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放浪系騎士の様なナニカの冒険記的なサムシング  作者: 名状し難い魔王
色々改造を受けた俺氏がついに復活!
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邪神と剣と怪物と


「この!武器破壊魔!似非朴念仁!折られる身にも成れえェェェ!」


この異界は月の魔力と例の邪神の魔力、そして俺の魔力の混じった正に混沌とした彼若しくは彼女の精神世界、その精神性は俺と彼女の創り手であるガーランドによく似て理不尽や物が壊れる自分が壊れるということに凄まじい怒気を帯びる。


とっさにマチェーテとロングソードを出し打ち合うがぼきぼきと折れていく。力をうまく逃しているはずだがどうにも運が悪いのか、それとも俺が悪いのか・・・多分俺かな。


「っと、危ない、危ない」


巻き付くような一撃やうねるような曲がる一撃などを避け、いなし、正面からの一撃や直接の打ち込みを受け止めていく。


「『顕現せよ我が刀身』!剣の舞!」


彼女が持つのは彼女自身、不可視の刃は伸縮自在正にトリックスターたるかの邪神の性質だ。また軽くだが偏在が使えるようで魔法ではなく魔剣としての一機能として刀身の同時発生や虚空からの射出、一振りがふた振りに、ふた振りが四振りにと出ては消え消えては出てを繰り返す。


「ほっと、よっと、うおっと!」


その刀身を避けるが体が一瞬浮いてしまう。


「そこぉ!」


そして最後の膨大な魔力とそれの放出、操作によって生まれる超人的な速度と膂力、金髪碧眼という何処かの超有名TS騎士王的にそっくりな顔立ちも相まってアニメやゲームキャラの相手をしているような、まるで現実味がないような感覚がある。

実際にここは現実でないし、ここにあるもののほとんどは中身のない虚像、魔力詰まったハリボテだ。


「残念、それは不正解。」


ヒミツは彼女の顕現した剣の何本かを拝借し、配置、さらに影から剣を出現させ射出、ヒミツを斬りつけようとしている彼女は既に魔力の放出により体を真っ直ぐ飛ばしているため回避や繊細な動きはほとんどできない。


「なっ!?」


「バーカ、俺の魔力が混じってるなら俺の支配力が及ぶのは当たり前、邪神の魔力が混じってるなら邪神の意思も混じってしまう。」


彼を殺したくて仕方がない邪神の遺志が心臓の叫びが彼女の視界を曇らせた。


「くぅ!」


剣を空振りし回転に合わせて魔力を放出、横にかっ飛ぶことで武器群を避けるが、ヒミツは悠々と着地し追撃に入る。影からの武器投射は彼女の四肢を傷つけ確実に削り、ヒミツはその中を縫うようにぬらりぬらりと距離を詰め、黒いドレスを着た剣に生まれた意思が立ち上がるのを眺める。


「ぐ・・・ぅ。」


白磁のようにというのが生ぬるいほど病的に白い肌と対照的な黒い髪と服装、犬歯が長く真っ赤な唇をたたえた口元に不敵な笑みを浮かべ、邪神と女神を両方彷彿とさせるような狂気混じりの赤眼がこちらを見上げる。


「名前はそうだな・・・トオカ、透華でいいかな?お嬢さん?」


俺は彼女の四肢や傷が再生していく様を見ながら武器を納めて笑ってみせる。


「・・・何勝った気でいるんですか、ぶち殺しますよ強姦魔。」


それは強力な指向性を持つ魔力と魔力のぶつかり合いにより万に一つ程度のレベルの幸運で生まれた彼女の父は俺、母は邪神の心臓である。確かに強姦魔かもしれないかと一瞬思ったがかなり特殊な性癖でもない限り好んでやりたくはないし、そもそも心臓と致すのは不可能だと思うんだが?


「で?お遊びはこんなもんでいいのか?」


「ま、まだまっぐ!?」


一閃、アンサラーで支えにしようとしていた彼女の剣を斬る。


痛みや焦り、そして何より邪神の遺志や宇宙からの啓蒙から伝わる邪心を抑えるのに精一杯なのか、呆気なく倒れ体が床に倒れこむ。


「ガッ!」


がその前に襟元を子猫を咥える親猫のように掴みその異様に軽く体を持ち上げ、気休めだろうが回復魔法をかける。


「で、どうかな、試練は合格かい?」


「・・・。」


すっかりしおらしくなっているが何か嫌な予感がする。いつの間にか洋館は消え失せ森の威圧感が増している。


そして彼女の口角が吊り上がった。


「ふむ、お久しぶりかな、邪神?」


「キミィ、僕の顕現を、恐慌劇を邪魔した無粋な演者A、そして哀れな僕の心臓を貫いた殺神犯。」


先ほどとは明らかに重さの違う急所を狙った多方面からの連続攻撃、這いよる混沌の残滓はヒミツへの憎しみだけで、執念のみで立ち上がる。


「抜刀!」


ヒミツは聖剣を抜刀し、同時に左腕の増幅炉を起動、瞬く間に高まる魔力をセーブし回転し完璧に制御できる最大ラインの魔力を引き出す。


「それそれそれそれ、あはははははは!」


狂ったように、いや実際狂っているのだろうが彼のその姿に興奮し剣戟の速度、刀身の射出速度は加速度で的に速くなっていく。

しかし、ヒミツは無言で剣を、アンサラーを振り抜きそれらを一振りで黙らせた。


「あはぁ!?」


剣を折られ、四肢の関節を外され、射出された刀身は彼女の方を向いている。

大の字に倒れながらその顔は狂気に取り憑かれた神でもなく人でもないナニカを、形容し難い何かを感じさせた。


ヒミツは彼の神の布石であろう全てを、罠や呪いや奇襲や強襲の全てを封殺し、超解析の結果彼女の中にあると判明した邪神の肉片を精神体と物理体から切り離し、封をする。


「・・・こんなもんか?」


ヒミツは自身の試運転で様々な教訓を得つつ、凄まじい勢いでガーランドの目の前でポキポキと小枝のように折れていた直してもらったばかりの剣のことを考え、修復費を考え、元小市民今も心は小市民な彼は頭を抱えたのであった。

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