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放浪系騎士の様なナニカの冒険記的なサムシング  作者: 名状し難い魔王
眠りの俺氏(出番はない模様。)
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夏の幕間祭り!ナゼナニ?ヒミツん!後編。


茶会の話題はヒミツの腕からあの剣とは言えない何かについてのことへと当然の様にシフトした。


「そもそも彼の聖剣は月という天体の生み出す魔力の運用、月という天体を触媒とした観測、解析、そして犠牲による強化、その三つが主な機能だ。」


ホーエンハイムはかつて彼が話してくれたことを思い出しながら話す。彼は聖剣を冒険者時代から所持して居たものの抜くことはなかった。

成人して居ない、育ちきって居ない体に膨大な魔力による歪な負荷がかかることを彼自身が嫌ったし、彼に憑いている女神様や賢者もそれを許さなかったのだ。

貸し出し人である月の代理人が拒否すれば彼の聖剣は使用できない、使用申請とはまさにその通りのいみである。

今では出力を抑えた状態なら自力で解放できると思うが、それは未だに寝ている彼にしか分からないことだ。


「・・・見事に攻撃型じゃ無いですね。」


「そうだね、普通聖剣といえば勝利をもたらすなりなんなりの逸話があるからトンデモ威力の斬撃とか、ビームとか、所謂攻撃機能の二つや三つ、それの補助がいくつか憑いていると思うんだけどねー?」


しかし、能力が補助型のそれもほとんどの能力が戦闘と直接の関係が無い剣と言うのはどうなのだろうか、どんなに攻撃性能が無かったとしても聖剣や魔剣の類の多くは特攻が付いて居たり、最悪剣と言う体裁を成して居ない場合があってもその能力だけで相手の命だけを奪ったり、局部だけを抉り取ったりする様な超攻撃的な性能があることが多い、


「そりゃあそうさ、彼の聖剣は彼の為に造られた新しい神造兵器さ、故に伝承などないし、能力も好き勝手神様が弄んだ結果ああなっただけだし。」


ホーエンハイムはさも当然の様に言うが、マーリンも小夜もそんな話など聞かされて居ないし、そもそも彼の聖剣の仕掛けや、今までの偽装なども一切相談なく、むしろ彼女らに話す気は無いとばかりに隠蔽されて居たのだ。


「ハァ・・・またか、」


「何でしょうね、信用のなさがありありと出てますね。」


『別に信用して居ないわけじゃ無い、ただちょっと情報を預けるにはアレかなと言う話だ。』と言うのは彼の談、聖剣や彼の事情、収入源、その他諸々は基本的に口が固くて信用ができる人か、それが隠す意味を無くした時にくらいしか話さない、それで言うとマーリンは信用はあるものの泥酔したりちょっとでも酒が入ると色々言いふらしちゃうし、小夜は何だか腹に抱えてそうだと言うことで保留にされて居たのだ。

そんな中ホーエンハイムはある程度ヒミツに付いて語れる信用と、口の硬さがあった。恐らく今話しているのもマーリンや小夜が見たものについての説明、と言う体での話なので新しい情報は何ら無い。


「まあいいや、本題に戻ろう。彼のあの一瞬だったけどなった理不尽な力の根源は聖剣であり、彼の左腕に私が搭載した魔力増幅炉だ。正確にはそのどちらもが無いと彼はあの量の魔力を体に留めることもできないだろう。」


さらに言えば魔力というのは大きくなればなるほどその操作が難しく。高度な魔法が何故高度かと言えばその理論よりもそれに使う膨大な魔力の操作が高度である必要があるのだ。


「後、あのヘクトアイズ「タヌキチ」だね、あの子の魔法展開力と処理能力は実際やばいよ、あんな超級魔導師何人ぶんみたいな馬鹿でかい魔力をヒミツの補助があったものの捌ききった上に極大魔法を複数同時に連続で放った。」


「・・・今更ですが、ヒミツさんは何を目指してるんでしょうね・・・」


彼らは異常、というか魔法使いとしても魔導師としても、むしろ人間という枠組みの中では異端としか言えない、左腕に魔力制御にための機構や魔法を使える使い魔がいない頃からは彼は初級、中級、上級、超級問わずあらゆる系統のあらゆる魔法を手を起点にするだけで発動している。それはつまり、彼の魔力操作や魔法制御能力は軽く人間を超えているということ、例えるなら計算機に人間が勝つ様な、そんな馬鹿げた話なのだ。


「・・・」


ホーエンハイムはその答えを知ってはいるものの、彼の冒険者としてのこれからの活動や、主にマーリンの口の軽さを警戒しいうことはなかった。ヒントを挙げるとすれば彼の肉体に宿る精神、思考回路は一本では無いということである。そこに彼が転生者なのか、転移者なのかそれとも全く別のナニカなのかが関わってくる。



結論として、彼の化け物じみた戦闘力は彼のたぐいまれな運とその魔力の運用の賜物である。


「聖剣の取り出す天体の精製する魔力を引き出す為に身体を強化する。その強化のための魔力を増幅し、さらに魔力操作や魔法制御を使い魔にもしてもらうことでその負担を軽くし、さらに大きな魔力を引き出す。」


今まで、水が絶えず湧いてくるプールからコップで水を掬っていたのがバケツで救い始めた様なものだとホーエンハイムは締めくくったが、それでも、むしろそれだけ単純であるからこそマーリンと小夜は戦慄した。

なにせ、彼が身体を鍛え、魔力を練り上げ、魔力を受け取るにたる器を大きく少しづつ広げていくことで彼は無限に等しい魔力と、それを効率的に運用することのできる範囲を広げる事ができるということだ。

それはつまり努力チートであり、それを手に入れる。というかそこまで行き着くのにどれだけの犠牲やそれこそ血の滲むようなというのが軽く見えるほどの修練があったのか、そして何故そこまでして力を求めたのか、彼の謎は深まるばかりである。


少なくともそれを明かされることなく。彼をみすみす掠め取られる二人は今はまだ目覚めない彼に対しどんな文句を言おうか悩むだけであった。

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