昔語り1
本編は次から
少年は様々なものを見る特殊な目を持っていました。
少年のその力は今は離れて暮らしている母親からの遺伝で、母親との大切な絆でした。
少年はその目を誇りに感じていました。
しかし、少年の力を周りの人は気味悪がりました。
少年はいつしか友達と呼べる存在も家族と呼べる存在も少なくなっていきます。
それでも少年はめげずに頑張りました。
そんな少年には一人だけ大切な友達がいました。
その子はどんなことがあっても少年と一緒にいました。
少年はその友達を本気で信用していました。
そんなある日のことです。
少年は友達のお父さんが自分に会いたがっているという話を聞きました。
少年は友達の頼みなので二つ返事でOKをします。
しかし、それが間違いの始まりでした。
少年は友達の家にいくと、突然背後から襲われて捕まってしまいました。
意識が戻ると少年は見知らぬ場所にいました。
手足は縛られて動けません。
少年の目の前には友達と友達のお父さんらしき男がいて、少年に問いかけます。
「君の目でみてもらいたいものがあるんだ。」と。
少年は頷こうとしましたが、その時に見えた男の目に思わず首を横に降りました。
男の目には欲にまみれた汚れた色が見えたのです。
そして、それと同時に男の考えも見えました。
男は友達を利用して自分に取り入り、そして私欲のために自分を利用しようとしていると。
少年は、自分の目が誰かに邪に使われるのが嫌でした。
しかし、少年の態度に怒った男は少年に暴力をふるいます。
何回も何回も叩かれ、殴られ、蹴られて少年は泣きました。
それでも少年はこの目をそんなことに使いたくはありません。なので我慢します。
何度も殴られているうちに、一瞬友達の顔が見えました。
友達は笑っていました。
友達だと思っていた少年は少年が痛め付けられることが面白いようでした。
少年は次第に心が折れていきます。
それでもなんとか、耐えます。
泣いても、叫んでも助けは来ません。
だんだんと男の言葉も悪くなっていきます。
そして男は言ってしまいました。
「汚い目の親だからガキも汚い目になる」と。
その言葉に少年は激怒しました。
大切な母親のことをバカにされて少年は我慢できなくなりました。
少年は周りにはいってなかったもう一つの能力の水を操る力で男を苦しめて意識を奪います。
簡単に終わりました。
それをみて怯えていた友達は少年に言いました。
「紅い目の化け物」と。




