プロローグ― 子供の頃の約束
プロローグ― 子供の頃の約束
「た、たすけてくれてありがとう...だね」
少年は息をのんで少女を見た。彼は今まで、感謝など優しい言葉を,
彼女の口から聞いたことはなかった。
「も...もちろん。」
少年は地面に座っている少女に手をのばしたが、少女はただ首を振った。
「もういいんだよ。大丈夫...大丈夫だから、もう行って。」
「でも...大丈夫じゃないんだろ? 大丈夫には...」
「大丈夫だから!!」少女は涙をこらえて言った。
「もう助けてもらったから。もうやめて!」
「何で?」少年は怒りを覚えた。
「行かないよ、怪我してるみたいじゃないか。」
「これからもずっと、あなたが助けてくれる訳じゃないでしょ!」
少年は後ずさりした。
「一人がいいの!もう、一人でいたいの!また大事な人と離れて、一人になりたくない!!」
― 彼女の言葉が少年の胸に突き刺さる。
彼女の顔に流れる涙と、苦しい胸の内の言葉に、少年はただ静かに立っていることしかできなかった。
「君は私の、そ、そ、傍にずっといる訳じゃないでしょ、だ、だから、もう行ってよ!」
少年は自分の胸を掴んだ。母親から女の子を泣かしてはいけないと、いつも言われていた。どうしたらいいのか、彼にはわからなかった。彼には両親から教えられた事しかわからない。
その瞬間、彼の鼓動が高鳴った。輝く空に向かって顔をあげた時、昔、父親に言われたことを思い出した。
そうだ、僕は………..
「じ、じゃあ、結婚しよう!」
少女は、困惑した面持ちで少年を見た。
「君が女で僕が男、結婚できる!結婚したらいつも一緒にいられる!君が一人になることはないよ!」
少女の顔がますます赤くなり、少年は, 彼女が泣いているから顔が赤いのか, 分からなかった。
「ばかっ!け、結婚できないでしょ!も、もし、結婚してもいいよって言っても、私たち大人じゃないし!」
「じゃあ、大人になるまで一緒にいるよ― それから結婚しよう!」
「無理してるでしょ、本気じゃないくせに!」
「無理してない―本気だよ!」「一人で大丈夫だってば!」
「でも、一緒にいたい!」
少女はあまりの衝撃に口をつぐんだ。どんな態度をとったらいいのか、どんな風に返事をしたらいいのか、わからなかった。 少年は迷いながらも、少女に手を差し出した。少女は草を見つめたまま、少年の手をとった。
「ほ、本気なの? 大人になっても傍にいてくれるの? 一人にしない?」
「ちゃんと僕を見て」
少年の口から何度も聞いた、この言葉があまり好きではなかったが、少女はその言葉に従った。少女が見上げた時、そこには今まで見たことのない、少年の眩しい笑顔があった。不思議だった。いつも学校でみていた笑顔とは違い、少年の笑顔はとても眩しく、優しくもあった。
まるで朝日をみているようだった。
「死んでも絶対一人にはしないよ。ずっと一緒にいるよ!」
朝日が輝き始め、数本の金色の光が世界を照らし始めた時、少女の目から流れた涙が地面に落ちたのを、少年は見た。少女にTシャツの裾を引っ張られて、少年は彼女がとても近くにいることに気付いた。
「勇子………..約束だよね?」
涙でいっぱいの目でも、少女には少年の眩しく、優しい笑顔がはっきりと見えた。
「うん、侑彌。 一人にしないよ、約束だ。」
彼女はほっとしたようだった。少年は少女の手をとり、彼女の手の温かさだけを感じていた。
「行こう。」「う、うん。……….行こう!」
しっかりと頷き、侑彌は丘を下って行った。丘をくだりつつ、少女は笑顔で少年と一緒に笑っている自分に気付いた。
この日の朝が二人の約束の始まりだった。
みなさん、こんにちは! オーシュンズ・イン・ザー・スカイと申します, そしてこの度は『朝日乃 勇子の約束』をお読みいただき、本当にありがとうございました!
この小説は、私の心の中のアイディアから始まり、それを言葉にするまで休むことができませんでした。 私は、「自分を超えて生きる」ということを強く信条としており、この小説を通して自分を表現したいと思いました。そして、いつか私たち全員が、目の前にある世界の向こう側を見ることができるようになればと願っています。
ネットで自分を表現するのは初めてなので、好き嫌いに関係なく、感想を聞かせてもらえたら、とても嬉しいです! そして何より、この物語があなたの人生に何かプラスになることを願っています。
改めまして、この文章を読んでいただき本当にありがとうございました。小説を楽しんでください!
神様のご加護がありますように。
- オーシャンズ




