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放浪系騎士の様なナニカの冒険記的なサムシング  作者: 名状し難い魔王
狂気的な日常のその向こうはやっぱり非日常な俺氏
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約束の刻、人外魔境の始まり


あの後も細々とした依頼をいくつか終わらせたり、邪神がいるであろう別位相まで近く範囲を広げようとしたり色々としたが、邪神は影も形も掴ませず、壁の強化や精神防壁を街中に点在させ住民には家の中や王城に退避してもらうことになった。

邪神が俺を追ってくれて入ればよかったんだが、どうやら真っ直ぐ王都に突っ込んでくるのだけは確定らしいので戦闘場所がどうあっても王都付近になってしまう。

また、出現場所が限定できないためジャンヌ、俺、モードレッド、例の盾役、がそれぞれ東西南北の四方向に散らばって接敵してから全員集合するという脳筋作戦に出た。

俺のところに来たら俺の陰に引き摺り込んでそこでの戦闘、モードレッドとジャンヌもなんか隔離方法があるらしいのでそこに封じてから、フェンリルにはマーリンが付くことでなんとかカバーすることになった。


「で、今は親睦を深めるという程の会食中なわけである。」


「誰に向かって喋っている?」


「いや、ちょっと神託が、ね。」


俺の隣には褐色白髪の偉丈夫、今は何故か僧兵の格好で首から母の形見だという『ダイアモンドの婚約指輪のネックレス』を掛けている。まあ、予想はできていたがイケメンである。


「そうか・・・そういえばあの場所に居たか弱い少女は貴様の知り合いらしいな、色々と人見知りが出てしまって何を喋ったか覚えて居ないんだが・・・大丈夫だったかね?」


「・・・まあ、多分?」


イケメンでナイトで超級冒険者である彼が面倒臭いという噂を聞いて居たがどうやら女性や初対面の相手に対してのコミュニケーション能力が著しく低いらしい、今だって自分の隣のジャンヌや向かいにいるモードレッドを直視できて居ない・・・完璧な人間って言うには居ないらしい、というのが再確認できたと同時にちょっと面倒臭い理由の一端が解った気がした。


会食はつつがなく進み、依頼内容についてもすり合わせは完了、根は常識人なだけあって特に話はこじれずに済んだ。特にブロントがまともだった事に驚きを隠せなかった。ちょっと特殊な発言センスだったが大凡普通だったし、ジャンヌは現在猫かぶりモードだ。





しかし、さて、穏やかな時間というのは続いていても読者的に展開に動きがないが故につまらない、それは唐突に、突然にやってきた気配だった。

とても微かな、それでいて悍ましい気配だった。


「ッ!」


「まずい…」


「オイィ!予定では昨日なのではなかったか!?」


「邪悪、それもとびきりのね…」


気がつけばマーリンと小夜は俺の隣に、ブロントの横にはいつの間にか猫ニンジャが、ジャンヌの側にも剣に手をかけた白い肌の偉丈夫が居た。

王城の食堂での会合は一気に殺気と警戒心入り乱れる。が衛兵や騎士に気づいたものは少なく、モードレッド直属の部下だと思われる上級騎士数十人が騎士やメイド、料理人などの避難を開始、


「モードレッド。」


「精霊様によると北側、正門のど真ん前、距離は結構あるみてえだが・・・ッチ、なめやがってクソ邪神が。」


居場所を聞こうと呼びかけると既に臨戦態勢なモードレッド大人モード、侍従長に至っては既にここではなく正門付近に魔力反応がある。


「急ぐか、全員動くなよ!『影縫い(シャドウ・ワープ)』!」


時刻は午前、予定より前倒しの戦闘だが全員装備は完璧らしい、僧兵服だったブロントもいつもの聖騎士装備に大楯、禍々しい黒い魔剣を携えているし、ジャンヌは両手に巨大な籠手型の鈍器を構え聖なる力で薄らと発光するマントが眩いオーラを放っている。


俺は侍従長の足元の影を狙って転移、無事に転移を完了すると同時に強烈な精神への攻撃を感じる。


精神系防護を全員に掛け悍ましい気配のある方向を向くと、山があった。


「なっ・・・」


「悪魔は倒したことあるけどちょっとデカすぎじゃない?」


「ふむ、なかなか切りごたえがありそうなスライムだな。」


その黒い山のほぼ中央突然に全体の流動が激しくなり目のような構造が三つ、開く。


「マーリン!」


「もうちょっと!」


既に転移前から心象結界の展開準備をして貰っているが予想をはるかに超える大質量に驚きを隠せない、マーリンもそうなのかそれとも単純にデカ過ぎるのか結界に魔力を充填している。


しかし、相手の方が一歩早く魔力が高まり磨りガラスをすり合わせたような耳に悪い騒音とともにその目から光が放たれる。

すると大楯を前に突き出すような形で構えた我らが盾が全員の前に躍り出る。同時にジャンヌもマントというよりかは外套のようなその身にまとう物を広げ構える。


「黄金の鉄の塊である聖騎士が、その程度のビーム、弾けぬことはない!展開!『無敵の大楯(イージス)』!」


「はるか過去の聖女様!私に力を!『救国の御旗ラ・ピュセル・オルレアン』!」


二人の顔には特に精神異常系の状態異常の兆候はカケラもなく彼らの従者もまたまっすぐとデカブツを見据えている。聖なる二つの聖遺物級、若しくは神器と思われる武具はこの攻撃を確実に防ぎ切るだろう。


「ッチ!」


「クソが!」


だが俺とモードレッドは舌打ちをし、俺は月光魔力の砲撃をモードレッドは聖剣による星の魔力と願いを束ねたビームを、街の方向へ撃ち出す。

小夜は祝詞を詠唱し今度こそ彼女の力を解放し、マーリンはギリギリアウトなタイミングで結界を展開開始、そして光に飲み込まれた。


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