優勝しており、

千恵子は得点王にもなっていた。


陽一は愛子とともにサッカー場へ向かった。

そこで陽一は目を疑った。

必死にランニングをする女子サッカー部の

先頭を剣が走っていたのだ。

「おい、あいつ何してんだよ!」

陽一が驚いた声を出した。

さらによく見れば剣は千恵子と

仲良く話をしていた。

「高萩君、恋してるんだね?」

愛子が笑った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ