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ステータスが見れない!

今日も一日お疲れ様、と自分を労う。

今日ニコラスたちに強請られたクッキーを数種類焼いていたらもう寝る時間になっていた。

プレーンとココアと、甘いものが苦手なノーマンのために固めのジンジャークッキー。

これくらい普通な取り合わせなら変に好感度を上げることにはならないでしょう。


やっと自室で一人になれたのだ。眠くなる前に対策を考えよう。


2年生という事は、ステータスを調整しなくてはいけない。もう四人と出会ってしまっている以上、ステータスはあげてはダメなのだ。

ゲームのように自分のステータスが見たい!

人生がかかっているんだから切に願う!


はっ!ほっ!と気合を入れてみてもステータスは現れない。当然なんだけれど、すごく残念だ。

また記憶を頼りにするしかない。

えっと、確か…


学力

ダンス

料理

美しさ

のステータスがあって、


ニコラス    学力 ダンス 料理

フェリックス  料理

ノーマン    学力 美しさ

マーキス    ダンス 美しさ


が高くないといけなかったはず。

学力は……高いね。一年の修了テスト三位だった。

ニコラス、ノーマンの次だったよ。

だって、この学校、十五歳だっていうのに掛け算割り算の計算とかやるんだよ!?パラパラみた今年の教科書だって、小数とか分数とかの計算だし…間違えようがない。記憶を取り戻した今、満点を取れる気しかしないよ。

わざとミスする手もあるけれど、それをして平民上がりで何もできないと笑われている我が家が、やはり良い家庭教師もつけられないのかとより侮られるのも困る。はぁ、学力は下げられないね。


料理は今日頼まれたからなぁ。流石に無視して持っていかないってことはできない。

あの四人と深入りしたくなくても嫌われたら我が家は終わる。上手くフェードアウトしないと、潰される…!彼らが直接手を下さなくとも忖度した周りの人たちに……ペシャン!だ。

まぁ、私の料理の腕なら特別ステータスが高いことはないでしょう。皆、プロのコックが作った料理しか食べた事ないんだからお世辞で美味しいと言うくらいだろう。一応、食べた時の様子を見てどれくらいのレベルなのか判断しなくては。


美しさ…鏡を見る限り前世が嘘みたいな整った顔をしているけど、他のクラスメイトも皆綺麗だからなぁ。どのくらいなんだろう。確か美しさのステータスを上げるためには休日にお買い物をして洋服やアクセサリーを買って身につけるんだったけど。買い物に出かけなければ上がらない?学校は制服だしなぁ、よくわからないや。


後はダンス、ダンスはできない!やった!!これでニコラスルートとマーキスルートは回避できるね。


とりあえず、美しさが下がるように明日は寝癖をつけて行こう。髪がぐしゃっとなる様に何ヶ所か結んで…

よし!おやすみなさい。




「おはようございます。ソフィア様。よくお眠りになられましたか?」

カーテンを開けながら我が家の数少ないメイドのケリーが微笑んだ。

ケリーは元々、他の貴族のメイドをしていた貴重な存在だ。

他のメイドは父さんが村長時代からのお手伝いさんたちで、貴族の社会を知らない。

この世界では女性は結婚とともに仕事を辞め、その後復帰することはない。だが、兄さんが貴族のマナーについて教えを受けている先生に頼み込んで、子どもが巣立っているケリーを紹介してもらったのだ。


「あらあら、こんなにたくさん結んでどうなさったんですか?」


面白そうに笑いながらケリーが髪を解いていく。

サラサラッと髪が落ち、どこで結んでいたのかわからないほど真っ直ぐに髪が背中に流れた。

はぁ、寝癖大作戦は失敗だ。本当に頑固な直毛め…!


「本当に艶やかで真っ直ぐな髪で羨ましいですわ。ソフィア様ほど美しい方、見た事がございません。」

「え?髪は確かに真っ直ぐですけれど…だからと言って美しい方は他にもたくさんいるではありませんか。」

「何を仰っているんです。美しいかどうかは髪が一番重要ではないですか。」



ケリー曰く、伝説のオーロラ姫はサッラサラのツッヤツヤの直毛で、光が煌めいた様なそんな色味の薄い金髪だったらしい。

そのためこの世界では髪がどれだけ真っ直ぐかが美しさの基準らしい。

顔の好みはそれぞれあれど、直毛は共通の美人の条件らしい。

言われてみると豪華な縦ロールや、天使の様なふわっふわのナチュラルウェーブばかりで直毛の人を見た事がない。あ、数人日本人形の様な黒髪直毛の子を見たな。

短いと真っ直ぐだが、伸びてくると先の方がくるくるする人が多いらしく、男性は短いので直毛に見えるだけ。ウェーブした髪は悪いわけではないが特に珍しくないため憧れの対象ではないとのことだ。

おまけに私は色の薄い金髪。

オーロラ姫=絶世の美女

という図式から私は美女の括りに入るという事だ。

洋服もアクセサリーも関係ないし!

なんだあのゲーム、課金目的か!そりゃそうか!!


どうやら美しさのステータスも高そうだという事が判明し、呆然としたまま身支度を整えられ、食事を与えられ、送り出された。


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