2話 部室と先輩
入学式が終わり、ちょっとしたホームルームをしたあと、と平間は同時に立ち上がり、
「行くか!」
とが言うと
「おう!」
と平間が応えた
教室をでて、はしっかりと4組に行き奈菜を呼びに行った。
「ほら、奈菜行くぞ」
「あ!!じゃあまたね~」
奈菜は話していた女子たちにあいさつをし笑顔でこちらに向かってきた。
「ちゃんと呼びにきたんだ、偉いぞ~」
奈菜はの頭をわしゃわしゃし、その間平間は羨ましいと言わんばかりの顔でこちらを見つめていた。
「の人は?」
「あぁこいつは、、、」と言いかけたその時
「平間和人と申します!」とを押しのけ奈菜の前でお辞儀をした。
(こいつは)
とは思ったが平間の事を奈菜に説明した。
「そっか~、平間くんも野球部入るんだ!」
「はい、とバッテリーを組みます!」
と平間は威勢よく言った。
「そっかそっか、2人のバッテリーたのしみだな!」
と奈菜は満面の笑みで応えると。
「とりあえず野球部の部室に行くぞ」
と割ってはいるように が言い、
3人は、部室へと足を運んだ。
教室棟から少し離れた場所にある、
部室棟は運動部のみならず文化部も活動できるほどの大きさでバレー部などには専用体育館や、水泳部には冬でも活用できる温水プール、そこら辺のジムと同じぐらいの設備のトレーニング室、陸上部のしっかりとしたトラック、ここはほんとうに県が運営する学校なのかと、3人は度肝をぬかれた。
「設備が良いって聞いてたけどこれほど良いなんて」
開いた口を閉じきれない平間は唖然としていた。
「ほんとにすごいな」
と3人同時に言った。
3人はこの学校の設備に驚きながらも部室棟1階の1番奥にある野球部室前についた。
「じゃあ、入るぞ」
とは丁寧に2回ノックし、扉を開けた。
すると部室のなかは灯りがついておらず、手前においてあるバットや、かごに入ったボールぐらいしか見えなかった。
は息をのみ先に足を踏み入れると、いっせいにクラッカーの音と同時に灯りがつき、
「ようこそ!野球部へ!」
と歓迎された。
あまりの驚きに3人は腰を抜かした。
「あらあら、ごめんな~俺らも去年先輩たちにやられたんだ」
と1人の気さくで身長が160センチぐらいの肌が白く頬が赤くなった小柄な人が話しかけてきた。
「いえ、大丈夫ですけどびっくりしました」
とは2人より先に立ち上がり、2人は他の野球部員に肩をかしてもらっていた。
すると小柄な先輩は、
「俺は2年の栄口恭介よろしく!」
すると続けて2人の先輩が自己紹介を始めた。
1人は、身長は170センチぐらいのかなり巨体のホームランバッターのような体型の人だった。
「僕は笹木野将なんだな~」
とかなり太めのゆっくりとした声で言われた。
もう1人は、身長が栄口先輩とおなじぐらいで、
帽子の被りかたが逆の肌の黒い先輩だった。
「おれっちは!小竹康介ってんだ!」
と凄い勢いで言われた。
「ここにいる3人は全員2年生で新入部員をここで待ってたんだ!」
と栄口先輩が小さな胸をはりながら言った。
「まぁまぁとりあえず座って座って、とりあえず君たちの名前と出身中学とポジションきこうかな」
そう言われ、3人はすすめられた椅子に座り自己紹介をした。
「自分は平間和人っていいます!出身中学は甲西中学でキャッチャーやってました!」
すると、
「甲西!?」と3人の先輩が同時に言った。
「甲西って言えば全国中学野球大会ベスト4の学校じゃねぇーか!」
「平間くんそんなとこにいたの~?すごいんだな~」
と小竹先輩に続き、笹木野先輩も絶賛していた。
「平間、お前そんなとこにいたのか」
と驚きながら言った。
「あぁそうなんだ」
平間は少し恥ずかしそうに笑った。
「じゃあ、そっちの君は?」
と栄口先輩がに向かって聞いた。
「俺は、って言います、出身中学は芝中ってところでポジションはピッチャーです」
3人の先輩の反応はまったくちがくは、そこまで興味をもたれなかった。
3人の先輩はの中学を知らず対応に困っていた。
「うん、チームがピッチャー不足だったからありがたいよ」
と栄口先輩はフォローするように言って話を終わらせた。
「それと君は?」
栄口先輩は奈菜のほうを向き首をかしげながら聞くと
「はい!私は橘奈菜って言います!マネージャー希望です!」
と奈菜は満面の笑みで応えると、
「うおぉぉぉマネージャーきたぁぁぁ!!」
と3人の先輩は子どものように喜んでいた。
少しして喜びすぎて疲れた先輩たちは、
「じゃあ、自己紹介は終わりにして2人はユニフォームに着替えて、橘さんもジャージとかに着替えて、先にグラウンドに降りてくれ俺らは他の新入部員を待たなきゃいけないから3年生が多分グラウンドで待ってると思うから」
と言われたと平間はユニフォームに着替えた。
「それはそうと全国ベスト4のチームにいたなんてきいてねぇぞ!すげぇな!」
とは言うと
「わりぃわりぃそのうち言おうと思ってたんだ」
と頭をかき少し照れながら言った。
着替え終わると、奈菜をつれて
先輩たちから渡されたグラウンドへの案内図をたよりにグラウンドに向かった。