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悪魔の仮面と彼女  作者: くわ
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静かな眠り

自分の中からエネルギーを集める感覚。意識を集中し、体の外、体の中から集めていく。

自分の中でのイメージ、燃える炎、エネルギーに着火する。

俺の掌の上で踊っている、真っ赤な炎。

木がはじける音のしない火、ガスでも炭でもない、俺の何かを元に踊っている。

見詰めていると落ち着く赤い、冷たい炎。

俺の心が現れているかのように、灼熱の深い炎。


俺が無言で自分の心を見ているとキネットが驚いた表情で固まっていた。


「なっ、なんで、なんで出来るの!?そんな簡単にできる事じゃないのよ!毎日炎を見て、感じて、触って、そしてやっと出来る魔法よ!なんでそんなに易々と・・・」


「いや、お前がやれって言ったんだろ?」

俺の炎を指さしてプルプル震えているキネット、以外にこの表情もカワイイ。

その後、数十秒固まっていた彼女はやっと整理がついたように腰に手をあてて静かになった。


「で、これどうやって消すの?これじゃあ何にも出来ないんですけど」


「消えろっていうイメージで命令してみて。たぶん消えるから」


「多分て・・ほいほい、分かったよ」


心をに炎を沈めるように命令する。

自分に同化するように、命令する。


「消えろ!!」

俺が静まった声でそういうと、炎はすうっと消えた。

掌を開いたり閉じたりし、平気か確かめる。

やけどはない。


「あなたやっぱり凄いわよ。落ちてすぐに悪魔化できるといい、一発で魔法も発動できるし、悪魔化に至っては全身悪魔に出来るなんて、信じられない」


「俺も信じれねーよ。あと俺はコウスケだって言ってるだろ?名前を言え」


「あなた、じゃなかった。コウスケ、今かなり危険な状態よ」


「はえ?俺は全然大丈夫だけど?」


「もうすぐ、コウスケは食われる、人であった者が、堕ちた者がコウスケの力を食いに。それか自分の悪魔に飲み込まれる、自我がなくなり、もう戻れない」

さっきまでの空気は一変し、静かにまじめに語り出すキネット。


「長くて三日、短くて後一日で死ぬわよ」

その衝撃的な言葉に動揺する俺。


「キネット、何をいってるんだよ?俺は全然だいじょ、うぶっ!!くはっ!!」


自分で自分の喉を絞める、首を絞める。


「うえっっっ!止めっいきがっ!」

俺の中で別の何かが俺の心をむさぼっている。自分が食われる感覚、四肢のどれかがなくなるような、自分が奪われるような、そんな痛み。

内側から意識を奪われる。さっきまでいなかった何かが俺を食らってる。

体が言うことを聞かない、動かない。俺は床に崩れ落ちる。体が操られている。


「きねっ、と、、たすっ、て・・」

十分に悶えた後、自分とキネットしかいない空間で俺はまた意識を失った。









体が重い、動かせない、熱っぽいし、だるい。

最低、最悪の目覚め、のはずだった。


俺は気付くとまたキネットの膝の上で泣いていた。


「あなた、何回意識失えば気が済むの?そんなに私の膝枕好き?」

やれやれっと言いたそうなキネットの顔がそこにはあった。


「後5回くらいかな?」

体はだるいけど痩せ我慢する俺。


「それだけ言えれば大丈夫ね。ほら起きて」


「うう、頭がくらくらする」


「当然でしょ?さっきあなたの悪魔に食われていたのよ、だるくて普通よ」


俺はその言葉で思い出す。ほんの少し前、俺の中で何かが起こっていた。

自分が何かに飲み込まれ、自分を失う感覚。さっきまで暴れていた何かが今は静かになっていた。

それを鮮明に思い出すと俺は怖くなった、怖く。

血液が末端まで行きとどいていない。


寒い。


「さっきのは何だったんだ?今は静かだけど・・寒い」

起き上がって、再度確認する。俺が俺であることを。


「さっきのは悪魔の浸食。コウスケの心を貪って食いつくす、自分の体が悪魔に奪われる。奪われたらもうコウスケはコウスケじゃない、死んでるわ」

静かに、そして確かめながら言うキネット。


「コウスケはそのうち、悪魔に食われて死ぬわ」

衝撃的な言葉。


「ど、どうすれば、いいんだ・・俺は死にたくない」

自分で体験して分かる、あれは俺を食いつくす。頭で理解していなくても、心が理解している。




「私が助ける」




「えっ?」


「私がコウスケを助ける。絶対に。だからもう休みなさい、目を瞑って。すぐよくなるから」


「だけど、ちょっと・・」


キネットが俺の顔に手を当て、言った。


「お休み」


俺はまた静かに意識を失った。

くわがた大好きくわです。

久しぶりに返信してみました。この小説は誰かに見てもらってるのか?


誰が返事をくれー。

駄目だ、返事がないだだの屍のようだ。

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