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特殊能力専門学校のヤンデレ美少女  作者: サウスのサウス
紅い瞳の来訪者編
19/21

第三話 提案(決定事項)

「一緒に?」

「はい。その通りです。」


ひかりの台詞に迅は首をひねってしまう。

いまいち目的が見えないからだ。

そんな迅の様子をみながらも、ひかりは言葉を続ける。


「私とともに、この土地を離れて頂きたいのです。今のお兄さまがこの土地にいらっしゃるのは危ないですので。」

「危ない?」

「ええ。」


迅のことを気遣っての提案のようだが、しかし肝心の迅はまったく意味がわからなかった。

この土地にいたらなぜ危ないのか?っと。

隣の紗耶も首をひねっている。

そんな二人の内心を見透かしたかのようにひかりは語る。


「理由は、先週のことで察していだけると思いますが・・・お兄さまは彼らに狙われていますから。」

「あの連中のことを知っているのか?」


迅の質問に頷くひかり。


「なあ、あいつらは一体・・・」

「正体については分かっていますが、お兄さまにはお伝えできません。」

「俺にはダメなのか?」

「はい。ですが、狙われている理由はお分かりになりますね?」


そう言われた迅が浮かんだのは、自身の能力のこと・・・

考えていなかったわけではない可能性を突きつけられて、迅は少し戸惑う。

そんな迅の様子をみていた紗耶はひかりをみて言った。


「じゃあ、あなたのところは安全なの?」

「紗耶?」


唐突にそう告げた紗耶に迅は視線を向ける。

紗耶は真っ直ぐにひかりをみていた。


「あなたの話が本当なのはわかります。でも、それとあなたが安全なのは結びつかないと思うのですが?」


それを聞いたひかりは少し考えてから笑みを浮かべると言った。


「なるほど・・・聞いてた通りの人ですね。夕日さんは。まあ、おっしゃることもわかりますよ。ですから・・・」


そうして、ひかりは迅をみると嬉しそうに言った。


「今日からしばらく、お兄さまのところでお世話になります。」

「うん?」


その台詞に迅はさっきとは別の意味で凍りつく。

隣の紗耶も驚いた表情を浮かべていたが、すぐに表情を怒りレベル1の微笑みに切り替えた。


「お、お世話になるって?」

「言葉のままで、お兄さまのお家にしばらく泊まらせていただきます。」


迅の外れてほしいという願いをこめた質問はあっけなくひかりに粉砕された。

恐らくは、自分とともに過ごすことで安全かどうかを見極めてくれということなのだろうけど・・・


「い、いきなり泊まりはどうなの?」


やり方の大胆さに思わず引きつった声をあげてしまう迅。

しかし、そんな迅に畳み掛けるようにひかりは答える。


「すでに、許可はお父上からいただいておりますし、準備も済んでおります。ですので、これは決定事項です。」

(お、親父ー!!!!)


内心で最近会っていない自身の父親に文句をつけたい気分の迅はしかし、隣の般若の存在で現実に引き戻される。


「さ、紗耶?」


紗耶は俯いてわなわなと震えていたが、やがてぽつりと呟く。


「ずるい・・・」

「えっ・・・」

「ずるいよ!私も迅の家に泊まる!」

「ええ!!」


いつもの紗耶らしからぬ拗ねたように告げた台詞に迅は仰天してしまう。

なんとか、説得しようとする迅だが、紗耶はすでに親に連絡をしていて、早々に許可をもらったようだった。

困り果てる迅。

そんな二人をみて、ひかりは微笑ましいといわんばりに笑みを浮かべていた。





しばらくして、荷物を取りに行くと言った紗耶に同行する形で迅は紗耶とともに歩いていた。

結局、二人の説得に失敗した迅はしばらくの間、ひかりと紗耶の二人を泊めるという話に落ち着いてしまって内心ため息をつく。


(何故、こんなことに・・・)


そんなことを考えようと、結局変わらないことはわかっていても考えてしまう迅。

そんな迅の様子をみて、紗耶は申し訳なさそうに言った。


「ごめんね。迅。私のせいで・・・」

「いや、紗耶のせいじゃないよ。」

「でも・・・」


冷静になって、もう訳なさがいっぱいになったのか紗耶は尚も何か言おうとするが、迅はそれを制して言う。


「紗耶が俺を心配してくれたのは知ってるから別にいいんだよ。それに・・・」

「それに?」


そこで、少し恥ずかしそうにうつむいた迅は小さく本心を言った。


「その・・・紗耶が泊まるの本当は・・・嬉しいから・・・」

「迅・・・」


恥ずかしそうにうつむいた迅を嬉しそうに、なおかつ愛おしそうに見つめた紗耶はさっきまで遠慮していて少し遠かった距離を腕を組んでゼロにした。


「私も嬉しいよ!迅♪」


心底嬉しそうに微笑む紗耶をみていると、自分まで嬉しくなる迅はやはりバカップルの素質があるのだろう。


そうして、腕を組んで二人は家路を歩いていく。

夕日のせいか、赤くなっていた迅はこのあとどうしようと内心で考えつつも、幸せな気分でいた。

落書きコーナーはっじまるよー!


このコーナーは(以下略)



〈待ち時間ひかり〉


「ねえ、飛田。本当にお兄さまの下駄箱に入れてきたのよね?」

「はい。確かに。」

「本当に本当なのね?」

「あの・・・すでに50回目の確認になりますよ。お嬢様。」

「いいから!本当に本当に入れてきたのよね?」

「確かでございます。」

「ならいいわ。」

「おそれながらお嬢様。本当に下駄箱で良かったのですか?」

「だって、そっちの方が雰囲気いいでしょ?お兄さまもラブレターみたいって思うかもだし・・・」

「お嬢様・・・」

「それに、ラブレターみたいなものだしね。実際。」

「兄妹での禁断の愛。私は応援いたします。」

「ありがとう。飛田。はぁ・・・まだかしらお兄さま。早く会いたい。」

「まもなくでございますよ。」

「早く会って、抱きついてお兄さまに目一杯甘えて、それで・・・ふふふ・・・ふふふ・・・」

「お嬢様、欲望がただ漏れです。」

「あらいけない。でも・・・はぁ・・・お兄さま・・・」



どれだけクールに振る舞おうとしても大好きなお兄さまに会えると思うと素が出てしまうひかりでした。


これは果たして、ひかりのキャラなのかどうか・・・それはそのうち、本編で分かるかも?


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