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放浪系騎士の様なナニカの冒険記的なサムシング  作者: 名状し難い魔王
狂気的な日常のその向こうはやっぱり非日常な俺氏
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燃える三眼、這い寄る混沌1


「いやぁ、痛いなぁ…」


光が収まり神聖なオーラが収まると同時に俺とモードレッドがブッパした跡からムクリと顔のないナニカが起き上がる。


恐らく、というかほぼ確実にアレが今回の核だ。邪神にしては悍ましいだけのハリボテは光線を放つとともに消え去り目の前の中性的な顔なしに吸収されていった。


ニャルラトホテプ、ナイアールラトホテップなどの呼び方があるが総じてそれは当て字、若しくは言いやすい形に直した物であり、真の名は人間には発音できない音となっている。


「あハァ、いいねぇいいねぇこんなに歪んだ人間が四人もいるねぇあはは!アハハハハハ!!」


高笑いをする混沌、しかし先ほどとは威圧感がまるで違う。というか直視するだけでSAN値がピンチになりそうだ。それに彼の邪神はそもそも土の精だ。何故かこの世界では水と風の属性を獲得してはいるものの彼のホームグラウンドは地上である事に間違いはない、


(マーリン、いけるか?)


念話だ。恐らく意味は無いのだろうが安心感はある。


(ムリぽ、ちっと精神抵抗でゴリゴリ魔力が削れてる。)


しかし超一流魔法使いである彼女も一応のところ人の圏内、加護もなければ神を見に宿すなんて暴挙にも出られない唯人である。まあ本当にただの人ならまず立ってすらいられないので問題は無い、小夜は・・・


「・・・・・・・・・・」ブツブツ


完全に高速詠唱と内面への集中で周りを見ていない、ちょっと安心だ。


周囲は王都からほど近い、同時にそこまで遠くない森と平野の境目、這い寄る混沌の方が王都側にいるがそれはさしたる問題ではない、何故なら・・・


「・・・あハァ、スンバラしイィヨ、神様を縫い止めるなんてぇさ。」


「クッ!」


魔力を超消費しながらも格上である神を俺が縛り付けているからだ。まぁ引きずりこむのはムリだね。しかし縛っていられるのもそう長くはない相手は邪神でも架空神話でに神格持ちだ。

それをわかっている前衛二人だがどうにも近ずけない、そもそも近づけば近づくほどSAN値がゴリゴリ削れる上にやつ自身の戦闘力も相当だろう。

だが攻めなければジリ貧である。ブロントが剣に魔力を回し赤黒いような霧を発生させ切りかかる。


「クッ!暴食よ!牙を剥け!『暴食の王(グラットンソード)』!」


しかし、彼が斬りかかる瞬間、俺の制御から奴が外れてしまう。


「待て!」


「アッハァ!」


静止するが既に斬りかかってしまい既に事は成っていた。邪神は刀身よりも大きな幅を抉り取られたというのに黒い粘性の液体を撒き散らしながら口が裂けそうなほど口角を上げ顔がないように見えた顔にはいつの間にか燃えるような三つの邪眼が爛々と輝いていた。


上半身と下半身が袈裟斬りによって吹き飛んだが一瞬で再生し飛び散った黒い粘性の液体からブロントが放った攻撃とほぼ同等の物が百以上飛び出た。


「グッ!」


吹き荒れる斬撃の嵐だったが最強の矛ではなく最強の盾をとった聖騎士にとって自分の攻撃など通用するはずもなく衝撃によってヒミツ達の元に吹き飛んでくる。


「アハハハハハ、イイネェ!暗躍もいいが混沌と恐怖を打ち破らんとする勇者と相対するのも悪くない!」


「ブロントは少し下がって回復だ。」


笑い嗤う邪神のごとき精霊だが俺はお人好しじゃない、動かないのなら体制を立て直す。


「そうさせてもらう。」


「ジャンヌとマーリンは1組になって出来るだけ直接戦闘を避けつつ援護をお願いできるか?」


恐らくマーリンはこの中で一番物理的に、精神的に防御力が低い、聖女と名高いジャンヌの旗を羽織り自身も聖なるオーラと強靭な精神を持つジャンヌのそばなら多少なりともマシだろう。


「あんまり指図すんじゃないわよ!」


「そうだね、私も指示は得意な方ではないけれどちょっとキツイからそうさせてもらうね。」


そして最後に小夜を見る。どうやら既に詠唱と準備は完了しているようだ。


「いけるか?」


「はい!」


よく見ればわずかにだが既に神様特有の威圧感の一部が漏れ出ている。


「そうか・・・律儀だな邪神様よ?」


「クククク・・・知っているかイィ?人間は絶望しそうな時に見つけた僅かな希望を踏み潰された時の方がいい顔をするんだゼェ?」


俺は今聖剣を介した月の魔力のほとんどを周囲に飛ばして擬似的な結界を張っている。時刻はまだ昼間魔力供給が万全とは言えない、ブロントの復帰は早くて2分後、かなり接近したから相当な精神汚染を食らっているだろう。言っちゃあなんだが今回の俺たちに足りないのは火力だ。それこそ俺の補助みたいな聖剣じゃなくてモードレッドやアーサーちゃんみたいな超攻撃特化な聖剣の火力が何本もいる。


俺は粒子となっても存在している柄を握りながら最悪を考える。


「オイ、テメエ・・・死んだら殺すぞ?」


モードレッドが死体撃ち宣言をしてくるがそう言うことではないのだ。かろうじて肉体的に人間と言える今の俺から何かが無くなるだけなのだ。


「わかってる。頼むぞ?」


「わーってるよ、俺は王だからな!」


覚悟を決め俺は魔力を俺に周囲に引き戻し、それに呆気にとられたのかバカにしているのか訝しむように動きを止めた邪神だったが、開戦の狼煙は既に上がった。

王都上空超超高度からの彼のロンギヌスと同一と謳われた名槍が竜の因子を持つ王の膨大な、暴力的な魔力を伴って着弾した。


ロンの名槍(ロンゴミニアド)そして投擲技術・・・やっぱすげえな。」


「一番槍は父上か・・・よし!行くぞ!」


土煙も晴れない中俺たちの戦いは始まった。

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