表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/109

4.ワイトもそう思います。

「ママって呼んでくれても良いんだよ?」

「うん?」


 珍しく天気が良く暖かな日が続く。

 部活を終え影が一層濃くなり始めた通学路。


 プリン頭は突然そう言った。 


「ママ……ママか悪くない」


 悪くないなー、うん、悪くない。

 良いな、最高に近い。


 こう言うのでいいんだよこう言うので。(語彙(ごい)

 やれば出来るじゃない! 最高かよお前!


「フフン、オタク君こう言うの好きでしょ!」


 プリン頭はいたずらっぽく笑う。

 D A I S U K I ! !


「オ、オタクじゃねーし!? そんなの全然好きじゃないし!」


 ケラケラと笑うプリン頭。


「滅茶苦茶赤いし、じゃ甘えさせてあげる、オタク君」


 う、うわー!? メチャ刺さった!! だ、駄目だコレ、クオリティたけぇな!!

 どうしたんだコイツ、駄目な所がお前の売りじゃなかったのか?


「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて……そこのベンチで甘えさせてもらって良いかな?」

「おう、いいぜ! 珍しく素直じゃねーか!」


 プリン頭は屈託ない顔で笑う。

 お母さんって呼んで良いですか?


「んじゃ膝枕して貰っていいか?」

「良いとも良いとも、よきにはからえ」


 すこぶる上機嫌なプリン頭のお言葉に甘えて、

 俺はベンチに座ったプリンの正面に立ち跪いた。


「ん? 横じゃねーの?」


 プリン頭が疑問の声を上げる。


 顔の正面を太ももの割れ目に目掛けて振り落とす。

 密着感を高める為に両手でプリンの太ももを左右外側から押す。


「ヒ、ヒエエエ!!? こ、これ!? 膝枕じゃない!!」


「いいや!! これは正しい膝枕スタイルだ!!

 これが正義でジャステスなんだ!!」


「股間で喋るな!! 息が生暖かい!! 気持ち悪い!!」


「クンカ! クンカ!」

「お前何やってんだ!! 匂いを嗅ぐな!! ふざけんな殺すぞ!!」


「ママ……大好き……」


「う、うわーわぁぁぁぁ!? ママじゃねー!!

 うわわ!? 終わり! ママ終わり!!」


 ベンチでぐったりしているプリン頭に自販機から買ってきたジュースを渡す。


「あ、ありがひゅ……」

「いや逆にこっちがありがとう!!」


「いい笑顔しやがって殺すぞ……弦司(おし)の母親像って一体……」


 素晴らしい体験をさせてくれたママには感謝の言葉しかない。


 ありがとうプリン頭ママ! 本当にありがとう!! プリン頭ママ!!


「……弦司の母親って苦労してそうだな……」

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  こんなん言われたら自分も探しに行く!変な意味なく面白そうだから一緒に行きそう。 [気になる点]  気になったのでググったらコウトノリが見れる動物園は13箇所のようですね。意外と少なかった…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ