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最弱の悪魔使いと元最強の悪魔  作者: ゆるいなにがし
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出会い


 人のいる世界、悪魔のいる世界、天使のいる世界と三つの世界が存在していた。しかし、悪魔と天使はお互いが目障りであり、滅ぼそうと策を弄していた。しかしだ、小手先の策で滅びるほど悪魔も天使もやわではなく、これでは拉致があかないと考えた悪魔と天使は戦争を起こす事にした。だが、お互いの世界行くためには人間の世界を経由しなければならなかった。相手の世界を攻めるためには人間の世界に拠点を置く必要があり、当然お互いに相手の世界に行く前に相手の拠点が邪魔になった。よって、人間の世界で戦争が起きてしまった。

 当時の人間には天使にも悪魔にも対抗する力はなく、戦争をただ見てることしかできずに、次々と戦争に巻き込まれあっという間に、人間は絶滅寸前まで減ってしまった。

 しかし、それを見かねて神が天使と悪魔に神罰を下し、天使と悪魔は人間の復興と繁栄の為に人間に仕える事になり、戦争は終わり、人間も滅びること無く今が出来たと言われている。


「割と省いたがこんな感じだ。いいか? 今の俺たちが存在して居られるのは神のおかげだ。感謝は忘れないようにしておけよ。それじゃあ今日の授業はここまでだ。いいか? いくら神の手によって使役する事が出来るからって調子にのるなよ? あいつらは何でも言う事を聞く道具じゃない。かつて俺たちを滅ぼしかけた人間より上位の存在だ。下に見てると痛い目にあうから気をつけるように」


 ここで丁度授業の終わりを告げる鐘が鳴り、グレイト先生が退室すると同時に、静かな教室が一気に喧騒に包まれる。


 それもそのはず、明日は誰もが待ちに待った()()()()があるからだ。この日の為に僕らは今まで鍛え上げてきたと言っても過言ではない。それが明日にまで迫っている。みんな騒ぎたくもなるだろう。僕を除いてだが……


「あいつどんなのと契約するか楽しみだな」

「そもそも契約すら出来なかったりして」


 周りからは僕に対する笑い声が聞こえてくる。僕がどんなのと契約するか楽しみらしい。最初はイラッときたが、今となっては何も感じない。なにせ僕は落ちこぼれだからだ。

 悪魔や天使に階級があり、階級が高いほど何かしらに秀でているのだが、誰でも契約出来るわけではない。

 契約は儀式の部屋と呼ばれるところで目を閉じると精神のみが別世界に移動し、そこには沢山の道がある。この道を辿ると悪魔か天使に出会え、契約が出来るのだが見える道は人によって違い、魔力の量が多ければ多いほど道が見え、階級の高い天使か悪魔と契約が出来る。

 だが僕には魔力があまりない。初級魔法の中でも、魔力消費の少ない魔法を一回使うだけで魔力切れを起こしてしまうほど少ない。これでは最下級が限界だろう。馬鹿にされても文句の一つも言えないのはこの為だ。


 ようやく憂鬱な時間が終わったが、明日の事を考えるとまた憂鬱になる。僕はこれ以上考えても辛くなるだけだから家に着くなり寝ることにした。


 翌朝、僕はどうせ見世物にされるから嫌だなと思いながら学校に行く準備をする。


「それじゃあ、行ってきます」


 僕の家には誰も居ないが、行ってきますの言葉を告げ家を出る。登校中に僕の方を見て、指をさし、笑う声が聞こえるが全てを無視する。


 学校に着くと校庭には長い列ができており、その先には儀式の部屋がある。僕はため息いきをつきながら列に並ぶ。


 周囲からの嘲笑を無視し、長いことならび僕の番が来た。来てしまった。

 道は一本、最下級まっしぐらルートが確定してる僕はため息しかでない。それだけではない。次からは天使や悪魔を使って僕をいじめてくるだろう事が容易に想像できる。ため息の一つや二つや出るだろう。


「それでは、目を瞑って下さい」


 先生の言葉を聞き目を瞑ると案の定道は一本しか見えない。僕は一本道(デスロード)を突き進むしかないのだ。進むたびに周囲が暗くなっていく。


 道の先に居るのが悪魔であれば、進めば進むほど暗くなっていき、天使であれば明るくなっていく。僕の契約先はどうやら悪魔らしい。


 進むほど暗くなる道を進み、ついには何も見えなくなるほど暗くなるまで進んだ辺りで違和感に気づいた。


 おかしい…… 道が見えなくなるなんておかしい。


 本来契約は道を辿っていき、その先に居る者と契約をする。しかし今回はその道が見えなくなった。これでは契約する対象が見つけられない。


 僕は契約すら出来ないのかと絶望する。しかし契約するか、強制的に精神を肉体に戻されない限りここから出ることはできないので、待っていても仕方ないし歩く事にした。

 どれくらい歩いただろう。感覚的には数時間は音も光りもない空間あるいた気がする。僕はついにこの空間に耐えられず、そこにうずくまり泣き出した。

 これまでのいじめやこれからの不安をこの空間が増幅させ、耐えきれなくなったのだ。


「誰か…… 誰か助けてよぉ…… 」


 僕は声を出したつもりだが、精神体だから音は出ない。当然気づく者は居ない。だが泣き出し足を止めてから数分経った頃だろうか、()()()()()()()()()()()()()()。僕はバッと顔を上げたが、音も光りも無く、精神体なので感じ取ることもできない。なのに、何故かナニカがそこに居ると思った。そこで僕の意識は途切れた。




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