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放浪系騎士の様なナニカの冒険記的なサムシング  作者: 名状し難い魔王
色々改造を受けた俺氏がついに復活!
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剣の夢、剣の想い。


夜とはまた違うベクトルで不吉を感じさせる紫の空、魔界じみた場所に取り込まれた俺とジジイ、いや、人外鍛治職人ガーランドと居た。

入って来た当初は剣の引力に負けない様に踏ん張って居た反動か息が上がって居たが、今は・・・


「武具の中に固有の空間が存在してるっつーことか…とすると…」


「ぶっ倒れてた割には適応早いですね…」


既に周辺を調査し考察できる程度に回復していた。


森に入って数十秒、周囲を魔力探知と知覚強化で動かずに探知するが、魔力探知は意味をなさず、知覚探知にはこの道の先に存在している洋館から人の気配・・・正確には物が燃えたり、物が軋んだりする音が聞こえるというだけだが、それでもナニカがいるという確証は得られた。


最悪、ここはあの心臓、つまり異界の続きかとも思ったがどうにも敵意を感じない、敵意がないからといって害意がないと言うのはわからないが、少なくとも現時点で命の危機は感じない。


「…だめだな、もう少し魔法を勉強しとくべきだったか…」


「独学でそれなら十分、と言うか学者を何人連れてきてもまともに計測もできないと思いますよ?」


少なくともこの怪奇現象の中、冷静でいられる人間が、それこそ研究所に引きこもって日々魔術師としての社会への貢献を目指している様な大多数のまともなやつじゃあ無理だろう。

魔術師としての完成形、所謂ぶっ壊れてる系の奴、ホーエンハイムレベルじゃないと厳しい、できる事なら彼女を連れてきたいところだが、おそらくこれは何かが引き金となって起きたバグじみたものか、初回特典的なものだろう。


(マーリン!、女神様!聞こえてるか?)


《はいはーい!最近ヒミツの魔力が増えたから実は無駄に顕現できる女神様だよー!》


武装も魔法も、加護も問題ない、通信は遮断されているが神様の介入は可能、つまりここは邪神やそれに類する物の中でも、神が介入不可能なレベルの異常事態ではないと言う事だ。

少し安心した。超解析が使えるのとか、聖剣の解放と魔力増幅の無限ループが可能なのもかなり安心できる要素だ。


少し考えにふけっているとガーランドはヒミツを置いて先に進んでいた。


「おら、早く行くぞー!」


「・・・何つーか、豪快すぎだな・・・」


どうやら道らしきこの場所以外には出ることすらできないらしく。ガーランドは早く先が見たい気持ちでいっぱいな様で先程から透明な壁の様なものをガンガンと殴りつけ、早く来いと怒鳴る。


ヒミツはアンサラーをすぐに抜ける様にしながら先にある。初期位置から見えるはずなのに知覚する瞬間まで存在しなかった館を見上げ、渋々動くのだった。



量子力学と言う学問では観測するまで観測されるものの状態は決定しないと言う考え方があるらしい、大学や本やシュレディンガーの猫と言う思考実験でよく聞いたが、実際名ばかりの理系だった俺はその様なものにさほど縁がなく、俺がそれを真面目に考え始めたのはこの世界に来てから、さらに言えば魔法を目にした瞬間からだった。


魔力というのは不定形にして未確定な超高エネルギー体、魔法というのはそれを上手く様々な現象に変換して使う技術の総称、しかし、この超高エネルギー体は自然にも空気中にすら存在しているというのに普段は何の害もない、多くの学者や魔法使いはコレを『安定している』と言い表すが、実際には何かふとした拍子に爆発する。所詮爆弾の様な物なのであり、安定などみじんもして居ないのだ。

実際、魔力が偏りそれにほんの少しの望み、動物でも人間でも、所謂精霊と呼ばれる自我の薄い自然そのものがその意思を少し伝えるだけで爆発的にその存在を現象に変換させ、大規模な『魔法災害』と呼ばれるものを起こすことがある。

幸い、魔法を使う物や人間の多い場所では魔力自体が薄くなり、分散されるので僻地でしか起きて居ない、だが俺はそういった知識を得るごとにこの超高エネルギー体は『定義ずけ』によってその性質を望まれるがままに変化させる『現実変容の可能性』もしくは『観測されるまで中身のない箱』そう解釈している。


まあ何が言いたいかというと、


「これはまた・・・」


かの邪神の様な気配を持つそれ擬き、ひしめく神話生物のなりそこない、そして心臓、


「どういうこった…」


火の灯った鍛冶場、聞こえる鍛治師の怒号と金属音


それらが洋館のような曖昧な建物から溢れていた。


「ようこそ、我が主人様と創造主様。」


優雅に一礼する人影はそれはそれは人間らしくない、感情や思考を感じさせない人形じみた笑顔のようなものを見せた。


「なるほど…ね。」


詰まる所、というか明確に魔力によってそのほとんどを構成されたこの異界において、俺とガーランド以外にこの世界を定義し、観測している人間はいないということである。


「私は名無し、今のところ固有の名詞を持ちません、強いて言えば邪神殺し、言わないのならバスタードソード、その程度の呼び名しかありません。」


月剣三日月は付与型の聖剣、それを受け止め邪神の心臓を貫き、その膨大な神秘を浴びながら魔力を放出、爆散したかに見えた剣は瞬間的に魔剣レベルまでその刀身をその存在を叩き上げ、在ろう事か知性を持つ剣となったのだ。


「そうか・・・まあ、とりあえず自己紹「とりあえず私にその力を認めさせるのです!このお馬鹿な所持者様!」っと!」


「ガハハハ!そりゃそうか、なんせ自分を爆散させた相手だ。積もる話しかねえだろうな!」


邪神討伐後最初に俺に襲いかかって来たのが俺の剣とか、ワロエナイわ!

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