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悪魔の仮面と彼女  作者: くわ
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悪魔ですた

俺は気付く、またキネットの膝の上で寝ていることを、けど、まだ、起き上がりたきないな。もう少し甘えていたい、まだ会って一時間も過ぎていないのに俺はキネットにそんな感情を抱いていた。暖かい、ふわふわしてるような、やわらかい膝の上でもう一度寝てしまいそうになる、が、そんな世の中上手くいくはずがない、キネットがいきなり立ち上がった。その勢いで、俺は床に頭をガツンと、ぶつける。


「あなた何時まで私の膝の上にいるつもり?一分2500円よ。」


「いやあもうちょっと天国にいたかったなあ。」


俺はいやいや起き上がる。


「だけどあなた、いきなり全身悪魔化なんて無茶すぎよ。悪魔化して十秒たたないうちに意識不明なんてねえ。まあ普通悪魔化するのも時間がかかるのに、悪魔になってすぐに全身悪魔化はすごいは」


なんだか褒められているような、いないような。


「なんですかその悪魔化って? あと、俺はコウスケです、あなたじゃありません」

冷静に質問し、話を続ける。


「悪魔化っていうのは自分の魔力を使って、頭の中にあるイメージ、つまりコウスケのもう一つの姿を現実に具現化することよ。」


ポカーーん。

意味わからん。

えっ何?俺って魔力なんて持ってたっけ?てかなんだそのウルトラファンタジーな話。信じられんぞ。さすがの俺(かなりの妄想力の持ち主)でもそんなありえねええ話信じられん。


「あのう、意味がさっぱりわかりません、説明してくれえ。」


そしてまた三十分くらいの一方的な説明が始まった。

悪魔に堕ちた人は、幸運と寿命を引き換えに魔力を手に入れるらしい、そして魔力は頭の中にあるイメージを具現化して現実にする。悪魔化ってのは体に溶け込んだ悪魔の体をもう一度、いや、何度でも魔力を使ってこの世に持ってくることだ。普通、全身悪魔化には膨大な魔力が必要であり、悪魔になりたてほやほやの俺が出来るはずがない技だったらしい。

それにしても何故俺のそんな技が出来たのか分からなっかったが、キネットが教えてくれた。

怒り、怒りの量が圧倒的に他の悪魔と違うらしい、俺の内に眠っている底知れぬ怒り、恨み、妬み、憎しみ、その全てが魔力に関係している。けど、俺は実際そんな感情持っていないのだけど。


「まだ、信じ切れてないご様子で、じゃあ何か魔法を教えてあげるわ」


「ええええ!?俺魔法使えるの!?どうやって?なんか唱えるの??」


「ううん、唱えるというか言うだけね、魔力は頭の中にあるイメージを具現化するだけだから。何か言ってみて」


「何を?」


「なにかよ」

ううん。考える俺。そして、きらりーーん。


「滅びのバーストストリーム!!」

、、、

しーーん。

あっ!!やべ白けた。そしてなにも起こらない。


「あなた何よその滅びのバーストなんとかって?」


「いや、別に何も、てか、魔法使かえねえじゃんYO」

正直、超がっくり。


「じゃあ、炎をイメージする言葉はあなたにはある?」


「FIREとか?」


「なんでもいいから、イメージして言ってみて」

はいはいと、たらたらイメージする俺。

炎。熱く、燃える、灼熱の炎。自分の中のものを炎に変換するイメージ。

炎、永遠に燃え続ける、決して燃え尽きつことのない炎。体の隅々からエネルギーを掌に集めて、燃やす。

俺は言う。

掌の上にあるエネルギーを一気に燃やす。

そんなイメージで、言う。

「FIRE!!」



ボッという音を上げて燃え上がる灼熱の炎、俺の掌で踊る、決して消える事のない俺の炎、何もかもを焼き尽くすイメージで作り上げた炎。

俺の掌で踊っていた。

「えええええ!? 出来ちゃったよ!? 俺って魔法使い?」

ああ、悪魔ですた。


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