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放浪系騎士の様なナニカの冒険記的なサムシング  作者: 名状し難い魔王
俺氏にとってルナティックとは
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王たるもの騎士たるもの2


幼女は聖剣と王剣の二本のブーストと魔法の並行複数処理によって生み出される瞬間的かつ効率的な身体の強化を持ってして、騎士鎧の男と同等かそれ以上にも見える身体能力を手に入れた。

結果として彼女の剣は鋭く早く、彼女のバールは鈍器としても刺突武器としても最大レベルまでその力を発揮することとなる。


踏み込んでからの袈裟斬り、に見せかけ幻影を生み出してから一瞬でバールを右手に持ち替え釘抜部分を鎧の接合面にぶつかるように横に振り抜く。

が、騎士の黒剣によって下方向へ逸らされ逆にいつの間にか魔法を付与したロングソードによって右手のメダロックを剣による物理攻撃と魔法による爆破によって打ち上げられそうになるが地面に設置したバールを使い後ろへ弾かれたように跳ぶ。


「むむむ、やはりつよいですね。」


「いやあ、おじさんもびっくりだよ〜」


しかしモードレッドもタダでは下がらなかった、いつの間にか振られた左の剣は兜の留め金を破壊しながらそれを上に弾き上げた。


鎧の男、つまりヒミツは自分の意思以外で外された兜をチラリと一瞥し、この見た目で先ほどのような不意打ちや幻影などを使う本格的な揺さぶりを習得していることに、モードレッドにして現国王はそれを至って冷静に捌かれたことに両者期待度が高まり、それに比例するように魔力と魔力のぶつかり合いによる周辺の破壊が進む。

濃密な高出力の魔力は放たれるだけで物理的な側面を持つのだ。


「じゃあ、こっちから行きますかね?」


「むっ!」


踏み込んだとほぼ同時に剣の間合いのその内側に拳の間合いに武器を捨てて表れた。


「なぁ!」


見えなかった。さっぱり見えなかった。

単純な身体能力ではなくそのほとんどが技術的なほとんど完成された動きであった。

なんとか反応して剣を振ろうとするモードレッドの左腕を右手で身体能力魔法を破壊しながら手で払い、バールが来る前に左の正拳を叩き込む。


が、即座に避けることと攻撃を諦め物理防御障壁を幾重にも張り巡らせダメージを減らす。唯の正拳でしかも一撃でまるでガラスのように粉砕されていくのを見て冷や汗を流しながら突破点を狙う。


しかしヒミツは一撃目が障壁に当たったのを感知した瞬間に一撃では無く連撃に切り替え障壁の精製速度を上回ろうかという勢いで蹴り、順手、時には肘でコンボを繋げる。しかも遅くなることなくむしろより滑らかにつながり一週目より二週目3週目と加速していく。


「くぅ!?」


その内に障壁を突き抜け拳の生み出す衝撃波がモードレッドの身へ着実にダメージを与えて来る。


「くはは、降参してもいいんじゃよ?」


「ふざけろ?」


「何故疑問なんだ・・・っと。」


会話しつつも状況は動く、モードレッドが障壁を一点に集中しヒミツを物理的に押し返したのだ。

その際にヒミツの胴の鎧に少しヒビが入る。

しかし状況はヒミツの有利である。ヒミツは行き一つ切らしていない上に魔力の消費もほぼゼロ、集中力もほとんど使っていない、対してモードレッドは聖剣による再生がかなり効いてはいるがそれでも精神的な負荷がおおく、息を切らしている。しかも聖剣の効果で魔力も回復してはいるが此方も現在は心もとない。


「おっと、魔力切れか?」


しかしモードレッドは聖剣(という名のバール)とメダロックを交差し魔力を高める。


「む、おくのて、だす。」


「ほう・・・いいじゃない?」


元の場所まで吹き飛ばされたヒミツは剣を影に吸い込み鞘から生やす。そして魔力を手足に集中させ身体能力強化魔法を発動し、更に防具の強化をする。


「『呪詛解放、我が身は王』」


そのつぶやきの後膨大な魔力と歪みによって砂埃が舞い次の瞬間ヒミツは吹き飛んでいた。


「グッ!?」


「まさか聖剣すら抜かないとは・・・舐められたものだな。」


砂埃が収まり、吹き飛びながら黒剣を地面にさして反動で立ち上がるヒミツが見たのは、最初の幼女のような姿が嘘のようなスラリとした手足、腰まである金髪、そして明らかに大きくなったメダロックを片手で構えている。


「え、誰?」


あとエクスカリバールは何処へ?


「ふん、傷ひとつないか・・・頑丈だな?もちろんモードレッド、現騎士王である。」


なんというか・・・髪の色と眼の色以外は・・・(あと胸とかグラマラスな感じ以外は)俺のしる騎士王によく似ている。だが・・・


「ふむ、歪みを取り込む事を代償に体を成長させる秘術・・・ってところか?」


「博学なようで…だがそれだけと侮っていれば・・・」


剣を構え・・・


「死ぬぞ?」


振り抜くその瞬間にまるで瞬間移動のような錯覚を感じるほど無動作で俺の前に立っていた。


「単純な加速ではなさそうだ!」


俺は無詠唱で聖剣を抜刀しメダロックを受け止める。コマ送りじみた瞬間移動に少々の驚きを感じるが微かにある魔力の気配からそれが技術的に生み出された体技出ない事を確認する。


世の中にはこんな化け物じみた達人というのもの存在しているがそれでないことに若干安堵するヒミツ、しかしそうで無くても脅威は脅威、油断なく片手剣状態の月光聖剣を打ち込む。


「はは!ようやく抜いたか!同じ聖剣使いとしてようやく勝負が始まったという事だな!」


モードレッドはそれをメダロックで受ける。


「ふむ、元気がいいねぇ…おじさんも本気で行くぞ!」


本来物理的な側面を失くした非実体剣であるはずのな月光聖剣を受け止めるメダロックに少々の驚きを覚えるが、どうやら相手は此方の剣の性質を既に掴んでいるようで剣に薄く魔力を纏わせそれによって生まれる非実体の刃をもって月光聖剣を受け止めているようだ。


「ゆくぞ!」


「オッケィ!」


そう喝を入れると二人の連撃は加速し、同時に音を置き去りにした高速戦闘が始まった。フェイントなどの小細工は無くただ単純な技量と魔法による身体能力の強化のみでのぶつかり合い、互いに傷を付け合いながらも獰猛に口角を上げ、ヒミツの鎧は砕け、変身したモードレッドの真新しい戦装束にも亀裂が入って行く。

その多くは剣や体技などの相手からの損傷というよりは自分達の加速と魔力の生み出す圧力が今までの戦闘によって出来た傷を広げることによって出来たものだ。



しかし成長し、その剣技や技量まで成長したと言えど魔力と歪みを駆使した魔法を行使して無理やりそれを生み出しているモードレッドとヒミツには差が生まれてしまう。


「クハ!ハハハッ!」


聖剣では無く左手で抜いた黒剣による一閃がモードレッドの意識の外から襲いかかる。


「グウゥ!グァ!?」


なんとか耐えるが鎧と共に魔力を吹き飛ばされ身体能力が低下、後退する。


年端もいかない少女の様な本来の姿を持つ小娘相手に負けられないヒミツ、王として、そして何よりも同じ聖剣使いとして優れた適正と恵まれた力を持つモードレッドとの正面衝突は最初の損傷も消耗も少なかったヒミツに上がった様だった。


後退しながらもメダロックを数回振って剣圧に魔力を乗せた斬撃を飛ばすモードレッド、それをいつの間にか無手になった左手で殴って消滅させるヒミツ。

『魔法破壊』の魔法陣を消滅させながら息を吐く。


「ふぅ〜、危ないねぇ。」


しかしその姿は鎧以外は損害無し、呼吸も心拍も平時と変わらないという人外ぶり、


「そんなに余裕たっぷりに言われても嫌味にしか聞こえないな・・・」


対してやはり損耗が大きいモードレッドは肩で息をしている。


「いいじゃない?王様も聖剣の力やらメダロックの権能やら使ってないじゃん?」


聖剣を片手剣状態、つまり昼間モードで展開しているヒミツが言うとかなりの皮肉だ。そもそもヒミツはまだ真に聖剣を抜いた訳ではない上に昼間というハンデまである。


「ほざけ!」


「甘い!」


先程から何度かモードレッドは瞬間移動の様な事象を起こしている。しかしヒミツは既に見切っていた。


「『時間の前借り』置換魔法の究極型の一つ、才能も努力も認めるが…まだまだ若造だぜ?」


「がっふ!?」


ヒミツは突っ込んでくるモードレッドに左腕を突き出し『魔法破壊』を実行、バキリという音と共に姿が砕け同時に気絶、聖剣とメダロックを手放した状態でヒミツの胴に突っ込んでくる。



「おっと……ふう、危ない危ない。」


今日修理に行く予定だった鎧は大部分が砕け、せっかく昨日のうちに直した鎧の左肩は見るも無残にひしゃげ、マトモに防具としての体面を保っているのは手脚と途中で吹っ飛んで転がっていた兜ぐらい、モードレッドはその戦装束のほとんどを魔力で編んでいたらしく王族らしい装飾の多い服には傷など見当たらない。


「うーん、マーリン達の機嫌をどう直そうか・・・」


そしてそれを抱えるヒミツはこれからおそらく飛んでくるであろう二人の機嫌を心配しつつモードレッドを近くまで来ていた彼女の侍女と優秀なのであろう回復魔法使いに引き渡して悩むのであった。

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