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放浪系騎士の様なナニカの冒険記的なサムシング  作者: 名状し難い魔王
束の間の安息のようでいてそれでいて休めない俺氏
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依頼:『王城で来賓と王様の暇を潰せ!』1


「・・・・」


「・・・・」チュー


「・・・・」カァァァ



何だろうこの空気、そして何だろう此の依頼、どういうことか思い出してみよう。

昨日はうっかり宿で一泊し朝食を適当な飯屋で食べて居ると王城から走って来たのか、それとも他の理由からか息を荒げた騎士が沢山やって来て、俺は朝飯の代金を店主に渡しながら買ったサンドイッチを食いつつ結構なす術なくそれに運ばれて来た。

気がつくと侍従長の前に放置されており、半ば目潰し的な感じに騎士兜のスリットに羊皮紙の依頼書を突っ込まれサンドイッチ片手に抜き取って読むと


『今日の依頼は急遽王城で私と父上の警護、もとい暇つぶし相手になる事に変更します。』


とモードレッド王の字で書いてあり、ハッと思って顔を上げると俺は侍従長のスカートに吸い込まれ空中庭園的な場所にあるお茶会用の小さなパラソル付きのテーブルにアーサー、モードレッド王、そして俺というふうに座っていた。というのが冒頭である。のだが・・・


「うん、何でだろうか?」


「それはわたしがよんだからです。」


「・・・・」チラッチラッ


「紅茶と茶菓子でございます。」


まあ何回か依頼を無償で請け負う。とは言ったものの大半が昨日のような危険な魔物退治やなんかだと思っていただけあって今日の依頼は楽で良いのかもしれない。


俺は茶菓子を無警戒に食べ紅茶を飲んだ、あー今日も美味しいダージリンティー・・・


「ガッ!?」


取り落とされるカップ、それは侍従長によって回収される。手は震え逃げようと立ち上がろうとするがもつれて倒れこむ


「ふふふ…マーリンに昨日のうちに調合させたヒミツ君の超人的な耐性を貫く薬品、よく効いてるみたいだね。」


ヤバイヤバイ、なんか目が潤んでエロいアーサーちゃんがにじり寄ってくるぅぅぅぅ!だが動けなイィイィ!


「意外でしたね、まさか『媚薬』で身動きが取れなくなるなんて・・・もしかしなくても人外なのでは?」


俺の状態異常耐性には身体的な素の状態の物と、女神様(笑)からの寵愛、そして賢者の加護があるのだが・・・


(賢者のは俺が面白い感じになる魔法やら呪いやらは弾けないし、寵愛は何故か媚薬だけマイナス耐性なんだよねーアハハハハハ…どうしようか)


何となくモードレッドの方を見るが相変わらずオレンジジュースをストローで吸っており、アーサーちゃんを止めてくれそうにないというか、俺はもっと気をつけるべきであった。何せ今ここに居るのはちょっと目がヤバイアーサーとアーサー大好きっ子のモードレッド、そしてモードレッドに忠誠を誓い俺の嫌がることは率先してやりそうな侍従長しかいないのだから。


「エヘヘへ♡」


(ぬおおおお!『転移』ィィィィィ!)


最後の力を振り絞って此の魔窟から抜け出そうと短剣に手を当てて此の街の中にある双月の教会に転移し、俺の意識は冷たい大理石と誰かの叫び声を最後に途切れたのだった。



「おー、にげたにげた。うまいうまい。」


「ッチ、もう少し量を増やすべきでしたね。」


「・・・・っは!私は一体!?」


テラスではヒミツと同じく実は媚薬とちょっと欲望に正直なるクスリを盛られていたアーサーが素面に戻った所だった。つまり最初に薬を盛られたのはアーサーでちょっと欲望に正直になった結果モードレッドから渡された媚薬を躊躇いなく大量にヒミツの紅茶に混入させ自分もゴクリ、あわよくば・・・的な感じに場は流れていたのだ!


長年の聖剣の所持よってそれが無くても不老で不死になり、成長の抑制がなくなったことで身体的な最高点を維持して居るアーサーだが、聖剣とその鞘が無い彼女の耐性は常人と比べれば高ランク程度で纏まっている。よってほぼ同格である伝説級の魔法使いの作った薬物には勝てなかったようだが、耐性によって中途半端に記憶が残り、全てを悟ると空中テラスの淵からフライアウェイしようとする。が、


「逃しませんし、此の国の大臣を痴情のもつれ(自爆)で殺すわけにはいきませんよ?」


「は!離せー!私は!私は!うわああああああ!」


侍従長に捕まり、無事捕縛、しかしそんな姿を見てもモードレッドは光のない目を爛々と輝かせ、ウットリとその姿を、可愛らしい無様を眺めていた。





意識が・・・鈍いな、身体が熱い・・・クソ、どんだけ飲まされたんだ、俺は!


目は開けられなかったヒミツだがなんとか周辺の魔力を探知し、左腕のタヌキチに目を発生してもらい視覚を共有する。


(うむ、大理石の上に放置かと思ったが何か柔らかい・・・毛布かな?が引かれているな、重くて動かせず、どうにか転がしたと言った感じか、ふむ、問題なく教会に来れたようだな、僥倖僥倖。)


とりあえず全身の魔力とそれに付随して筋肉を操作し熱を発生してどうにか薬物を抜く。


(此の感じからして・・・十分てとこか、よし、頑張ろう。)


あえて近くにぶっ倒れている修道女のことに触れずに黙々と身体に入った超濃度の媚薬を抜きながら多分アーサー王は荒れてるだろうなぁとか、これ依頼失敗とかにならないよな、とか無体なことを考えていた。

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