4.ワイトもそう思います。
「ママって呼んでくれても良いんだよ?」
「うん?」
珍しく天気が良く暖かな日が続く。
部活を終え影が一層濃くなり始めた通学路。
プリン頭は突然そう言った。
「ママ……ママか悪くない」
悪くないなー、うん、悪くない。
良いな、最高に近い。
こう言うのでいいんだよこう言うので。(語彙)
やれば出来るじゃない! 最高かよお前!
「フフン、オタク君こう言うの好きでしょ!」
プリン頭はいたずらっぽく笑う。
D A I S U K I ! !
「オ、オタクじゃねーし!? そんなの全然好きじゃないし!」
ケラケラと笑うプリン頭。
「滅茶苦茶赤いし、じゃ甘えさせてあげる、オタク君」
う、うわー!? メチャ刺さった!! だ、駄目だコレ、クオリティたけぇな!!
どうしたんだコイツ、駄目な所がお前の売りじゃなかったのか?
「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて……そこのベンチで甘えさせてもらって良いかな?」
「おう、いいぜ! 珍しく素直じゃねーか!」
プリン頭は屈託ない顔で笑う。
お母さんって呼んで良いですか?
「んじゃ膝枕して貰っていいか?」
「良いとも良いとも、よきにはからえ」
すこぶる上機嫌なプリン頭のお言葉に甘えて、
俺はベンチに座ったプリンの正面に立ち跪いた。
「ん? 横じゃねーの?」
プリン頭が疑問の声を上げる。
顔の正面を太ももの割れ目に目掛けて振り落とす。
密着感を高める為に両手でプリンの太ももを左右外側から押す。
「ヒ、ヒエエエ!!? こ、これ!? 膝枕じゃない!!」
「いいや!! これは正しい膝枕スタイルだ!!
これが正義でジャステスなんだ!!」
「股間で喋るな!! 息が生暖かい!! 気持ち悪い!!」
「クンカ! クンカ!」
「お前何やってんだ!! 匂いを嗅ぐな!! ふざけんな殺すぞ!!」
「ママ……大好き……」
「う、うわーわぁぁぁぁ!? ママじゃねー!!
うわわ!? 終わり! ママ終わり!!」
ベンチでぐったりしているプリン頭に自販機から買ってきたジュースを渡す。
「あ、ありがひゅ……」
「いや逆にこっちがありがとう!!」
「いい笑顔しやがって殺すぞ……弦司の母親像って一体……」
素晴らしい体験をさせてくれたママには感謝の言葉しかない。
ありがとうプリン頭ママ! 本当にありがとう!! プリン頭ママ!!
「……弦司の母親って苦労してそうだな……」